公開中
笑顔
ちょっと遅れました。
ふと思いついたネタなので意味わかんないですが。
ある日。俺の夢の中に、客がやってきた。
黒いレースのドレス。体の線は細く、赤毛のロング。
その女は、「悪魔」と名乗った。もちろん信じなかったけど。
「貴方は、自分の幸せって考えたことある?」
「もちろん。ないわけないだろ。」
「じゃあ、自分が幸せになる、覚悟はある?」
「は?」
「幸せになるのって、覚悟が必要なの。他人を蹴落としてでも自分の幸せを手に入れる覚悟。それがない人は、自分の幸せを求めない。だから幸せじゃない。」
「はあ、」
「この世界って、2択なのよね。自分の幸せを追いかけ続ける者か、自分の幸せから逃げ続ける者か。貴方はどっち?」
「俺は、」
「自分の幸せのためには他人をも蹴落とすのよ?」
「っ、」
「1週間後、また会いましょう。答えを聞かせて。」
やけに一方的で強引。気にしないようにしようと思った。
ただ、どうしても引っかかってしまう。
「自分の幸せ」ってなんだ。俺は追う者なのか、逃げる者なのか。
1週間経ち、俺はまた「悪魔」に会った。
「さあ。考えた答えを聞かせて?」
「俺は、幸せを追う者だよ。そして、俺にとっての自分の幸せは、周りの幸せだ。」
「悪魔」は顔をしかめた。
「私、綺麗事って嫌いなの。」
「綺麗事で何が悪い?」
例えば。
「ガリさん久しぶり〜」
「作間おひさー」
「ねえねえガリさん、TikTok撮らない?みんなも喜ぶし!」
「いいよ、作間テンション高いね笑」
「やった、ありがとう!」
嬉しそうに微笑む顔。
「ガリさん!!」
「一世〜!!」
「どもです!!今日はありがとうございます!」
「こっちこそだよ!!お前デカくなったな〜」
「そうっすか?ありがとうございます!」
久しぶりに見る笑顔。
「そーやん最近どうなの??」
「絶好調。優斗は?」
「俺も絶好調!まだまだ爆進してくからな〜」
「えーいいな、今度フィナンシェ差し入れてよ」
「えー? まあ、時間空いたらな?笑」
自分の言葉で起こる笑顔。
「たくさん笑顔を貰ったんだよ。そしてそれを見てると、俺も幸せだった。で、ここで思い出して欲しいのは、『笑顔は幸せから生まれる』ってこと。だから、」
「仲間の幸せは、俺の幸せだよ。」
「、、、そう。気づいてしまったのね。あーあ、いい人材だと思ったのに。」
「人材?」
「自分の幸せの為には、容赦なく他人を蹴落とせる人間。そんな人を探して、魔王様の元へ連れて行くのが私の役目なの。」
「どーすんだよ、連れてって」
「さあ?知らない。知ろうともしたくない。」
「ふうん、、、
「お前は今幸せなのか?」
「幸せよ。仕事はあんまり好きじゃないけど、お給料はそれなりに入るし。好きなことができるもの。」
「それはよかったな。」
「そうね。じゃあ、そろそろ行くわね。」
「おう、もう2度と来んなよ」
「さあ?貴方の心が変わったら、その時は来るかもしれないわ。」
「じゃ、来なくていいってこったな。」
「ふふ、貴方って本当に強いのね。それでは。」
「じゃ。」
なんやかんや、大事なものに気づけた気はするからいいとしよう。
そんな風に少しだけ寛大になれたのも、あの笑顔たちのおかげだと勝手に思った。
書き忘れてましたが主人公がりりんです。