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遺書
モノクマ「大正解でーす…」
モノクマ「そう、桐谷遥さんを殺したのは、桐谷遥さん自身なのでしたー…」
モノクマ「はい、おしまい…」
愛莉「これが…事実なのね…」
類「だけど、僕にはまだ分からないことがあるよ」
類「花里さん…どうしてこんな事をしたんだい?」
類「あのまま隠し続けていれば、花里さんも処刑されていたんだよ?」
類「それなのに…どうして…」
絵名「そ、そうよ!危うくみんな死ぬところだったのよ!」
みのり「…だって…だって!」
みのり「それが目的だったんだもん…!」
奏「え…?」
みのり「遥ちゃんが死んだのは…みんなが遥ちゃんを追い込んだからだよ!」
みのり「みんなが…遥ちゃんを殺したんだ…」
みのり「だから…!遥ちゃんだけを死なせるわけにはいかないじゃん!」
えむ「みのりちゃん…もしかして〜…」
えむ「あたし達を道連れにするために〜っ?☆」
みのり「私や、みんなが殺したんだから…」
みのり「みんなで罪を償うべきなんだよ…」
雫「で、でも、そんなことしなくたって…」
みのり「わかんないなら…教えてあげるよ」
みのり「遥ちゃんが、どんな絶望を抱えて死んでいったのか…」
みのり「これを…見てよ」
--- 私はもう嫌になっちゃった ---
--- 醜い争いなんかして… ---
--- このまま殺されるのを待つくらいなら ---
--- 私は自らの手で終わらせるよ ---
奏「これって…」
みのり「娯楽室の前にあったのを見つけたんだよ…」
みのり「遥ちゃんの…遺書だよ」
みのり「今思えば、その予兆は前からあったんだ」
みのり「私がジェノサイダー翔に襲われた時…」
みのり「私が襲われた事を知った遥ちゃんが怒って保健室から飛び出した後の事だよ…」
みのり「遥ちゃん…責任を感じてた…」
みのり「全部自分のせいだって…」
みのり「だから、きっと…何とかしてみんなに許してもらおうと思って…」
みのり「それで3人を呼び出したんだよ…」
みのり「きっと…遥ちゃんは信じてたんだよ!みんなの事を本気で信じてたんだよ…!」
みのり「話をすればわかるって…みんな仲間だからって…」
みのり「それなのに…」
みのり「貴方達は…遥ちゃんの気持ちを踏み躙った…しかも最悪の形で…」
絵名「い、いや…あれは事故みたいなもので…」
みのり「事故なんて言葉で片付けないでよ…!」
みのり「みんなに話すら聞いてもらえないで…」
みのり「問答無用で…殺されかけて…」
みのり「そんなみんなに絶望したんだよ!」
みのり「これが…この遺書の意味…」
みのり「遥ちゃんは…そこまで追い詰められて…」
---
--- 回想シーン ---
みのり「は、遥ちゃん!どうしたの…その傷…!」
遥「あ…みのり…」
みのり「ま、まってて!今手当するから…!」
遥「…みのり」
遥「私ね、この学園に来た時、すごく不安だったんだ」
遥「でも…みのり…愛莉…雫…みんないて嬉しかった…」
みのり「どうし…たの…?そんな…最期みたいに…」
遥「…頼みがあるんだけど…」
みのり「頼み…?」
遥「プロテインってね…万病に効くらしいんだ…」
遥「化学室にあった気がするから…取ってきて欲しいな」
みのり「わ、わかった!まってて!すぐ持ってくるから!」
---
みのり「それが…遥ちゃんとの最後の会話だった」
みのり「頼まれたプロテインを取りに行ったら…棚の前で粉末が撒き散らされてて…」
みのり「そこで気づいたんだ…遥ちゃんが…毒薬の棚から何か持ち出したんだって…」
