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異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。第5章
一話『寒くなったこの頃』
日本は、11月に入った。
女神『冷えてきましたね海渡様〜』
海渡『女神…。なんで急に登場して…』
女神『だって、私のお母様とお父様が連れ去られた。でも、返す条件は、とある女性を引き渡さないといけない。魔力があり、かなり強い女性を…』
と言っても手がかりはない。
ただ女神たちのメイドからそう告げられたそうだ。
女神『…でも、その女性を引き渡しても、結局は被害者が出る…。』
少し黙り込んでしまった。俺たちはどういう判断をしたらいいのだろう。
女神の身内を助けて、全く知らない他人を捨てるか。
或いは、女神の身内を見捨て、全く知らない方のことについては巻き込まないようにするか。
悩むし、これこそ究極の選択肢なのではないか…?
…でも誰かを巻き込むことはしたくはないし、けれど女神の家族は助けたい…。
…選びにくい。いや、選べれない。
一体どうすれば…
??『あ、あの…』
海渡『え、あ、はい。』
いつのまにか女神は消えていた。
そして知らない人から、声をかけられた。
??『"異世界"ってご存じですか…?』
…え?こんな質問されたことがない。しかも、日本で、地球で、異世界でじゃないぞ…?
この前異世界から帰ってきたばっかりで、女神の家族どうしようか悩んでたところで…
ん?でもこの質問おかしくないか?普通に。…なあんだ、多分これは漫画の…
??『異世界があるって聞いたんですよ。どうすれば行けるでしょうか。』
あ、やばい。これは、終わったかも。
海渡『え。え。異世界…?俺は…そんなところ知らないですね。ははっ…、実在…しないでしょう?』
??『あるんですよ絶対!!』
ルナ『あ、申し遅れました。僕は、「ルナ」と申します。本名じゃないんですけどねw。漫画家やってまして、ネタがないんで異世界に行きたくてですね…』
会話が変だ…!!!
ルナ『お願いです!!教えてください!!』
海渡『だ、だから知らないですって…』
めんどくさいなぁ。ネタがないから異世界って、どういうこと。(そういうこと何だろうけど)
ルナ『あなたは、異世界を知っているような目をしていました…!』
ルナ『僕の狙いは外れていないはず…!!』
確かに知っているけれど、
こいつすぐには諦めなさそうだぞ…?
誰か助けて…
---
第五章『君が愛する家族』二話「異世界へ」
結局30分ぐらいここでルナという人は、俺から決して離れなかった。
海渡『そろそろやめてもらっていいですか。普通に迷惑です…』
ルナ『えええええ!?なんでなんで!!』
海渡『いやだから…異世界知らないですよ俺…』
ルナ『…嘘ついてるだけじゃないんですか。』
俺は歩き始めると、ルナもついてきた。やってることが完全にストーカーじゃないか…(困)
しかも、近くに人はいないし、なんなんだよここ…。ルナが来る前は結構いたじゃないか…
…待てよ?
確かにたまたま人が通らなかっただけかもしれない。さっきまであんなに人がいたのに、今はいない…。少し不自然だと感じた。
人が結構通る道なら、30分の間に何人か通るだろう。でも通らなかった。ルナが来てから。
ルナ、なんなんだこいつ…
ルナ『諦めてくださいよ〜ねえ〜』
異世界があると聞いたことがあるとは言っていたが、もしもう前から既に異世界に行ったことがあったとしたら…。でもなんか騙されてる感ある…。
索敵サーチ
ルナ『………』
海渡『ルナさん、でしたよね。』
ルナ『あ、はい!!』
海渡『…あなた、異世界を聞いたのではなく、異世界を既に"知っていた"のですよね。…いや、生まれは異世界ですよね?』
ルナ『……』
索敵で分かった。まず、彼は『異世界で生まれた』ということ、そして魔力があまりない、それはよくわからないが。そして漫画家ではなく、ただのニートということ…
ルナ『大正解だよ。でもやっぱり君は異世界を知っていたんだねー。最初から言えばいいのに。』
海渡『地球人には、できるだけ異世界を教えないようにしていますので。』
ルナ『冷たいなぁあ。僕ニートになっちゃってねえ、異世界に帰ろうとしたんだけれども、帰れないの!!!』
…え?帰れない?
ルナ『異世界へテレポートができなくて。あ、別に弱いわけじゃないぞ!!中級者です!!』
いやさっき索敵したら、魔力あまりないって表示されたけどな…(笑)
中級者って言ってるけどそれほどの人じゃなさそうだし、じゃあ地球に一体何しに来たんだよって思う。
ルナ『…拝啓、ルナへ。』
…?
ルナ『ついにお別れの時が来たね。』
ルナ『私、君のことが大好きだった。』
ルナ『でも、それよりも、大切なものを失って辛くて、ごめんだけどバイバイだね。』
ルナ『あなたが来る時は歓迎してあげるから。』
ルナ『…フープより。』
一体何を喋り出すかと思ったら…誰かからの遺書みたいなのだな…
ルナ『なんでここに人が通らないかというと、僕が結界を作っていて、入らせないようにしているからです。不自然に思ってたでしょう?そんな顔、あなたはしていました。』
ルナ『フープは亡き者ですが、僕のことを今でも愛してくれています。』
ルナ『フープの大切なものを失わせたやつを倒したいんです。お願いします。お願いします!異世界に連れて行ってください…!!』
……
ルナだけ異世界に行っても、なんか倒せなさそうだから、
面白そうだし、ついて行ってみるか___
海渡『瞬間転移・指定、海渡・ルナ』
海渡『場所、異世界。』
---
第五章『君が愛する家族』三話「サプライズ?」
異世界に着くと、女神がいた。目の前に。
女神『か、か、海渡様ああああああああああああ!?』
ルナ『え。うん?』
海渡『え、なに、え、なに。どうしたの女神。てかここどこ?』
女神『あ、あ、やばいどうしよう…』
一体どこ?そして何この状況。周りを見渡すとそこには沢山の人が集まっていた。
随分とカラフルな部屋、何かみんな飾り付けをしている…?ああ、誰か誕生日なのかな。パーティーでもするのかな。そう思った。
女神『海渡様…。あの…。』
海渡『どうしたの女神。(ニコッ)』
女神『え、あ、(ずっきゅん!)』
う〜ん…。なんかみんな大変そうだし、俺も手伝おう。
海渡『そうだ。このパーティーの飾り付け手伝うよ。』
女神『え、え!?』
海渡『これここに飾るねー』
女神『(やばい、どうしよう…)』
女神『(サプライズじゃなくなる!!!)』
ーーーーーーーー
女神site
実は実は実は、海渡様にサプライズパーティーを私は企画していました…。
なので会場の準備をしていたら、なんと海渡様が!!しかも仕掛け人のルナまでいる!まあ仕掛け人と一緒に異世界に行くことは想定内。でも、会場の中に転移するのは想定外ですよ海渡様ああああああああああああああああ!?
はあ…どうしよう…
でもまだ何にも海渡様気づいてないけど…
【海渡様!魔王戦お疲れ様でした!】の板…壁に貼りたいんだけど…
この状況、貼れるわけないじゃないですかあああああああああああああああああ!?
どうしましょうどうしましょう…!!
海渡『ねえねえ女神、これあそこに貼ればいい?』
女神『え、あ、OKです…!』
ほんとにどうしよおおおおおおおおおお!!!
今更サプライズできるううううう!?
…いや、でも海渡様気づいてないからできるか?
