公開中
月が満ちるまで
夜桜七星
わおーん...
どこかで狼さんの遠吠えが聞こえるわ!
シオンは言った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここは、ナイアの国。こわぁい狼さんのいる国。だけど、そんなこと小1のシオンは知らなかった。
「お母さん、狼さんに会いに行きたい!」
シオンが言うと、
「ダメに決まっているでしょう!狼さんは怖い人なのよ。満月の日に狼さんに襲われた人がいるのですよ!」
決まってお母さんは言う。
しかし、シオンは諦めきれなかった。
【狼さんは本当に怖い人なのかな?一回会ってみるくらい、、良いわよね?】
そして、お母さんが寝て家が静まりかえったあとに大好きなクッキーとりんごジュースと自分でかいたウルフの森の地図を小さな横がけバックに詰めて、家を出た。
わおーん...
どこかで狼さんの遠吠えが聞こえるわ!
シオンは言うと、声がする方へ歩いた。
しばらく歩くと、狼さんと出会った。初めて見る狼さんには、鋭い目つき、石でも割ることのできそうな鋭い牙、爪…がついていた。
あまりの恐ろしさにシオンは後ずさりをしてしまった。
すると、狼さんはかなしそうに「そんなに怖いかい?ごめんね…」と言った。その言葉からは本当は狼さんは優しいんだと感じられた。
シオンは安心した。
「ぜんぜん怖くないわ!わたしに怖いものなんてないもの!でも、こんなに優しい狼さんなのに、どうして怖いって言われているの?」シオンが聞いた
すると、狼さんは悲しげに笑った。
「それはね、僕の姿形が怖いから、みんなに怖がられているんだよ…僕がニンゲンを襲ったっていう噂も聞くけど、あんなこと、僕はしないよ。だけど、ぼくはいつもひとりぼっちさ。」
それを聞いたシオンは
「えぇー!可哀想!町にでてきなよ!みんな狼さんが優しいって知ってくれるよ!」
でも、狼さんから満月の日の夜にしかでてこれないんだと言われた。
「じゃあ、いまから遊びましょうよ!クッキーとりんごジュースがあるから、お菓子パーティーができるわ!」
そして、一人分のクッキーとジュースを少しずつ分けあって遊んだ。狼さんとのお菓子パーティーは思っていたよりも何倍も何十倍と楽しかった。しかし、たのしい時間は短かった。朝が近づくにつれ、狼さんの体はだんだん薄くなっていった。そして、ほとんど消えてしまった。狼さんは言った。「今日はありがとう!おかげて、人生で一番楽しかったよ!そして、僕と会ったことは、誰にも内緒だよ。」シオンは約束した。
そして、狼さんが完全に消えるまでシオンは手を振り続けた。
それから、満月の日も狼さんに会うことはなかった。けれど、満月の日にはいつも見守ってくれている気がした。