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今の君を壊してあの頃の君を救い出したい
純粋な恋愛物語かこうとおもた。
2025/09/24 今の君を壊してあの頃の君を救い出したい
ふうと息を吐くとすぐに白く染った。今日は寒い。隣を歩く真奈美の、やわらかそうな頬もうっすらと紅色になっていた。
「…あ。」真奈美がふと上を向いた。僕も釣られて顔を上げると、鼻頭に何かが落ちてきて、すぐに解けた。「雪だ。」
へへ、と笑う真奈美の方を見ると、子供みたいな無邪気な笑顔がそこに浮かんでいた。
「そういえば、高橋は雪、好きだったね。」思い出したように言った。彼女のことを高橋と呼ぶようになってからもう随分たったのに、全く慣れない。高橋と呼んだあとは必ず、舌の上がざらつくような感覚になるのだ。
「うん。大好きっ。」真奈美にしては珍しく、弾んだような好奇心の塊のような声で僕に笑いかけた。「ここ何年かは、全然雪降ってなかったから、なんか新鮮。」
そういえばそうだった。最後に雪が降ったのは、僕たちがちょうど小学校を卒業する日だった。あの時も真奈美は今みたいな笑い方をした。そのあと、クラスみんなで雪合戦でもしたっけな。クラスみんなと言っても、10人程度だったけれど。思い出して、自然と頬が緩んだ。10人程度しかいなかったから、みんなと等しく仲良しだったんだろうなと、今は思う。
「ねえ、まな……高橋。」小学校の卒業式の日、言えなかったことがあるんだ。そう続けると、彼女はきょとんと首を傾げ大きな瞳で僕を見上げた。そしてふふっとあの頃とは違うような、大人っぽいような、そんなふうに笑った。
「今更?小学校の卒業式って、3年前のことじゃん。」
「それは、そうだけど。今も変わってないし、まあ。」
「それで、なに?」促され、口を開いた。だが言葉は、喉に突っかかって出てこなかった。口をパクパクとするばかりでなにも言わない僕を、真奈美は静かに見つめていた。
「なにもない。」結局、言えなかった。
「なにそれー。」真奈美はおかしそうに、しかしどこか不満げに言った。昔と似ているけれど、昔とは違う声。それが、透き通るような空気に広がっていく。僕はぎゅっと、真奈美に見えないように拳を握った。
口を開いて、怖いと思った。彼女との関係性が崩れてしまうんじゃないかと、恐ろしかった。それは初めての感情ではなかった。今まで何度も、真奈美に自身の思いを伝えようと口を開いてはなんでもないと誤魔化していた。何度も何度も。
本当は伝えたい。
変わってほしくなかったなって。
あの頃の君が好きだったよって。
でもそんなこと伝えたらいけない。困らせるから、今の彼女を。
なんでこんなタイトルになってるんやろ。
「昔と同じ真奈美」「昔と違う真奈美」が頻繁に描写されてる。
これはつまり!!!!!?????????!!!!!
なに……?
これはつまり、なに……?
ごめんわかんない