---
第五章『君が愛する家族』四話「パートナー」
そしてめちゃくちゃいい感じに会場が仕上がった。どんなパーティーするんだろう。楽しみだなぁ。まあ俺は別にお呼ばれされたわけじゃないから参加できないけどね…。いやほんとは参加したいよ。
女神『か、海渡様。あの…』
?『ここで何をやっているのかしら。』
女神『…!?』
…誰だ?
?『…女神。この人間が、あなたのパートナーね?』
女神『え、あ、はいそうです…。』
女神を知っている…?知らない人が話しかけてきてから一気に空気感が変わった。知らない人は、俺を睨んでくる。初対面なのに俺が何かしたっていうのか。
けれど、女神を知っているから異世界を知っている方に間違いはないだろう。体は細い。手は…透けてる?金髪で長い髪の女性が、俺を睨みつけた。
そして女神に話しかけた。
?『女神。こんな人間があなたのパートナーとして生きていけるのかしらー?やっぱり異世界人の方が良かったんじゃないの?』
女神『なわけないです!…私のパートナーは…、とても強くて優しくて、隙がないすごい人間です…!』
女神『"お母様"、嘘をついておいて何を言っておらっしゃるのでしょうか…?』
お母様…、女神のお母さん?それにしては、確かに女神と姿が似ているような気がする(ほんのすこし)
てか、女神のお母様って連れ去られたんじゃ…。いやなんで。頭が混乱する。
「嘘をついておいて」といっていたので、恐らく嘘というのは連れ去られたことは嘘だったということか?まあ女神のお母様がいる限りそうだろうな…。
連れ去られて、すぐに救助されて帰ってくるはずがない。そもそも異世界の人が連れ去るなら、地球の連れ去りより相当助けるのは苦労するであろう。
魔法、魔道具、罠、凶器…。異世界ならそういうことだってできる。
女神の母『女神のパートナー。あなた、名前は。』
海渡『女神のお母様ですね?草野海渡と申します。よろしくお願いします。』
女神の母『Kaito Kusano…。Mr.Kusano?あなたが本当に女神のパートナーに相応しいか相応しくないか。徹底的に調べさせてもらいます。』
…え?
調べるって何を…
女神『お母様!いくらなんでもやめてください!』
女神の母『私が作った特製訓練所。存分に味わうといいわ。"テレポート"・指定「禁断の訓練所」』
禁断の訓練所…?
---
第五章『君が愛する家族』五話「禁断の訓練所」
俺は、女神のお母さんのテレポートで、禁断の訓練所というところに転移された。辺りを見回しても、誰もいなかった。ただ俺の目の前に見えているのは、一つの小さな黒いボールみたいなものだった。
俺はその黒いボールに近づいた。本当にそれ以外何もなくて、もはやこの黒いボールに近づけとも言っているような気がする。それにしても不気味だ。
俺は黒いボールを手に取った。触っても特に変化はない。これはなんだ?黒いボールには、何も反応がない。…索敵をしてみた。だが、魔力なども何も感じなかった。罠か…?最初は思った。
何分か経った。俺は黒いボールを落とした。
あまりにも広い空間だったので、もう少し移動してみようと思い、俺は動いた。ボールを持って。この空間は、どこも白くて、気持ち悪い。不思議な空間なので、変に感じてしまう。全て真っ白な部屋を見たことがない。
少し遠くにきた。もはやどこがどこなのかさっぱりだなぁ。出口もどこかわからない。
…一体何が訓練なんだ…?
もっとアドベンチャー的な訓練だとは思った。けれど想像とは全く違ったようだ。まだ訓練には出会っていないが、俺はもっと森でやるとか、自然に満ち溢れた場所でやるかと思ったのだが、どうやら違ったようだ。
禁断…と言っていたな。…それほど使わない訓練所なのか…?
でも女神は『やめてください』とか言っていたから、恐らくそうとう厳しい訓練何だろうな…。でも訓練をまだ受けていないのだが…
それにしてもおかしいな…、本当に先に進んでも何もない。
…最悪だと思うが、もしかして…。
もう既に訓練は"始まっている?"
訓練って最初に指示が入るものだと思っていたが、何も言わないということは、女神たちに取って、暗黙の了解というか…(笑)
でもこの訓練で何が鍛え上げられるのだろう。俺はとにかく先に進んだ。
女神は、この訓練場について何か知っているのだろうか。
…魔法で出れないか?魔法ならまだしも…
…って、魔法が使えないようにこの空間にロックかけてるじゃん。最悪だね。魔法が使えるなら楽チンだと思ったんだけどね。案外そう簡単にはいかないか。
でもこれじゃあどこに出口があるか目星がつかないなぁ…。
…そういえば、なぜこのボールはあったのだろう。
白色じゃない、黒色。一つだけ目立つような色をしたボールと何か関係があるというのか…?
って、ん?
俺は先に進んでいると、ドアを見つけた。
白くてよく分かりにくいドアだが、確かにドアだ。俺はドアを開いて、入ってみた。中は暗かった。
…いや"暗いんじゃない"。この部屋自身が黒い。だから暗く見えるんだ…!
【認証されました。】
!?
【草野海渡様。残りの8つのボール探しも、頑張ってクダサイ。】
一体何が起こっているんだ…!?
---
【草野海渡様。残りの8つのボール探しも、頑張ってクダサイ。】
一体何が起こっているんだ…!?
…!!
ーーーーー
…白い空間から、別の空間へと転移された。…魔法だろう。この空間は意図的だと思われる。…さっきは黒いボールは、ここから出るためのミッションだったのか?
そして残り8つのボール探し…とも言っていたな。一体誰が言っていたかはわからないが、恐らくこの訓練の…司会とも言っていいかな。そもそも訓練に司会などいらないけどな。
【草野海渡様。】
…!?
何処からか、俺の名前を呼ばれた。…どこかで放送しているのか。
【草野海渡様。聞こえているでしょうか。】
海渡『…ああ、聞こえているよ。何処かの誰かさん。』
【あなたの訓練は「ボール探し」です。】
ボール探し…。だからさっき黒いボールがあったのか…。他にも8色のボールがあり、それを見つけないと出られない…、いろいろと面倒だな。
その時だった。
後ろから、赤い何かが、俺を襲おうとした。何か気配がするなっと思って後ろを向いたら、赤い何かがいた。びっくりした。
すぐに避けれたからよかったけれど、油断大敵だなぁ…。
【そう。お見事!】
…は?
【次のミッションは…】
【瞬発力の訓練です。ボールを探してくださいね。】
…瞬発力の訓練…はいいんだけどさ、ボール探しかよ…
【でも、赤い化け物が邪魔するから、気をつけてねぇ〜】
うわめんどいやつですねこれは。
放送が終わると、俺はボールを探しはじめた。さっきの赤い化け物はどっか行ったし、今なら探せるチャンス。赤いやつは魔物なのか…?
白い空間に引き続き、次は白と黒が混ざった空間だった。地味に気持ち悪い。先ほどから白をずっと見続けているので、白だけでも吐き気がする。
転移する前の白い空間に似ていた。
赤いやつに警戒しながら探して行ったが、
どうやら警戒していても気づかないものだったのだ。
みぃ〜つけた♡
海渡『…おや、赤いやつのお出ましかい?』
赤いボールは渡さないよぉ〜?♡
---
第五章『君が愛する家族』七話「色は常に」
…どうやら、赤いやつは既に戦う気満々のようだ。赤いやつの目がギラギラと輝いている。その上、部屋も赤く、赤いやつも当然赤いため、眩しい。そして何よりも殺気がある。
これだから異世界は苦手なんだよ。地球は殺気がある戦いはそれほど見ない。異世界は出会ったら両者殺気がある戦いばっかりだ。うんざりだったんだよ。
だから、俺は面倒くさいことは苦手で、こういうことも苦手。
しかも赤いやつがボールを持っているようだ。
赤い化け物『やぁ!僕は…』
海渡『うるさい静かにして。僕は君を、』
海渡『永遠の眠りへと寝かしつけるために、今僕は君に話している。』
赤い化け物『へぇ、やる気満々じゃん!』
赤いやつの方がやる気があるような気がするが。まあいい。
こいつを倒せば、赤いボールが手に入るのだから____
赤い化け物『君ぃ、隙だらけだよ?』
は?
