公開中
漆黒と白雪
私の自慢、それは漆黒の髪と、この目だけ。地味で目立たない私・麗奈のチャームポイントと呼べるもの。スクールカースト3軍以下の私が唯一自慢できるものだから大切にしてる。
今日も髪を溶かして、顔を洗い、制服を着た。
「行ってきます」
今日も一歩踏み出した。友達関係とかに困っているわけではない。友達はちゃんといる。
「おはよう!」
「おはよ、梓っ!」
この子は、白雪梓。私と合わせて漆黒と白雪と言われているコンビ。
クラスの端っこでいつもひっそり、話してる。
「今日さ、文化祭の出し物決めるって早川さん言ってたよね」「うん、何やったとしても端っこにいるんだろうな…。」「そう暗く何ないで!そのうっとりするほどの黒髪がいいんだよ」「やめてよ、それならそっちこそ白い肌が透き通ってて綺麗だもの」
「何の言い合いだろ、これ」「あははっ」
私はこの何気なく続く平和な日が好きだ。梓ちゃんとの日常が。
「あ、やばっ今日早く行かなきゃ」「げぇ、、そうだ、そうじゃんホームルーム早く始まるんだっけ」
私たちのよう公立の中学は特定の期間になると、登校時間が早くなる。
「おはようございます」
私たち2人の声は、小さく誰の耳にも届かなかった。
今日もカースト一軍女子たちが何か話してる。学校でメイクしたりしてるしねぇ。
「ねぇ、鈴江さんって髪綺麗だよね〜!だからさ、よかったら劇で主人公やってくんない?」「無理だよー、消極的な鈴江じゃさ!夏美何間違えてんの?」
夏美というのは早川さんだ。私だって、そうか三軍じゃ、ダメだよね。
「ねぇ、水橋さん。麗奈に謝って。うるさい」「何よ、三軍が!やる気なの?」「ちょっと、美月!やめて」「夏美邪魔すんな、こいつに一軍の強さを教えるだけ」
「舐めんじゃないから!」
なになになに、、私のせい?どうしよっ私止められる力とかない。それに、三軍が一軍に言葉で勝てるわけ、ち、、力!?
「やめてよっ!梓ちゃん」「何?あなたのためだから。麗奈を侮辱する奴は許さないの。そういう主義」「何偉そうにしてんの白雪。対してろくに何もできないくせに文武両道のあたしに関わるな」「うわぁっ!」
梓ちゃん!助けたほうがいいのかな…。
その瞬間、梓ちゃんがバコって音がして、倒れ込んだ。
「梓ちゃん!」
「麗奈、麗奈がやることじゃないよ、危険だから下がって」「嫌。絶対、梓ちゃんを傷つけるやつを許したりしないから。たとえどんなに傷、、」「何それ?面白いね三軍の友情ごっこ?」
クラス中からヒソヒソと言った笑い声がする。早川さんまでも笑ってる。
「あなたが私に何を言おうが自由。意地悪だね。最低だね。」「ブッサイクが!何を言いたいの?」「ブサイクなのはあなただよ?こんなことしてさ、**権力の違い、見せつけたい?**」
「もちろん、話が早い、あんたもやってやるから」「いけーっ!水橋!」「頑張れ」
くだらない応援の声なんて気にもしない。ただ梓ちゃんのためだけに。
「そろそろ、現実見ろ!あたしが強いの最強なの」「何それ、決定的な証拠ないくせに。何かやってみてよ。人を傷つけて笑うようなあなたがそれをいう権利はない!」
私の心は芯から冷たくなった。何かが揺さぶられた。梓ちゃんは?あっ!誰にも助けられずに、腕に血を流して転んでいた。
もう、許さない。
「ホントやめたらいいのにぃ。負けるだけだし。クソ女が」「くそでもいいよ。あなただって。もう…。ふふっ言葉でしか言い返せない。暴力も強い、文武両道?なんかコンセプトが悪い。この世界って残酷だね」「何がいいたい?」「あなたが馬鹿ってこと。」「あたしが?嘘嘘。」
「**とにかくいい加減にして。もうにどと、二度と梓ちゃんを傷つけるようなことはやめて!!!**」
心から叫んだ。「はいそうですか。でおわんねぇよ!」
私を殴ってきた、私は殴り飛ばされたけど何も気にならない。
私だって本気でやり返した。
本気で許さない。あなたのこと、いいえ水橋美月のことを。
「ぐあっ!!!」「水橋、お前…」
そこにきたのは、うちのクラスのモテ男子、黒崎アズマだった。黒崎くんは文武両道、性格も爽やか。その上人望も厚い。人から頼られることだって多い、まさに憧れの存在。
「何?今の見てわかんない?あたしが鈴江さんに殴り飛ばされたの。助けて!」
