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足りないきみは風を喰む2
|「ここがナースステーションです!」《命子》
|「ふむ、皆さんで軽い挨拶をしましょうね」《アリス》
|「…あ、幸風五喜です」《五喜》
|「ジブンはメルテス・メメル。あんさんらも名前名のってよ」《メルテス》
体格とは大きく異なるジャケットの袖を少しばかり揺らしながら、俯くばかりの他のナースを指している。
|「んーにゃ、名前言いたい気分じゃないもーん。当ててみんしゃぁ」《サヴェル》
|「いやいや、じゃあ私が代わりに…彼はサヴェル・アスタ!」《命子》
|「初めまして。私は琴森雫と申します。」《 雫》
|「で、叶飛さんは?自己紹介!」《命子》
|「…何お前?そんなに死にたいんだ?」《叶飛》
舌打ちをしながら、嫌悪感を溜め込んでいる瞳をこちらに向けて睨んでいた。
|「もうー、食べても美味しくないですからね!」《命子》
|「そう、彼は七秘叶飛です」《命子》
|「と、まあ!以上がナースの皆んなです」《命子》
とびきり明るくいわゆる仕切り役であろう彼女が、それぞれ自由に過ごすナースたちに呆れながら笑っている。
|「それではさっそく、お願いしてもいいですか?」《命子》
--- もう一人誰かを連れてきてください ---
|「恋人、家族、他人!誰でもいいですよ」《命子》
|「…連れてきて、どうするんですか?」《五喜》
|「優しく言ったほうがいいんですかねえ、それともやっぱり厳しく言ったほうがいいんでしょうか?」《アリス》
|「うーん、まあ!連れてきた後に言います!」《命子》
紹介された自室に一人で向かっている最中、背後のナースステーションはひどく盛り上がっていた。