赤い化け物『禁忌・red Bat』
赤い化け物は蝙蝠こうもりを召喚した。しかもついでに赤い蝙蝠になっている。実に違和感がある。
蝙蝠はすごい速さで俺を襲う。俺は避けたが、また襲ってきた。どうやら諦める気にはならないようだな。
まあ蝙蝠なんて、簡単に倒しちゃえば…
海渡『ライトニングボル……』
赤い化け物『遅いなぁ〜!!禁忌・red lightning volt』
!!!
俺は相手の攻撃をまんまとくらった。
…痛いなぁ…
赤い化け物『お前の攻撃は!!!』
これが瞬発力かぁ。
赤い化け物『遅いんだよおお!!』
遅い…でも、赤い化け物は俺が魔法の文を読んでいる途中に魔法を使った。
より魔法の分が短く、発動時間が早い魔法がいいのか?ということは…
赤い化け物『どうした?どうした〜!?』
当たったら結構効いて、魔法の文が短い、そして発動時間も短い魔法…、よし。
海渡『プリズム』
赤い化け物『うっ…!!!』
赤い化け物『うわあああああああああ!!…』
倒したか?
…もう声もしない、恐らく倒したな…。
赤い化け物から赤いボールが出てきた。
赤いボールを手に取った瞬間…
【おめでとうございます。】
【次の部屋へいきます。】
赤い空間から別の部屋に転移された。
次の部屋は…
緑色の部屋?
【緑色のボールを見つけてください!】
【ボールは…】
【借り物競走に似たことをしてください】
【ルールは簡単、私がお題を出しますので、そのお題に合った人の名前をお伝えください。】
【全部で五問あります。】
運動会か?
【では始めます。】
【第一問】
テレン♪
---
第五章『君が愛する家族』八話「問題の解答に適する人物の名前を答えなさい。」
【では始めます。】
【第一問】
テレン♪
いやいや何が始まった!?
クイズなのはわかるが、いきなりこうなるとはおもいもしなかった。借り物競走…競走しないけれど問題の答えは人の名前…。う〜ん…
しかも、『ボールは…』のあとから何も聞こえなかったし。
もしかするとだが、このクイズに正解するとボールがゲットできるのか…?
【いいですか?】
【それではまず、こちらの"セリフ"をお聞きください。】
セリフ?
【『もうすぐ出かけるけど、準備した?』】
…え?(笑)
いやなんか聞いたことがあるようなないような…
【ではもう一つセリフを言います。】
【『お兄ちゃん、外ばっかり眺めて。お母さんたちも仲良く喋ってるじゃない、私たちも二人で喋らない?』】
あ、わかったわ。w
海渡『草野くさの優ゆう…?』
【………】
【ピンポーン◯正解です!】
イージーだったなぁ…、妹を出してくるとは。
俺めちゃくちゃ歴史上の人物が出るかと…
【次の問題です。】
【上級者で、魔法がほぼ使えず、『エニシングコピー』を使って戦う異世界の人は、だぁれ?】
上級者で魔法がほぼ使えない?
そんなやつ…
…いたわ。
海渡『もしかして、クラシコ・エルアード?』
【………】
【お見事です!正解です!】
いや急に過去のこと掘り返してくるからびっくりした…。
本当に会ったことがある人ばっか出てくるから、案外わかりやすいなぁ。
【では次の問題です。】
【こちらのセリフをお聞きください。】
またセリフだ。
【『…別に遊びたいわけではないのですが…、門は開けました、どうぞ玄関へ。』】
…んん??遊びたいわけじゃないけれど門をあけてどうぞ玄関???家の前…、というか門って、いやいや…。
【もう一つセリフを言います、よく聞いてください。】
【『海渡さん、先ほどの銃声が聴こえていたのですか?』】
先ほどの銃声?あ〜、これは…
海渡『黒川くろかわ美夜みや、かな?』
【………】
【おお!!なんと!正解!!】
ほっ…
【それでは次の問題です。】
【今年、地球が秋頃、エリクサーを飲み、不老不死になって、草野海渡に再戦を申し出た人は?】
…わかっちゃったよ。
海渡『ヴィンディン』
【………】
【お見事。当たり前ですよね。】
海渡『そういえば彼の下の名前聞いたことないけれど、どう?知ってる?】
【…次へ行きましょう。】
…ん?
【次の問題です!】
【セリフをお聞きください。】
【『永遠の眠りへと寝かしつけるために、今僕は君に話している。』】
…なんだこのセリフ。
って思ったけれどよく思えば、先程の言ったなぁ、言ったなぁ…w
海渡『草野くさの海渡かいと、でしょ?』
【………】
【ピンポンピンポンピンポン!!◯大正解!!】
まさか自分が出てくるとは思わなかったなぁ。
【それではクイズを全問正解した草野海渡に、大ヒントをプレゼント!!】
…なんの大ヒント?
【ヒントは『↑』です。】
また何か始まった?
---
第五章『君が愛する家族』九話「もう一人の自分」
【ヒントは『↑』です。】
また何か始まった?
…この矢印、もしかして前ということを意味している?だがしかし、前を見ても特に何もない。つまり…
上か。
俺は上を見上げた。ボールがあった。ボールの色は緑色をしている。
【おめでとうござ…ってうわあああああああああ!!!】
!?
そこで放送は途切れた。
何があった?何か運営側で事故が?突然の事態に頭の整理が追いつかない。
その時だった。
ーーーーーーーー
部屋が変わった。…ここはどこだ?何かの色に限定している部屋というわけではない。本は青と赤と緑。タンスは茶。ダンボールやテレビが置いてあり、不自然にテレビがついている。テレビは砂嵐が流れていて、実に奇妙で摩訶不思議だ。
?『おやおや、どうしたんだい?燕。』
燕つばめ?俺は後ろを向くと歳をとったおばあさんが、俺に話しかけた。おばあさんの後ろにはおじいさんがいる。どうやら老夫婦のようだ。
燕とはどういうことだろうか。鳥か?けれど燕らしき鳥はここにはいない。そもそも鳥…いや、動物は人間しか見当たらない。
おばあさん『ほら!ぼぉっとしてないで、とっとと皿洗いでもしな!私は洗濯物を干すから。』
えっ、皿洗い?
おじいさん『…畑仕事行ってくる。』
おばあさん『はいはい、いってらっしゃい。』
これは…夢?俺は何を見ている?今、何をしている?ここはどこだ?
俺は、誰かの人生を送っている?
俺は鏡を探した。あったので自分の顔を見てみた。俺だ。いつもの俺だ。
じゃあ何で今こんなことに?
