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【4】戦いの合図
俺は一週間ぶりに教室に足を踏み入れた。倒れて回復してから休みが2日ありこの次第だ。まだ、入学したばかりでそこまで長くいたわけでもない教室。しかし、どこか懐かしい。
「レオ!!ちゃんと御札は持ってきたよな!!」
御札にこだわるルガ。曖昧に笑って誤魔化す。
「レオ君!御札は首に巻いちゃだめだよ....」
事情を知るキルが忠告してくれる。俺は学校に来ただけだ。教室に入っただけだ。でも、気にかけてくれる仲間がいた。
「レーオー君!ルガ君がこの一週間御札御札うるさいんだけど!」
班のメンバーの一人、ジェニスが言う。やっぱりルガは御札に相当の執着を持っているようだ。
「うるさいよね、レノもそう思うでしょ?」
「う、ん」
無理やり頷かされてる気がする。苦笑いが.....。
--- がらがらがらがら ---
先生が教室に入ってくる。素晴らしいスピードでクラスは静かになり、立っていた連中は席につく。
「おはようございます」
「ま」と「す」の間に伸ばし棒がいくつも入る挨拶がこだまする。
「はい、今日の予定について説明します。今日の午後は、Aクラスとの模擬戦です。全員が戦う時間はな
いので、希望者だけが戦います。定員は10人程度です。模擬戦を希望する人はいますか?」
一気に教室は活気を取り戻した。傍観する声や勇猛果敢な言葉が飛びかう。
「レオ、希望する?」
「ルガはどうなんだよ」
「希望するに決まってるだろ。チャンスだよ、チャンス」
ルガが戦うなら俺も戦いたい。しかし、心は揺れていた。
「希望する人は挙手をお願いします」
パラパラと手が上がる。ルガに至っては手を先生に向かって振っている。
「あと2,3人お願いします」
俺は、俺は、俺は。守りたい。このクラスの連中を。班のメンバーを。
守れるほどに本当の強さを持ちたい。
俺は手を上げた。
ルガが意味不明な目線を送ってくる。
「はい。それではこの10人でいいでしょうか?では皆さんよろしくお願いします」
俺は戦うことになった。