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空に浮いたら。33
ある日の教室。
「明日、なんの日かみんな覚えてるよねっ?」
いつもはテンションが低い先生も、なぜか高いトーンで話している。
「もちろんでしょ!せんせ!」
「忘れてるやつなんてここに居ねえよ!」
周りが盛り上がっているなか、少し顔色を悪くしている2人がいた。
((やばい))
((明日なんの日か覚えてないっ…………))
風と麗王だった。
ただ、二人は知っていた。二人はイベントのことを大体忘れる性格だった。そのことを2人とも自覚していたし、それぞれがそういう性格だということも。
だからわかっていた。
聞いても意味がないということが。麗王と風は大体2人で全てを終わらせてきた。運動会のペアも、イベントのペアも全て2人で組んでいた。
だからこういう時だけ苦労するのだ。でも今は違う。
麗王には彩花が。
風には莉里がいる。
「「ねえ、明日なんの日かわかる?」」
「「え?修学旅行だよ?」」
((ん?))
異例の事態だった。幼き小学四年生にして修学旅行。麗王楽しみより不安しかなかった。
だが風は決意していた。
(麗王に…………言う…!この気持ち!)
恋の季節は夏ではない。その人の心が夏であれば、凍える冬でも別れの春でも。
もちろん、紅葉の秋も____________
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「じゃあ、明日、朝校庭に集合しましょう!」
「はーい!」
クラスメイトの明るい声が響く。誰もが嬉しそうな顔をしていた。
4人を除いて。
(麗王…………私の気持ち、受け取ってくれるかな…………?)
(小4で修学旅行とか危なすぎるだろ!!!!!!!!)
(麗王…………待っててね♡)
(彩花様の計画…………邪魔するわけには…………でも…………)
恋は盲目。本性が見えなくなったり、性格が改変したり。
波瀾万丈順風満帆。
恋に恋する季節はとうに過ぎている。
ここからは、本気の恋のお時間なのだから____________
うん。こういうの書きたい気分だったんだよ許して