俺は鏡を見たあと、黙々と皿洗いをした。…もしかすると…これは魔法なのかもしれない。俺は実は眠っていて、覚めにくい魔法を見せられている。そういう説の方があり得る。
皿洗いが終わると、リビングのソファーにおじいさんが座っていた。おじいさんは赤いセーターを着ていて、青いジーパンを履いている。畑仕事が終わったのか、少しゆっくり休んでいるようだった。
俺は少しでもおじいさんと会話してみたいなと思い、話しかけてみることにした。
海渡『お、おじいさま。皿洗い終わりました。』
おじいさん『………』
少し沈黙が続いたが、おじいさんは口を開き、話し始めた。
おじいさん『燕。そういう報告はいらない。』
海渡『あ、はい。すみません。』
やはり僕は燕と思われているようだ。
---
第五章『君が愛する家族』十話「燕とツバメ」
今、俺はベッドで寝転がっている。
俺はいつのまにか、『燕』という人間になり、燕の人生を送っている。作り話みたいなことなので信じられないかもしれないが、僕も最初は信じられなかった部分がある。それに、女神のことも心配だ。なんとかして、元の自分『草野海渡』に戻らなければならない。
太陽の光が、俺を照らしている。開いていた窓からシジュウカラがやってきた。黒いネクタイ模様がとても美しい。だが、少し時間が経っただけでシジュウカラは飛んでいってしまった。
…そういえば、燕になってから外に出たことがないかもしれない。丁度いい。外の空気も思う存分吸いたかったところだし、気分転換に外に出てみよう。
俺は燕の部屋を出たあと、玄関を出ようとした。その時だった。
おじいさん『何してる。』
燕のおじいさんだ。さっきソファーでくつろいでいたが、そのくつろぎタイムは終わっていたようだ。まあ話しかけてくれたってことは、これも仲を深めるいいチャンスと思った。
海渡『外の空気を吸おうと気分転換に外へ。』
おじいさん『…あんまり遠くには行っちゃあかん。…蝶がおる。』
蝶?…まあいいや。俺はおじいさんの言葉はあまり気にせずに外に出た。遠くにはあまり行っちゃダメということは分かったが、蝶の話に関してはよくわからなかった。
空気が美味しい。異世界とは大違い。異世界なんて空気も汚れていて、治安も悪い、どこかで激しい争い、酷い誹謗中傷は絶えない。
目の前には草原が広がっていた。俺は外で寝転がった。太陽が実に眩しく、ここで寝ても構わないほど気持ちいい場所だった。
寝転がっていると、目の前に綺麗な蝶が現れた。水色、空色、青色という綺麗な色が混ざったような羽の色をしている。…蝶?蝶って確か…
…蝶がおる。
…蝶がいて何か悪いことがあるのだろうか。
『いい青年だなぁ!食べ頃じゃ!』
!?
何処かから声が…!!目の前にいたのは、若い少女だった。髪がとても長い。
蝶『我は蝶の神、名は嬢じょうと申す。』
蝶『お主、名はなんというか?』
蝶の神が喋り、しかも蝶は人になり、いったいどういうことだ…。でも異世界じゃ普通か?魔王とか色々いるし。けれど蝶が喋ることなんて聞いたことが…
蝶『おい貴様!我の言動を無視するな!』
海渡『ああいいよわかったよ。俺は燕。』
蝶『燕かぁ!鳥が人化したものであろうか?』
海渡『いや人間だから。』
蝶は首を傾げた。…そして大笑いした。
蝶『あーっはっはっ!!w。人間なんてこの世界には存在しないはずじゃ!!』
どういうことだ?
燕は確かに人…。…いや姿が人だっただけか?蝶が人になったように…、もしかすると燕はツバメだったのかもしれない。ってなると、あのおじいさん、おばあさんは…?
けれど今はそんなことどうでもいい。
海渡『…そうだな。確かにそうかもしれない。』
海渡『けれど他の世界にはいるかもしれないでしょ?』
蝶『…なんと言いたい。』
海渡『俺がもし他の世界から来た人間だとしたらどうする?』
蝶『…燕よ。やはり人間がいるとはあり得ない。我はこの世界を数えきれないほど生き、その一生涯、人間など幻と信じられてきた。人間はただの幻…そう。そうなんじゃ。』
じゃあおじいさん、おばあさんも人間ではない。けれどおじいさんは蝶のことを知っていた。…もしかして、蝶は邪悪な生き物だったのかもしれない。蝶如きでそんなに遠くに行くなという忠告も不自然と感じた。
俺は蝶に尋ねた。
海渡『ここら辺に住んでいる老夫婦を知っているか?』
蝶『ああ、アイツらか。米の神と布の神じゃな。』
蝶『あまりいい思い出はない。なんせあの二人は…。って、お前何故老夫婦のことを?あいつらは…、もう生きていないはずだ。』
生きていない?
海渡『…どういうことだ蝶。』
蝶『アイツらは我が息の根を止めた。』
蝶『だから生きてい…』
海渡『最後に聞きたいことがある。蝶は俺の敵か?』
蝶『…そうだったら、もう襲っているであろう。…人間と名乗るツバメ。実に面白い。別に我は貴様と戦う意志はない。争いもつまらなくなってきた年齢でな。』
おばあさんとおじいさんはもういない。けれど、俺が見ていたのは幽霊?
面白くもないが、"燕にとってはどうだろうか。"
海渡『蝶。俺は燕じゃない。』
蝶『ん?燕と言ったのは嘘か?』
海渡『確かに"今"は燕。けれども、今喋っている燕は燕じゃない。俺は燕という一生を送ってしまっている。この世界の生き物ではない人間だ。』
蝶『…成程。それなら辻褄が合うか。』
蝶『詳しく話を聞こう。我の蝶ハウスで。』
---
第五章『君が愛する家族』十一話『仲間割れ』
【蝶ハウスにて】
海渡『…すごい物騒な家だな蝶。』
蝶『そんなことを言うではない。我の部屋は我が作り出し、居心地が良く、快適に過ごせる素敵なハウスだ。わかったか?燕。』
海渡『だから俺は燕じゃない。…って、今からその話をするんだな。』
いろんな色の薬が床にたくさん散らばっていて、血の匂いもし、家自体に殺気をすごく感じる。異世界で言うと、そこらへんにいる殺し屋が住むアジトみたいなものとなっている。俺にとっては住みたいものとは思えないだろう。
蝶…嬢が老夫婦の息を止めたと言っていたが、あれは生きていたと思えた。幽霊とも思えなかったが、この燕が生きている世界じゃおかしくはないのか?またこれも異世界の一種なのか。
正直言って、女神に早く会いたい。こっちにこれないのか?あのゲームもまだ途中で中断しているし…。
蝶『…おい、…まずお前の貴様の名を名乗れ。どう呼べばいいかわからぬ。』
そう言われたので、俺は軽く自己紹介をした。
海渡『ああ。俺は草野海渡。人間だ。この世界のものではないが、よろしく。』
蝶『ああ。我のことは嬢と呼んでくれ、海渡。』
海渡『わかったよ嬢。』
嬢はその場で立ち、キッチンと思われるところに行って何かの液体をコップに入れ始めた。オレンジ色の液体で、こんな物騒とした家だから怪しいものではないかと、怪しんでしまうのは俺だけだろうか。
蝶『出来たぞ海渡。飲むか?てか座れ海渡。そんな突っ立ってちゃ、何も話ができんだろう。』
そう言って、俺の前にあった机にコップを置いた。
俺は遠慮なく、ソファーに座り、コップの中身を見た。
オレンジ色の液体だが、匂いを嗅いでみると、知っている匂いがした。
海渡『オレンジジュース?』
蝶『なに。苦手だったか海渡。人間はそう言う飲み物が好きと聞いたのだが…。』
海渡『これは確かに人間の世界…地球にあるが、何故知っているのか、それに驚いて。』
蝶『ああ、誰かが広めたんだが……ああ、そうじゃ。…それこそが燕じゃ。燕が広めた。』
燕が…
少し驚いたが、燕がどこからどうして人間の飲み物を入手したかがわからない。とりあえずそこは置いといて。
海渡『嬢。…戻り方があればいいのだが、何か手がかりにあるようなものはあるだろうか。例えば前に俺と同じく人間がこの世界に入り込んだとか。』
嬢『それはない。我は前に人間がここに迷い込んだことなんて聞いたことがない。…まあ、我が知らない可能性もあるが、心当たりはない。』
海渡『そうか…。…燕はどんな人だった?』
嬢『比較的優しいオスだった。…少し髪はメスぐらい長かった。我は誰を襲うか決めてただけだ。燕のこともそんなに知らん。ただ…、目立っていた。』
海渡『目立つ?』
嬢『そう、目立ってい…』
その時だった。
嬢の家に何者かが入ってきた。
だが、そこからの記憶は、俺も覚えていなかった。
意識を失っていたのだ。いつのまにか。
ーーーーー
嬢『何事だ!』
亞あ『亞です!今現在、燕様が嬢様を呼んでいるのですが…!?』
嬢『はぁ?燕はそこに…って、え?』
嬢『…嘘だろ。さっきまで燕はここにいたはず…。ってことは、まさか。』
嬢『…おい亞。拒否してくれ。…どうせ、また仲直りしようとかいう交渉だろうよ。帰れ。』
亞『で、ですが…』
嬢『しつこいやつじゃのう!』
亞『し、失礼しました…!』
ガチャン
嬢『…海渡には悪い嘘をついてしまったなぁ…』
ーーーーー
海渡『…こ、ここは…』
海渡『…!!!』
海渡『ここは、禁断の訓練所…』
何が何だかわからなかったが、戻ってこれたようだった。
?『………』
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第五章『君が愛する家族』十二話『緊急事態』
禁断の訓練所に戻れたみたいだが、どうやら司会進行者の反応がなく、出口もわからないまま、俺は呆然にその場で座っている。
静かな空間に、誰もいないが少し怖くなってくるこの空気感。
俺は一旦立つと、少し体を動かすためにジャンプした。
女神はどうなっただろうか。女神の母は…?
