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王家の魔法使い ②
こんにちは。私は元日本人だったんだけど家が火事で燃えちゃってドルフィ王国の三女に生まれ変わった8歳のアリス(元環菜)。よろしく。実は今から魔力の検査をするんだって。あっ、そろそろ呼ばれる!
「アリス~、こっちに来なさい」
「は~い、お母様。今行きます」
検査室に入るとにっこり笑っている優しそうな医者と看護師が待っていた。部屋はすごく豪華で「さすが王家」と思うような内装。
「アリス様、今から麻酔をして検査いたします。では、始めさせていただきます」
そういって麻酔をかけら、れ、、た、、、。
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「・・ス!アリス!」
起きると検査はもう終わっていた。
「アリス様、カルナ様。検査の結果はまた明日ご連絡いたします。アリス様、お疲れさまでした」
そういって私とお母様は車で城に帰った。私はその車の中でお母様に聞いた。
「お母様、もし私の体内に魔力があったらどうなるの?何かダメなことでもあるの?」
そう聞くとお母様は悲しそうに答えた。
「実はね、もし体内に魔力があったらどんな人でもこの王国を守るために魔法使いとして動かなければならないのよ。これは平民であればドルフィ王国のために働けて嬉しいらしいんだけどね、王家からしたら魔法使いになったら王様になれないから魔力はないほうがいいのよ。あなたのお姉ちゃんのミラカがいるでしょ。あの子は魔力があるから、女王様にはなれないのよ。これはこの王国にとっても悲しいことだし、あの子自身も悲しいのよ、、、」
このことを聞いてから私は魔力がありませんようにとずっと願っている。
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私は次の日、昨日検査した検査室に一人で行った。すると、昨日の医者と看護師は悲しそうな表情をしていた。
「アリス様、、、。残念なことにアリス様の体内には魔力がありました。誠に残念です。」
「あの、私の体内には魔力があるといってもどのくらいあるのでしょうか?」
なぜこのような質問をするかというと、昨日お母様に、
「でもね、もし魔力が少なければ王様になることができるケースもあったのよ。でも魔力が多ければ、、、一発で魔法使いになって、王様になることは諦めるしかできないわね」
このようなことを教えてもらったからだ。すると医者はゆっくりと口を開き始めた。
「アリス様、アリス様の魔力はですね。想像を超えるような量の魔力です。あなたは魔法使いです」
そういわれて私はお母様になんて言おうかとても迷っているうちに城に帰ってきてしまった。城につくと、お母様がさっそく聞いてきた。
「アリス、検査の結果はどうだったの?体内に魔力はあったの?」
「お母様、本当にごめんなさい。私の体内には魔力がありました。しかもその量は想像を超えるような量の魔力なんだそうです。本当にごめんなさい」
お母様は悲しそうな顔をしながらも、これからのことを説明してくれた。
「アリス、謝らなくていいのよ。あなたのせいじゃないんだから。じゃあ明日からあなたは魔法使いになるのよ。魔法使いは、魔法が使えるのよ。でもその魔法は体からあふれてしまうと死んでしまうの。だから神殿に魔力を納めたり、患者を治すための薬の材料にしたりするのよ。魔法使いは、命を懸けてこの王国を守るために闘わなければならないわ。でも魔法使いになったら、いいこともあるのよ。例えば、この王国の国民たちが1ヶ月に一度、魔法使いたちにいろいろな物資を渡したり感謝の手紙をくれたりするのよ。そうやって王国はつながっていっているのよ」
つまり、明日から魔法使いとして魔法の使い方を学習してこのドルフィ王国を守るんだって。私の場合は、ミラカお姉様から魔法の使い方を学ぶんだって。なんだか楽しみになってきた~!
次回は魔法使いとして最初の試練を果たします。ぜひ、見てください。