みのり「それで…急いで娯楽室に戻ったんだけど…」
みのり「でも…その時はもう…」
---
みのり「遥ちゃん!!!」
みのり「開けて!!ドアを開けてよ…!」
みのり「………」
みのり「なんで…」
みのり「なんでなの…?」
みのり「なんで遥ちゃんが…死なないといけないの…?」
---
みのり「みんなは遥ちゃんを責め立てて…」
みのり「それを庇った私が傷ついたせいで…さらに重荷を背負って…」
みのり「しかも私は…気づいてあげられなくて…」
奏「花里さん…」
みのり「私たちが…遥ちゃんを殺したんだ…」
みのり「そんな私たちが…生きてていい訳ないんだよ!」
司「それで…オレ達を道連れにしようと…」
穂波「わざと学級裁判で…間違った答えを出させようと…」
みのり「遥ちゃんの無念を晴らす為だよ…」
みのり「でもそれすらも見破られちゃって…結局何もしてあげられなかった…」
みのり「もう遥ちゃんに合わせる顔がないよ…」
モノクマ「ねぇ、泣ける話のとこ悪いんだけどさぁ…」
モノクマ「長いよ長い!!!そんなの眠くなっちゃうよ!!」
モノクマ「というか…桐谷さんがどう思って死んだのか、花里さんなんかが本当に理解してるの?
みのり「なに…それ…」
モノクマ「だってさ、さっきの話だって、大部分が花里さんの解釈な訳でしょ?」
モノクマ「あの遺書に基づいた花里さんの解釈…」
みのり「わ、分かってるに決まってるよ!だって私と遥ちゃんは…!」
モノクマ「だからさー、ボクが言いたいのはねぇ…」
モノクマ「その基づいた物が違うんじゃないの?」
モノクマ「本当はこっちだったりして…」
冬弥「なんだ…それ…?封筒…?」
モノクマ「決まってんじゃーん!」
モノクマ「遺書だよ!桐谷さんのね!」
奏「え…遺書?だって遺書はもう花里さんが…」
モノクマ「やだな〜…あれを書いたのはボクだよ!」
モノクマ「そしてこっちは、花里さんの部屋に置いてあった物!桐谷さんが花里さんに宛てたんだろうね!」
みのり「え…じゃあ…」
みのり「わ、私のこと…騙してたの…?」
モノクマ「騙すなんて!ボクは盛り上げようとしただけー!」
モノクマ「というか、ボクが書いた落書きを勝手に勘違いしたのが悪いでしょ!」
モノクマ「桐谷さんの署名があるわけじゃないのに…」
奏「き、汚いよ…!」
モノクマ「汚くないよ?ボク何もしてないじゃん」
モノクマ「ボクが証拠をでっち上げたりした?学級裁判の行方を左右するような介入をした?」
モノクマ「事件は、オマエラの中で起きて、オマエラの中で引っかき回し合ってただけじゃん」
モノクマ「あの遺書がきっかけになってたとしても・・・結局全ては、オマエラ同士の間で起きた事…」
モノクマ「だからボクは悪くない!汚くもないっ!」
瑞希「それで…本物の遺書には何が書いてあるの…?」
モノクマ「…では、美声の呼び声が高いボクが代表して読んであげましょう!」
モノクマ「ところでさぁ…遺書と言えば気にならない?」
モノクマ「自殺をする前に、遺書を残すシステムを発案したのって、どこのどなた様なんだろうね?」
モノクマ「ですが、残念ながら、そいつは間違いなく自らの命を絶ってるだろうね」
モノクマ「もう話を聞く事は出来ない…つまり真相は闇の中…怖いですね…」
瑞希「早くしてくれる?」
モノクマ「はいはい!では読みますよ!」
モノクマ「えーっと…」
モノクマ「私と一緒にアイドルをしてくれたみのりへ。みのりに伝えないといけないことがあるんだ」
モノクマ「こういう形で伝えるのは心苦しいけど…だけど、知っててほしい」
モノクマ「それが…私の最後の願いだよ」