「え…。そんなこと、するわけないじゃん。あんたがやったからやったのに」
「助けて!」
なるほど、片思い、してるのかな。その恋、ここで終わりになるはずなのに。計算高くて困るよ。
私の心は冷めて冷め切って、もう梓ちゃんのこと以外思わない毒のような人間になってしまったみたい。
「水橋は何やってたんだ?自分から挑発したのに、助けてってありか?ないだろ。助けを求めるのは、鈴江さんの方だろ。大丈夫か?鈴江さん」
「言われるほどのことじゃないよ。それより、謝れ、水橋さん。梓ちゃんに。」「謝るわけ、ないだろ」
「謝れよ。俺からも」
クラスを敵に回してでも、私にとって大事な友達を傷つけられるのは嫌だ。絶対に。
このあと、黒崎くんに感謝しないと。
「何を!何でよ!あたしがやられたのに!クラス大半あたし派よ!」
「んなの、関係ねぇよ。そういうのこのクラスで起きるのスッキリしないんでね。謝れ」
「くっ!そっちが悪いんじゃない!黒崎くん騙されないで。あたしがやられたの」「やられたなら普通、自分から言わないし…。最低だよ!麗奈に謝って」「梓ちゃん!」
梓ちゃんは起き上がって反抗し始めた。大丈夫?
「もう分かるよ、俺最初から見てたし。謝れ。俺、お前みたいなの嫌い」「っ!!何よ?クラスのみんなあたし派でしょう?」
「もうしつけーないいよ、俺から先生に言っとくぜ、鈴江さん、白雪さん」
水橋さんは悔しそうに私を見つめていた。早川さんもだ。
黒崎くんはそこまでして何を……。
「何事だ!」
先生が駆け寄ってきた。そして梓ちゃんの腕を見て、なぜか私を責めた。
「お前、水橋から聞いたぞ!」
「…………何もしてませんけど」「嘘をつくなっ!友達を殴るなんて」
なんで責められないと…。梓ちゃん、、無事だよね?私ならいいか。梓ちゃんが助かるならどうなっても。
「そんなこと、してないです!黒崎さんは、水橋さんに殴られた白雪さんを庇って、それで…」「黒崎くんありがとう…。そうです!麗奈は、何もしてません!!!」
「本当なんだな?いい。信じよう。クラスのみんなや水橋は、放課後生徒指導室に来い。鈴江もひとを殴ってはならない。いいな?」「はい。」
私は、何か嬉しかった。初めて梓ちゃんを守ることができて。
「白雪は医務室へ。連れて行ってやれ。もういい。お前らは今来い。鈴江、すまないな。だが、人を殴るな!」「はい。今、連れていきます」
クラスの私たち以外連行された。何を言われるかわかんない。
「梓ちゃん、腕大丈夫?」「うん。ありがと、麗奈。大丈夫。本当にありがとう。1時間目潰れちゃうね。」「うん」
何か、大きな事件であったけど終わってよかった。
「ありがとう、黒崎くん」「たいしたことしてねぇけど」「なんで、あそこで助けてくれたの?」「それは…。言わないでおく、、」「もしかして片思い?」「っ!!なぜそれを!?」
「なんかいつも梓ちゃんのことみてるし、校舎裏で恋バナしてたでしょ?それ、聞こえてた」
「っ、それ言うなよ?」「言ったとしても、奪わせないよ?」「お前、ライバルだな。いつか奪ってやる」
「無理だよ、多分。私たちの絆、無敵だから」
私が笑ったら、黒崎くんは笑い返してくれた。
「どっちが先に告白できるか勝負ね?」「負けねーぜ」
イタズラっぽい笑みを浮かべた私たちは、今日のこと、忘れないとお互い誓った。
その後、事件に対して水橋さんたちも謝ってくれて解決した。
梓ちゃんと私は、今日も2人で一歩踏み出した。
《完》
https://picrew.me/ja/image_maker/1996436/complete?cd=u7j24xfIsP
麗奈の見た目
https://picrew.me/ja/image_maker/1996436/complete?cd=JzKEExgBkp
んでこっちが梓
どーしよ、、カオスっぽくなった?みんな感想教えて!!!
https://picrew.me/ja/image_maker/2003689/complete?cd=4nnuEbj3iS
んで水橋さん
https://picrew.me/ja/image_maker/1011016/complete?cd=hWTZmaU0hv
これが黒崎