公開中
バイバイマイサマー ① 「一か月だけ」
私は小5女子、前田 杏(まえだ あん)。
7月に妹が生まれた。
お母さんとお父さんはお世話で忙しくて…。
少しでも負担を減らすために…今年はお母さんのお姉さんの田舎の家に夏休みの間だけ過ごすことになったんだ!
「こんにちはー!|杏《あん》でーす!お邪魔しますっ!」
「は~い」
私はキャリーケースを持って戸をノックする。
この辺はインターホンがある家が少ないなぁ。
私は汗をぬぐいながらお母さんのお姉さん…|季楽《きら》さんを待つ。
季楽さんは一人暮らしをしながら、田んぼでお米を育てたり…畑で大きなレタスを作ったり…とても自由で元気な人!
「遠いところから大変だったね!さっ、入って!これ、部屋に入れとくよ」
「ありがとうございます!」
季楽さんは私のキャリーケースを軽々と持ち上げて中に入れてくれた。
「いやぁ…|湯楽《ゆら》も大変だね…私は独りだから良いけど(笑)」
湯楽っていうのは私のお母さんの名前、前田湯楽。
「私、田んぼレタス売りに行くからゆっくりしといて!」
「はい!いってらっしゃい、です」
「んっ!行ってきます!冷蔵庫にスイカあるから全部食べて良いよ!じゃ!」
私は季楽さんを見送ってから縁側でスイカを食べた。
「うーん…みずみずしいなぁ…」
私がつぶやきながら食べていたら…
「ボール取らせてもらってもいいですかーぁ!」
あ、男の子の声。
私が玄関の方に行こうとすると…目の前に野球ボールが。
「時差あるじゃん(笑)」
私はボールを持って玄関に行った。
「また季楽さんごめんなさ…え?」
まさか…「また季楽さん」って…こいつ、常習犯じゃん!
「お前誰?季楽さんは?」
「私…季楽さんの親戚で…遊びに来て、ます」
あぁ…人見知り発動!
「ふーん…何年生?」
「小5…です」
「へへっ、オレ6年!勝った!」
勝った!…ってなんだよっ(心の声)!
「これ…ボール」
「お、サンキュー《《5年生》》!」
なんかムカつく…男の子はボールを持って去って行った。
そういえば…名前聞いてなかったなぁ。
あれ…別にいいけどさ。
夏休み限定シリーズです🍉
8月終わったら消す予定です!儚く消えゆく花火のように…🎆
ドーンッ(花火の音)!!
※訂正について
当初、杏ちゃんは「小6女子」になっていましたが、正しくは「小5女子」です。失礼しました。