---
遥「知っての通り、私は黒幕の内通者…」
遥「黒幕に声を掛けられたのは、この学園生活が始まった最初の日の夜の事…」
遥「黒幕は、真衣を人質に取る事で、私に手先となるよう命じてきたの」
遥「私が命に変えてでも守りたい…死んで欲しくない…そう思ってた」
遥「だけど…そういう想いこそ、私の弱さだったんだよ…」
遥「そのせいで…私は黒幕に従うという過ちを犯してしまったから…」
遥「そのせいで…私は黒幕に従うという過ちを犯してしまったから…」
遥「それで、黒幕が命じたことは…『殺人を犯せ』そういう命令だった」
遥「黒幕は、最初の殺人が起きない可能性を潰すために…私を内通者にしたんだと、思う…」
遥「でも、黒幕にも私にも計算外だった事は、それよりも先に、朝比奈先輩の事件が起きた事…」
遥「それによって、計画は変更された…」
遥「そこで、黒幕は私に待機を命令したの。次のこう着状態が訪れるまでの待機…」
遥「だけどそこでね…みんなと生活を続けていってる内にね…」
遥「みのりと生活を続けてるとね…」
遥「私、何やってんだろうって…」
遥「みんなは必死に戦って…必死に生き延びようとしてるのに…」
遥「私…弱いんだなぁって…黒幕に従った弱さをね…」
遥「それに…」
遥「私の友達に裏切りなんて…できないよ…」
---
奏「それで桐谷さんは…モノクマに戦いを…」
モノクマ「だけど、そのせいでボクに秘密をバラされて、みんなから嫌われる羽目になっちゃったんだけどね!」
モノクマ「みんなの為と思った決断のせいで、みんなから嫌われるなんてね…」
モノクマ「皮肉ですな!!!」
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遥「だけど、みんなが私を恨むのも当然だよ。全ては、私の弱さが招いた結果だから…」
遥「だから、自分に向けられる攻撃は全て甘んじて受け入れるつもりだったよ…」
遥「それが、みんなを裏切った事への罪滅ぼし…そう思っていたけど…」
遥「私1人が泥を被って済む問題じゃなかった…」
遥「事態は私の力だけでは収まらなくなってて…それが…それこそ…」
遥「黒幕が私の裏切りを公表した、本当の目的だった…」
遥「私の裏切りがもたらす…不協和音と疑心暗鬼…それが殺し合いに発展する事を黒幕は見越してたんだよ」
遥「でも、それも全て私の責任…」
遥「だからこの事態を収拾させる義務がある…」
遥「その義務を果たす為に、私は黒幕から受けた命令を聞くことにしたの」
遥「『殺人を犯せ』という黒幕の命令…」
遥「だけど、私が殺すのは…」
遥「私自身だよ」
遥「黒幕が誰かを殺せと言うなら、私は私を殺す」
遥「そうすれば真衣も救われる、何より殺し合いをさせずに済む」
遥「私が死ねば、争いの火種も消える…」
遥「その為なら私は死ぬ」
---
みのり「じゃ、じゃあ遥ちゃんは…」
みのり「みんなに追い詰められて…みんなを恨んで死んだんじゃなくて…」
みのり「みんなが争うのを止める為に…?みんなを守る為に…?」
瑞希「遥ちゃんが自殺したのは弱かったからじゃない…」
瑞希「寧ろ逆だったんだよ…強かったんだ…」
瑞希「そのせいで自ら命を絶ってしまった…」
瑞希「ボク達を守る為に、自分の死を選んでしまった…」
瑞希「そこまでの自己責任は…普通の人間じゃできない…」
瑞希「でも…遥ちゃんの強さが、それを可能にしてしまったんだよ…」
みのり「………」
---
遥「みのり…最後にいいかな?」
遥「私がみのりに打ち明けなかったのは…打ち明けたら、間違いなく私を止めるでしょ…?」