そんなときだった。急に前が見えなくなった。…いや、この部屋の照明が消えた。停電なのか?けれども、異世界では停電など発生しない。電気発電所では、常に電気の魔法を得意とする魔法使いらが、電気を止まらず発電している。停電なんてあり得ないに妥当する。
じゃあ一体…?
『ビリィッ!!』
…!?
『ドッカーン!!!』
海渡『…なんだ、そういうことだったのか。』
海渡『女神のお母様。』
女神の母『Kaito Kusano…。あなた、よく生きていたわね。私の"夢"にずっと落とされなくって。』
海渡『夢…ああ、なるほどね。』
あの燕の人生は夢だった、と言いたいのか…?少し謎は残るが、女神の母は話を続けた。
女神の母『私は電気の魔法が、女神族の中で唯一得意なの。』
女神の母『…Kaito Kusano、あなたは"このビリッとする感覚"を楽しめるかしら?』
海渡『…女神のお母様。女神はどこだ。』
女神の母『ああ、言い忘れていたわ。…私は女神の母じゃあない。』
女神の母『なので女神は閉じ込め、母と父は連れ去った。』
…?つまり…、偽物か。じゃあ本当の"母と父"は…?
また謎が残る。
そして今驚いていることは、女神族が電気魔法を使うことだ。…雷、電気などの魔法を女神族が使うことは、基本無い。ありえない。けれど、この女神…、いや女神なのかはわからないが、この人が女神だったら、只者じゃない。
女神族は基本回復魔法などを使うが、ただでさえ攻撃魔法でも女神族にとっては難しいのに、そのうえ魔法使いでも難しい電気魔法を使うとは…。雷は…使っても少しはおかしくないかもしれないが、電気…。
女神の母『そうだ。私の名を「メイ」と呼びなさい?』
メイ『私は女神だけれども、あの女神よりは強い。』
海渡『さあてそれはどうかな。エクスプロージョン』
『ドカーン!!!』
メイ『爆発爆発面白い…ね。サンダー!』
海渡『リフレクション。』
メイ『くっ…』
メイはリフレクションの勢いで吹き飛ばされる。リフレクションは反射の効果があるので、サンダーの勢いがそのまま反射される。
メイ『はっ。はは。私はあなたを倒せる!ただの人間が。そんなに上の立場のような振る舞いをしやがって…。』
メイ『いい加減にしろ!!』
海渡『いい加減にするのはあなたの方だよ。』
メイ『…はっ?』
海渡『女神が愛している家族を連れ去るなんて、俺は許せないと思うよ。』
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第五章『君が愛する家族』十三話『仲間』
【秋葉site】
秋葉『えぇぇっ!?海渡が見当たらない!?』
シュン『いやぁ、連絡したんだのだけれども、1日経っても既読来ないから〜。』
シュン『せっかく縛りありの闘いしようとしてたのに〜』
秋葉『あなたね…(怒)』
私は秋葉。シュンから『海渡が見当たらない』という連絡をもらって、シュンの家にいる。(異世界)
秋葉『で、家にいったり探したりした?』
シュン『…してないかも。』
秋葉『あなたね…(ムカムカっ)』
まあ私はシュンと相性が悪いのかもしれないけれど、この人の口頭で言っている全てが何故かイラつく…。
でも海渡がいなくなったのは大変な気がする。それに、私は女神にも連絡をしたのだが、既読がつかない…。女神は機嫌が良ければメールぐらい見る気がするのだけれども、無視なのかよくわからないが、とりあえず緊急事態だと私は思っている。
シュン『とりあえず探せば見つかるんじゃな〜い?』
秋葉『学校は?そもそも異世界にいるの?海渡って高校生でしょ?16歳のはず。…一応。てかあの人学校行ってるの?』
シュン『行ってるよ。そういうところは気を抜かない気がする。けれど、異世界の時間と地球の時間の進み方は違うよ。海渡が異世界にいるかいないかで変わってくる。手分けして探そうか。』
手分けしてって、二人しかいないのにどうすればいいのかしら…?それに異世界は地球より広いし、探すのにも時間がかかる気がする。そんなことしてたら帰ってくると思うのは私だけ?でもシュンは探す気だし…。
シュン『じゃあ僕は異世界を探すよ。秋葉は地球をお願い。』
秋葉『ちょ、ちょっと待って。あんな広大な異世界を、どうやって探すの!?』
シュン『そっか。君は「検索」っていう魔法知らない?』
シュン『検索』
シュンは手をおでこに当て、何も喋らず無言になった。何秒か無言の後、ぶつぶつと何かを言い始めた。まだ私にも未知の魔法はあるし、こういう才能があるシュンは素晴らしいと思うけれど、何か嫌な性格があるから…。そこが惜しいのよね…。
シュン『…秋葉。…これは大変かもしれない。…海渡の反応が異世界にも地球にも見当たらない。』
秋葉『ちょ、地球も探したの?』
シュン『うん。遠距離だけど、魔法を使えない人間たちが住む地球だったら、何も制御されないし簡単。異世界も反応はなし。』
異世界からも地球に海渡がいるかわかるんだ…と驚いた。けれどどちらにも反応がない…?これはシュンの魔法が不完全だったのか、それとも本当にいないのか。…よくわからない!私は混乱してしまった。
シュン『とりあえず探さないとね。…けれど異世界の方に少し違和感があったんだ。』
違和感…?
