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風 鈴 の 愛 情 .
短編じゃなくなりました……。
超絶長いです、すいません……。
『、何とも思わないんですかっ⁉(泣』
「……、」
何とも思わない 訳じゃない 。
かと言って 言葉を発しようにも 。
間違えれば 実質 ” 即死 ” 。
『、もういいです』
音が鳴るわけでもなく ただただ画面の先を見続ける 。
刃先は 自分の親友へと 一直線 。
「、何がっ!! ……何が、そんなに憎いんだよ⁉」
『、憎いとか、そんなんじゃないです、。』
「……ぇ、?」
|彼奴《あいつ》は 首を切るような仕草を見せて 。
画面越しに ニコッと笑った 。
眼の奥は 笑っていなかったし 。
ハイライトは消え どす黒く染まりきった その瞳で 。
俺に対して ニコッと笑ってきたんだ 。
『憎いとは思わないんです、本当に』
「……。」
『でも、……。』
彼奴は、 |鈴《すず》は 。
弓を 引いた 。
刃先が 俺の親友に向いている 弓矢を 。
「っ駄目だ!! いくら何でも、殺すのはおかしいだろっっ!!」
画面越しで 届いているのかは分からないが 。
『、貴方は、……貴方の家族を殺した人間を、生かそうと思うんですか、?』
「っ……、」
『貴方の家族、大切な人達を自分から奪った奴を……!』
「……、!」
『……、野放しにさせるなんて、出来ますか、?』
「……。」
『、無理ですよねぇ⁉ ……自分の親友に対して、都合のいいこと言わないでください』
その言葉等は 自分の耳から 脳内に届いて 。
グルグルと 目まぐるしく回った 。
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「、面倒臭い人ですねぇ、本当に」
僕自身も 面倒臭い人かもしれない 。
他人の事言えないなーと笑いつつ 弓を引いた手は離さない 。
離してやってもいいが 今離したら |此奴《こいつ》が ” 即死 ” 。
何もかも つまんなくなっちゃうもん 。
「まだ来ないんだぁ、|明季《あき》さん、」
「、紐解いてよっっ!!」
あ、 獲物が 。
口のガムテープ どーやって剝がしたんだろ 。
結構強かったのになー 。
「、無理だよ……(笑)」
「なんで、なんで私だけっ⁉」
|橋丹南愛明《はしにな めあ》 。
僕の 最愛の ” 幼馴染 ” を 殺した犯人 。
「御前はさぁ、……どうしてくれんの、?」
「だからっ! 私はやってないってばっ!!」
「でも、目撃者がいるから仕方ない。(笑)」
「っ誰よっ⁉ 誰が見たっていうの⁉」
一応 紐で体を固定させているため 身動きは取れていない 。
抵抗されても困る 。
「見ましたよ、」
「は、……?」
「、僕がね、(ニコッ」
瞬間、 僕は手を離した 。
「っぁ、?」
傷は思ったよりも浅い が 。
出血多量で おそらく死ぬ 。
「最期まで親友が助けに来なかったなんてねぇ……、」
「本当、御気の毒さん(笑)」
嗚呼 やったよ 。
『 |風鈴《ふり》 』 聞こえる ?
観てる ?
…… そっか 返事は無いかぁ 。
じゃあ 、 。
ガチャン と 。
大きい 音が鳴り響いた 。
「今更ですか、? もう遅いです、(笑)」
「、は、?」
「、さようなら、明季さん(ニコッ」
「ぇ、」
隠し持っていた 拳銃 。
頭に突き付けて バーンってするんだ 。
「最期まで楽しかったです、……。」
「っ何でだよ、⁉」
「嗚呼、早く風鈴に会いたい……、」
「ふ、り……、?」
教えたことなかったっけなぁ 。
「僕の、最愛の幼馴染です、」
「ぇ……?」
「何時までも、何処までも、何があってもずーっと一緒、。」
「……⁉」
「片方が死ねば、片方も死ぬし」
最期の言葉が これになっちゃうのか 。
悲しいなぁ 。
「愛情の矛と盾は、二人で分け合ってきた、。」
明季さん 何も喋れなくなってる 。
おもしろーい 。
「だから、です(笑)」
僕には 風鈴がいないと ダメなんだ 。
「風鈴が殺されたから、僕も死ぬ、。」
「天国で会えるかなぁ、……僕は人殺しだから無理かも(笑)」
「ぁ……、鈴、?」
「愛明、殺しちゃったもんね、(笑)」
歪んでるって 言われても 。
そんなの 噓だ 。
前 監禁されたんだ って笑顔で言った 。
歪んでる、 どうしたの、 大丈夫、 ?
そう 云われた 。
僕は 本当にただ 、
風鈴 が 大好きで大好きで
愛して愛して たまらないだけ 。
歪んで何か いない 。
これが ” 真の愛情 ” だから 。
「バイバイ、明季さん、……また来世で(ニコッ」
「っ辞めろっ!!」
「……、(笑)」
遅いよ、 明季さん 。
僕を救うには もう遅すぎる 。
「でもさぁ、やっと風鈴のとこ逝けるんですよ? ……、幸せすぎますよぉ、(笑)」
「っ狂ってる!!」
「明季さん、……貴方もですか、?」
「ぇ……、?」
「っは、(笑) あはははっ、(笑)」
「鈴っ⁉」
「呆れました、残念です、。」
「っ……、⁉」
さようなら 。
この ” 世界 ” 。
また来世で 。
風鈴 。
今から往くよ 。
待っててね 、 。
夜景を 空に 、
僕は 引き金を引いた 。
そこには 矢が刺さった 一人の親友と 、
この場を見て 絶望した 一人の男と 、
歪んだ愛の持ち主の 人殺しが 。
それぞれ 多々ある|表情《かお》で 、
|存在《居た》したのである 。
貴方は 。
そう、 今この話を観ている 貴方です、 !
どう思いますか 、 ?
自身の大切な人を殺した 奴を 、 。
野放しになんて 、 。
そして 、 。
この愛情を 、 。
歪んでいるとは 、 。
勝手に云えるだろうか 、 ?
はい
<
いいえ