遥「本当にごめん…でも、悲しまないでほしい…」
遥「黒幕の企みを阻止できるなら…みんなの殺し合いを阻止できるなら…」
遥「私は本望なの」
遥「これが私の選んだ道。けじめの取り方だよ」
遥「この遺書があったら、私の学級裁判もすぐに終わる…」
遥「みのり…嫌な役を頼んで本当にごめんね…あとは任せたよ」
遥「今から、鳳さんと神代さん…東雲さんに会ってくるね」
遥「死ぬつもりとは言わないけど…私の想いだけは伝えようと思って…」
遥「あとは、言葉じゃなくて行動を示す…そうすればみんな分かってくれるよ…」
遥「私たちは憎しみ合う敵同士じゃない…協力すべき仲間同士なんだよ…」
遥「みのり、愛莉、雫…絶対生きてね…」
遥「それで…希望を届けられる立派なアイドルになるんだよ!」
遥「みんなも絶対に…ここから生きて出てね」
---
みのり「そんな…そんなのって…!」
みのり「私…遥ちゃんの事…全然分かってあげられなかった…」
モノクマ「ほんっと、余計なお節介でしたね!」
モノクマ「桐谷さんは殺し合いを止める為に死んだのに、結局は、オマエのせいで殺し合いみたくなっちゃった!」
モノクマ「お陰で桐谷さんは無駄死にっすよ!」
モノクマ「しかも、そんな余計なおせっかいのせいでみんなの命まで危険にさらしてさぁ…」
モノクマ「はい責められるー!みんなに責められるー!」
モノクマ「当たり前だよね!それだけの事したんだもんね!」
モノクマ「うぷぷ…次の犠牲者も決まったね…」
愛莉「何言ってるのよあんたは…!」
モノクマ「おろろ…?」
愛莉「そもそも…あんたが偽物の遺書なんかでみのりを騙したのが悪いのよ!」
愛莉「それに、遥は無駄死になんかじゃないわ!」
モノクマ「お、おろろ…?」
愛莉「遥は私たちに思い出させてくれた…」
愛莉「私たちは憎しみ合う敵同士じゃなくて…協力すべき仲間同士なんだって…!」
雫「そうよ…私たちが遥ちゃんに間違った憎しみを見せたせいで…こんなことになったのよ…!」
司「責められる訳がない…誰も責めたりなんかしないぞ!!」
モノクマ「なに…?
奏「最初から内通者なんめ関係ない…!」
奏「だって私たちが戦うべき相手は…モノクマ…貴方だけだよ…!」
モノクマ「なに…なんだよ、それ…」
モノクマ「違うよー!敵はオマエラ同士なんだー!」
類「確かに、モノクマの言う通りだね」
モノクマ「神代くん!やっぱり君は分かってくれるんだね!」
類「このゲームは僕達同士の蹴落とし合い…勝者だけが生き残れる、命だけの蹴落とし合いさ…」
類「それはその通りだよ…」
類「だからこそ、僕はこのゲームから降りる」
モノクマ「あれれれ…?」
類「花里さんと桐谷さんは、自分の命を犠牲にこのゲームを拒否した」
類「そんな行動のせいで、誰もがすっかり、このゲームへの恐怖心を捨ててしまったようだね?」
類「緊張しないゲームに、僕は参加しない」
類「だから《《俺》》はこのゲームから降りるとしよう」
モノクマ「な、なんだよ!それ…!」
類「となると、お楽しみは一つだけだね」
類「命を軽く見ている黒幕に復讐をする事さ」
奏「神代さん…それって…」
えむ「そうだね!黒幕はあたしも許せない!狂ってる殺人を犯していいのはあたしだけなんだよ!」
奏「…!」
瑞希「どう?これでも遥ちゃんの死は無駄だと言える?」
モノクマ「ふん、つまんないの…」
モノクマ「だけど…いいもんね!」
モノクマ「ボクにはまだ、例のお楽しみタイムがあるから!」
絵名「お、お楽しみ…?」
モノクマ「んじゃ、始めましょうかね!」
モノクマ「楽しい楽しいおしおきタイムを!」