シュン『何かに魔法を遮られているような気がするんだよね…』
秋葉『それってつまり…?』
シュン『海渡は何か面倒事に巻き込まれたのかも…』
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第五章『君が愛する家族』十四話『遮る』
秋葉site
シュン『何かに魔法を遮られているような気がするんだよね…』
秋葉『それってつまり…?』
シュン『海渡は何か面倒事に巻き込まれたのかも…』
秋葉『…はぁ…』
はぁ…と呆れたため息を私はした。
正直言って、海渡が面倒ごとに巻き込まれるって、相当のことだと思う。
というか海渡強いのに、そんな面倒ごとすぐに片付けられないんだ…。まあ所詮は人間。私も人間だけれども。
まあまだシュンも海渡が面倒ごとに巻き込まれたという確信はしていないと思う。それにシュンの「魔法が遮られる」という感覚…、普通はない。だから、もし遮る人がいたとして、私たちがいつどこで魔法を発したかわかるということか…?…となると、かなり厄介な気がする。
私たちにとって魔法は一つの重要な武器である。それを使えなくされるということになると、私たちは不利だ。ただでさえ、魔法を頻繁に使う私とシュンなのに。
一時期は私は戦いにナイフを頼っていたこともあったが、最近になってはほとんど魔法だ。魔法は便利で素晴らしいことだと思っていた。それが遮られるなんて…。けれど、相手も魔法で遮っていたとすると、かなり厄介だ。その人は魔法が使える、相手の魔法も使えなくしようとする。相手は私たちが魔法を使えないことを知っていながら戦う。…一言でまとめると、『負ける』ということだ。
けれど遮る人がいるとも限らないから…
そして急にシュンが私に話しかけてきた。
シュン『さっきから…、薄い淡い気配がする。だからもしかして僕らも魔法を遮る奴が…』
シュン『ごめんだけれど、魔法以外で戦うことって僕やったことないんだよねほとんど。』
秋葉『…は?あなたしかことないの!?この経験不足!!』
逆に言えば、シュンは魔法に頼りすぎということだ。
シュンはまた話してくる。
シュン『秋葉は?秋葉はどうなのさ。僕は確かに魔法しか使ってないけれどね〜。』
秋葉『私はナイフとかを使っていた時があった。あなたは何も使ったことないの!?銃とかは!?』
シュン『いらないよ。魔法が最強だからさ。』
秋葉『でも遮られたら、最強とかどうのこうのないじゃない…。』
私が呆れる声で話すと、シュンが『違う』と言って、首を振った。
シュン『遮る前に魔法を使うんだよ、秋葉。』
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第五章『君が愛する家族』十五話『魔法』
秋葉site
シュン『遮る前に魔法を使うんだよ、秋葉。』
秋葉『遮る前に、使う…?そんなことできんの!?』
シュン『僕の実力だ。僕は上級者だ。君は確か…中級者だっけ。できるならやってみようよ。君の実力で。』
秋葉『…や、やってやろうじゃないの…!』
シュン『その勢いさ、秋葉。…いや、秋葉ちゃん。さあて、まずは「検索」いきますか〜、秋葉ちゃんは?』
ちゃん付け無理…と思いつつ、私はどんな魔法で海渡を見つけようか考えた。
私は「検索」という魔法の使い方を知らないので、そもそもまず「検索」は使えない。となると、私は一体なんの魔法を使えばいいの…?
シュン『検索』
……でも、検索という魔法を使っただけでもこれって遮られるんじゃないかな…と思った、その時。
シュン『キャンセレーション』
!?
シュン『…やっぱり遮る奴がいる。じゃあどこにいるか調べて…』
遅い
シュン『!?』
シャドウ
【ドカーンッ!!】
…、一体どうなっているの…?
闇の魔法使い『私は闇の魔法使い。其方の魔法、見せてもらおうじゃないか。』
闇の魔法使い…!?
ーーーー
【一方その頃、光輝たちは…】
光輝site
光輝『…せっかく紅茶を飲んで一息してたのに、なに?邪魔しにきて。』
光輝『その、光の魔法使いさん。』
光の魔法使い『君に敗北を与えよう。』
光の魔法使い『君に勝利する権利はない。君の運命は、敗北だ。』
あ〜あ、せっかく紅茶飲んでたのに邪魔しないで欲しい。…まあ寂しかったからそれはそれでいいけれども。ところでこの光の魔法使いとは一体何。…カッコつけた名前しやがって、…ナルシストか?それともただ単にイケメンと言われたい奴か?
でもなんか闘う雰囲気あるし、僕も紅茶飲んでたけど最近手とか足とか魔力とか全然使ってなかったからそれはそれでラッキー。練習相手になりそうじゃん。僕はその厨二病の名前してる『光の魔法使い』という奴を、少しぐらい遊ばせてあげようじゃないかね〜…。
光の魔法使い『どうした。かかってこい。』
光輝『いいよ。君と遊んで暇つぶしって感じかな。まずは毒魔法で地味に痛いのあげるよ。』
光輝『ポイズン』
光の魔法使い『シャイニング』
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第五章『君が愛する家族』十六話『光の魔法使い』
光輝site
光輝『ポイズン』
光の魔法使い『シャイニング』
【ドカーン!!】
…相手は光の魔法使いと名乗ってるぐらいだし、光魔法をたくさん使うだろうな。今さっき出してきた『シャイニング』だって、光魔法だし。
光の魔法使い『レーザー』
ほら、『レーザー』も光魔法。
光魔法ばっかり出してくるっということは、つまり光魔法以外の魔法は出してこない可能性が高いということだ。
僕は相手の光魔法をしっかりと避けながら走っている。どこを走っているかというと、相手の周りをぐるぐると走る。離れてもダメだし、近づいてもダメ。一定の距離を取って戦う。その方が、十分に戦える気がするんだ。
光の魔法使い『…しぶといな、貴様。』
光輝『君だってわかってるんじゃない?』
光輝『まだ君は僕の速度に合わせてるだけだよ。』
光の魔法使い『…君の使う言葉は実に滑稽だな。』
滑稽の意味をなんだろう?と思ってると、早速相手が魔法を使ってきた。もちろん光魔法だった。
光の魔法使い『ビーム』
…光の魔法使いって、さっきから光魔法の基本魔法しか攻撃してない気がする。『シャイニング』は応用として、『ビーム』や『レーザー』は光魔法の基本魔法だ。まさか、僕を基本魔法で倒せると思っているのか?それとも手加減をしている?いや、これは…
相手はただ僕を視察しにきただけ…?
光輝『…ふっ、面白いなぁ…』
光の魔法使い『…どういうことだ?』
光輝『そっちだって、君の考えが最も滑稽だと思うよ。』
光輝『「滑稽」の使い方あってる?』
僕が光の魔法使いに問うと、光の魔法使いは微笑し、次のような言葉を放った。
光の魔法使い『シャイン』
光輝『!?…バレット!』
【バン!!】
光の魔法使いの全身が眩しく光り、その光が僕に当たらなくなるとき、辺りを見渡しても、光の魔法使いは消えていた…。僕が魔法で打った銃弾は、地面に落ちていた。
…まだ光の魔法使いに聞きたいことがたくさんある。根掘り葉掘り聞こうと思ったのに、そちらから去ってしまうとは思っていなかったな。…けれども本当に"視察目的"だったら、…こうやって逃げることは自然だったかもしれないなぁ。
…それにしても、光の魔法使い…。何か企みがあるのかもしれないな。
プルルルルルルルル!プルルルルルルルル!!
こんな時に電話だ。相手は…秋葉?
僕は電話に出た。
光輝『もしもし秋葉。どうしたの?』
秋葉『今すぐ私のところに来て!!!』
光輝『なんで?』
秋葉『今めちゃくちゃ大変なの!!早く!』
ガチャン。
…速攻で切られた…。
まあいいや。秋葉の位置情報を入手してっと…
俺は秋葉のところに急いで行った。
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第五章『君が愛する家族』十七話『闇の魔法使い』
シュンsite
闇の魔法使い『私は闇の魔法使い。其方の魔法、見せてもらおうじゃないか。』
…なんだこいつ。
一瞬そう思った。けれど瞬時に理解した。…こいつは敵だ。名前に「闇」って書いてあるぐらいだし、口調も明らかに敵意を感じる言葉だ。
まあ僕は上級者。こんな敵如きに、弱音を吐かない__
シュン『ウォーター・アロー』
闇の魔法使い『…ふん、そんだけか?』
闇の魔法使い『ダーク』
シュン『…君はただの闇魔法を使っているだけだ。』
その時だった。闇の魔法使いが誰かに声をかけた。その声が、絶望の始まりだった。
闇の魔法使い『…ご苦労だった光の魔法使い。』
光の魔法使い…?一見、正義のヒーローみたいな名前だけれども、どうやら闇の魔法使いと仲間らしい。
闇の魔法使い『ダーク・アロー』
いきなり打ってきたのですぐにかわした。僕はすぐに魔法を出そうとした。…しかし、
闇の魔法使い『制御』
…!!僕は、魔法が使えないようになっていた。だそうとしても、だせない。これは一体…?…もしかして、闇の魔法使いが使った『制御』という魔法が、僕の魔法を制御し、出せないように…?
闇の魔法使い『…どうした?(笑)』
シュン『…へぇ。そうか、そうなんだ、君はそんな奴だったんだな。』
シュン『君はどうやって今まで戦ってきたかということがわかったよ。』
シュン『闇の魔法使い、君は一体。』
俺は闇の魔法使いに聞いた。闇の魔法使いは何も答えなかった。けれど、話は変わり、また何か言ってきた。
闇の魔法使い『…お前は魔法を出せぬが、あの少女は出せる。…しかし、なんということだ。…あの人間は、私を倒せぬ。それに、誰も私を倒せはしない。』
シュン『随分と余裕だね。』
闇の魔法使い『ダークボール』
やはり早い。闇の魔法使いの技はどれも早い。まるでそこらへんの草原で走っている150㌔の兎みたいだ。…だが僕にはかわすことができる。けれど、かわしてばっかじゃ、僕は負けるだけだ。
その時だ。
光の魔法使い『お疲れだったな。光の魔法使い。』
闇の魔法使い『やあ。どうだったかい?』
光の魔法使い『光輝…随分と強い若者だ。』
秋葉『光輝…!?』
秋葉は動揺したのか、光輝という名前を口に出した。
光の魔法使い『知っているのかな、お嬢ちゃん。』
僕は秋葉に命令した。即座の判断だったので、これが正しいかはわからなかった。けれど、今は攻撃しないといけないと思った。僕は魔法を使えていたら、今頃倒していただろう。
シュン『秋葉!魔法を使うんだ!』
秋葉『でも、動けないの!魔法は使えるけど、遠すぎる!』
シュン『はっ…?』
秋葉は闇の魔法使いらよりも、遠いところにいた。魔法は使える、けれども動けない。…闇の魔法使いは、秋葉の魔法を制御した…?
闇の魔法使い『…そう。わかったか?…我らの勝ちだ。お前らと我らの強さは、違う。いいか?』
くそっ…、これが卑怯なのか分かりもしなかったが、…今の闇の魔法使いの言葉を聞いて、悔しいと思った。
けれども、僕は負けを認めるつもりはなかった。
シュン『…僕はまだ、負けていないよ?』
闇の魔法使い『…どういうことだ。』
シュン『そりゃあ…、まだ気づかないの?だって、まだ僕らは君たちを倒せる手段がある。』
闇の魔法使い『…そうかもしれないが、その手段がすぐに使えるとは限らない。』
シュン『いいや?今から君たちを倒す手段は、ありったけある。』
闇の魔法使い『…嘘をついて勝ちをあきらめさせようというのか。なんて最低な。』
僕は勝ったと思ってる。何故ならば、まだ勝てる手段はある。…けれども確かに闇の魔法使いの言う通り、すぐには使えないものばかりかもしれない。だが、勝てる手段は無数にあるため、今から使えるものがないと言い切れることはない。
シュン『嘘はついていないよ。』
シュン『その手段は今使うつもりだ。…今から起きることを見てごらん。』
光の魔法使い『おい、あれをみろ!』
闇の魔法使い『あいつは…』
光輝『インフェルノ』
光の魔法使い『光輝…』
秋葉『光輝!!来てくれたのね!!』
ほら、言っただろう?
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第五章『君が愛する家族』十八話「絶縁切刃」
海渡site(第五章十二話の続きです。)
海渡『女神が愛している家族を連れ去るなんて、俺は許せないと思うよ。』
メイ『…いい度胸してるじゃないの、Kaito Kusano。』
メイ『サンダーボルト』
相手は雷魔法を使う。だから麻痺には気をつけないといけない。しかも女神だ。女神族は、回復魔法を使っている神がほとんどだが、こんな事例は初めてだ。十分に気をつけないといけない。昔から女神族は、異世界の神に近い存在で、とても強いとされてきた。
僕はメイの攻撃を避ける。避けれているばっかじゃダメなのだが、今は様子見でいいと思う。この女神が、何をするかわからない。もしかしたら回復魔法は普通に使えるかもしれない。俺は回復魔法をあまり使わない。得意でも苦手でもない。ただ、今まで回復しずに勝ってきた。
僕は最強ではないが、他の人が弱いのか、なんなのかわからないが、勝ってきたのは事実だ。
メイ『すばしっこい!!サンダーバード!』
海渡『本当に雷魔法ばっか使うね。』
メイ『それが勝利への近道なの。けれど雷魔法ばっかじゃないわよ!!』
メイ『アイスボルト!!』
アイスボルトは、氷・雷魔法だ。氷魔法か…余計難しい魔法だと思うが、女神族でもできるのかという驚きを感じる。僕はすかさず避けるが、メイはまた魔法を使ってきた。
メイ『サンダー・ミサイル!』
!!サンダーミサイルは、敵を追跡してくるミサイルだ。おまけにミサイルを外から倒そうとしても、外の表面は固く、普通の魔法じゃ倒せない。しかも数が多い。
メイ『これであなたはビリビリよ!!』
エクスプロージョンで爆発させて全部倒すか?でも爆発の範囲内に入っていなかったミサイルがあったら俺は魔法をくらう。ミサイルは強力な一撃なので、一発ぐらい当たってもいいやという考えは甘い。
反射させる?いや、この数じゃ全部反射しきれない気がする。同じくミサイルで対抗しても、あんな数出せるはずがない。じゃあ、あの数のミサイルに対応できるような魔法…。
…試作品な魔法だけど、失敗したら俺は終わりだけど、一か八かで試作の魔法を使うことにした。
メイ『くらえくらえ〜!!』
海渡『メイの思い通りにはさせないよ。』
海渡『絶縁切刃カースブレイク』
メイ『…!!ミサイルが…!!全部壊れっ…?』
海渡『魔法には、その魔法に対応した魔法で攻撃しないといけないね。』
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第五章『君が愛する家族』十九話「女神と海渡」
俺が出した『絶縁切刃カースブレイク』という魔法は、どんなものでも絶対刃で切り裂くことができる技だ。もちろん恋人との縁を切りたい時もおすすめ。
だから固いミサイルにも対応することができた。あんなに数があったが、刃をたくさん出せば、全てミサイルを切り裂くことができる。
元々はこんな魔法なかった。この魔法は、女神が作った魔法だ。女神が作ってみたいと言い出したことから、今じゃ俺だけが使える。
海渡『さあて、女神はどこだ。女神のお母様とお父様の現在地はどこだ。』
メイ『…まだ、まだよ…』
まだやる気なのか。これじゃあキリがない。それだけ女神を返したくないのか、女神のお母様とお父様の現在地を教えたくないのか。
海渡『もう一回ミサイル出しても無駄だよ、雷魔法使ってもどうせ僕が反射させて君にお返しする。そろそろ諦めな。』
メイ『はあ…、君は女神の言う通り、本当に最強だね。』
海渡『さ、最強?別に俺最強じゃないし。』
メイ『女神がそう言ってたんだよ。私が女神を閉じ込めた時、女神は言った。「草野海渡は最強!」だと…』
女神…。何回か言ったことがあるけれど、俺は別に最強じゃない。あまり得意じゃない魔法だってある。苦手っていうほどではないけれど。最強がこの世にいるのかすらわからない。
海渡『さあ。そんなことはいいから、教えてもらおうか。』
メイ『…ああ。だが、私を倒しただけで女神の居場所はわからない。私には私より強い魔法使いが女神を守っているからな。』
海渡『魔法使い?そいつを倒せば、女神の居場所はわかるということか。』
メイ『ああ。女神の親の場所は、私は知らない。その魔法使いが連れ去ったのだから。』
なるほど。メイの言っていることがさっきと少しだけ違うかもしれないが、どうやらその魔法使いを倒して居場所を聞き出せばいいということだな。
はあ。魔法使いか…、じゃあ倒せそうだな。変な怪物とかだったら嫌だったし。
メイ『だが気をつけろ。もう既にあなたのお仲間はやられている。』
海渡『仲間…、それは一体どういう…?』
メイ『早く行け。ここから北に行けばつく。』
仲間って、もしや…?
ーーーー
光輝『チッ…!』
シュン『おい離せ厨二病!』
秋葉『だれか!だれか!』
光の魔法使い『3人とも雑魚だった。』
闇の魔法使い『こいつらをどう食べるかが重要になってくる。』
光と闇がぶつかりあえば、最強となり、世界は終わる。
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第五章『君が愛する家族』最終話(二十話)「家族」
とりあえず、さっきの場所から北へ来た。それにしても、仲間ってもしかして…、俺が会ったことあるやつだよな…?
海渡『!!』
…ようやく着いたようだ。…だが、その光景は実に見たくないほどの状況だった。
平野光輝と、浅野秋葉、シュンがぐるぐる巻きに縛られていて、その3人を縛った犯人のような人が2人いた。
???『…おい、変な奴が来たんだけど。』
??『…こいつも潰せばいい。こいつらみたいに。』
海渡『…君らは一体?名を名乗れ。』
光の魔法使い『私は光の魔法使いだ。悪く思うなよ、これも趣味としてやっているから。』
闇の魔法使い『我の名は闇の魔法使い。貴様らのような弱者ではない。』
なんだこいつら…。とりあえず悪い奴らってことは理解したのだが、なんだろう。その光と闇の魔法使いが揃ってるわけね。自称なのかはわからないけど。
闇の魔法使い『お前もどうせ弱者なんだろう。おい、さっさと片付けるぞ。ダーク・アロー
光の魔法使い『わかった。レーザー』
…一回聞いたことがある。…異世界での伝説だ。…光と闇が合わされば、勝てるものはいないと。あくまでも伝説だが、もしこいつらが伝説に出てきた本当の魔法使いなのだろうか。俺はすかさず避けた。
光の魔法使い『裂けてばっかじゃ、戦いにならない。シャイニング』
闇の魔法使い『ダーク・ウォール』
ダーク・ウォール…とはなかなかの広範囲攻撃。シャイニングも、光魔法の上級魔法とも言えるであろう。…あまり考えていなかったが、この人たちが伝説の人たちではないと思われる。
ほら、もうちょっと強い感じが、この人らにはないっていうか…。もうちょっと強い攻撃を出すかなぁ、本物だったら。
海渡『結界』
闇の魔法使い『…我らの技をそれで受け止めると思えるのか?』
海渡『さあね。エクスプロージョン』
【ドカーン!!!】
…爆発で倒れたと思ったら、まだ生きているか。俺も結界のせいでだいぶ体力が削れた。仕方ない、久しぶりの回復を…。
光の魔法使い『回復なんてさせない。プリズム』
海渡『わっ、結界。』
光の魔法使い『だいぶHPってやつが削れたのでは?』
まあ確かにそうだ。その通り。けれど回復魔法をすればなんとかなる。だが、どうやらそれもさせてくれなさそうだ。回復する前に攻撃が来そう。
闇の魔法使い『そうだな。いずれお前も敗北という結果を見るであろう。闇蜘蛛』
蜘蛛がやってきた。小さいので倒しにくそうだ。しかも体力もあまりないので、時間の問題だ。
海渡『絶縁切刃カースブレイク』
俺は魔法を使った。なんとか蜘蛛が俺の方へ来るのを食い止めることができたそうだ。だが次も出されたら困るぞ。体力がずっと持つわけじゃない。俺は一応人間だ。いつかは体力が尽きる。
光の魔法使い『…なんだ?今の魔法。とてもすごいね。俺は知らないぞ、こんな魔法。』
闇の魔法使い『我も知らぬ。…それにしても、とても効果的な魔法だったな。』
海渡『ありがとう。一応自作だ。』
光の魔法使い『へぇ、すごいね。ビーム』
闇の魔法使い『何があろうと、お前も負けは変わらん。ダーク』
やばい、さっきの魔法を出したせいでだいぶ疲れて反応速度が低下した。魔法が当たる…!
大丈夫ですよ、海渡様。
水の精霊たちよ。我との契約の元、彼のものの傷を癒し給え。
アクア・ヒール!!
…急に体力が回復した。それにこの魔法…、もしかして…!
海渡『女神!』
女神『なんとか自力で抜け出せました〜!』
光の魔法使い『な、なに…!?』
闇の魔法使い『自力で…?女神が…?』
じゃあ、女神も出てきてくれたことだ。倒してあげようじゃないか。
海渡『楽しかったよ、二人とも。ホーリーレイ』
光/闇の魔法使い『うわあああああああ!!!』
二人は消滅した。ホーリーレイの光で消滅したのだ。
女神『さっきお母様とお父様も私が見つけて、全員脱出できました!あとは3人の縄を解くだけですよ!海渡様!』
海渡『そうだな。ありがとう女神。』
女神『えへへ…。ってそういえば!!なんか私、やることがあったんでしたっけ…?…、あああ!』
海渡『なに?』
女神『あっ、サプライズパーティーだあああああああああああああ!!!』
…もう俺に言ったからサプライズじゃないけどね。まあいいや。
そのあと、俺らは異世界から帰り、飴を舐め、テレビを見て寝た。
…もうこんなことは起きてほしくない、そう思った。
第五章、完。
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【第六章予告】
地球で平和に過ごしていた海渡は、この冬の寒さに絶望していた頃だった。
そして、そんなある日。事件は突然起きた。
『…地球の昼が失われた?』
地球に昼が来なくなっちゃった!?
海渡たちが、地球に昼が無くなった原因を探す!
犯人は…既に海渡が出会ったことある人!?
【第六章『荒れ狂う神様』】
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目次
- 1......第一章『殺し合いゲーム』一話「異世界から。」
- 2......第一章『殺し合いゲーム』二話「怒り」
- 3......第一章『殺し合いゲーム』三話「強制沈黙」
- 4......第一章『殺し合いゲーム』四話「ゲーム」
- 5......第一章『殺し合いゲーム』五話「困惑」
- 6......第一章『殺し合いゲーム』六話「人間」
- 7......異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。第二章『最後の晩餐』
- 8......異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。 第一章『殺し合いゲーム』
- 9......異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。第三章『優の自由研究』
- 10......異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。ワード集。
- 11......異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。第4章
- 12......異世界から帰ってきたら、最強になったことに気づいてしまいました。第5章