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イレギュラー・アイドル
※年齢は本人様と違います
※登場人物の名前の呼び方が本人様と違うことがあります
【登場人物】
🐤 |表野《おもての》 りうら : 17歳。赤担当。末っ子気質な甘え上手。ポテト好き。
💎 |二神《ふたがみ》 ほとけ : 19歳。水色担当。天然系ふわふわ男子。発狂しがち(?)。
🐇 |卯月《うづき》 |初兎《しょう》 : 19歳。紫・白担当。温和だが腹黒かも...?
🍣 |有園《ありぞの》 ないこ : 22歳。ピンク担当。真面目で穏やかなツッコミ担当。
🤪 |英《はなぶさ》 イフ : 23歳。青担当。英語が得意なぶっ飛びお兄さん。酒好き。
🦁 |獅子堂《ししどう》 |悠佑《ゆうすけ》 : 25歳。黄・黒担当。親切で兄貴肌な脳筋。
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――今日は、ついに、ついに......!
俺は有園ないこ。これでも有名事務所所属のアイドルだ。
22歳、アイドル歴は今年で7年。でもまだグループにさえ属さない下っ端だ。
しかし!!!
今日はなんと、ついに、俺の所属するグループが決まったのだ!
事務所では、グループ結成はデビューの第一歩。しかも俺が過去に見てきた先輩は皆、グループに入ってデビューまでそう長くなかった。
つまり、とうとう俺もデビュー目前まで辿り着けたということ。
浮かれ気分で事務所に行くと、社長が待ち構えていた。
「あの控え室にメンバー全員が集まってるから、とりあえず顔を合わせてほしい」
🍣「了解です!」
早速動く俺を、「あっ」と社長は思い出したように呼び止め、メモを渡してきた。
社長が指したドアに近寄って、そっと開ける。
この中にいる人達が、今日から俺の仲間なんだ――
🤪「んーお酒サイコぉぉーぅ! ふぅぅぅー! ぽえぽえぽえぽえ〜!」
💎「ぎぃやぁあッ! ちょ、敵増えた敵増えた死んじゃう死んじゃうイヤァァ!!」
🐤「ポテトうま。え、ポテトうまくね? ねえしょーくんポテト美味しいよ」
🐇「うっさいなぁ、今ちょっと集中してラップ聴いてんねんから黙らんかい!」
🦁「1796、1797、1798......あぁーもぉなんで上乗っかってくるんやイフやめぇ!」
🍣「............ 」
うん。え?
あ、部屋間違ったかな。そうだ。絶対そうだ。うん。
俺は、開けたドアを今自分が出せる最大の力で閉めた。二度と開かないように。
後ろを振り返って社長に「うっかり部屋間違えちゃいました!」と天然アピールをぶっかましたところで、俺が聞きたくなかった言葉が耳に入ってしまった。
「ははッ、いやだなぁないこくん。間違ってないよ、部屋」
🍣「ふふ、ですよねー......え?」
あんな騒がしい、動物園みたいな部屋で合ってるんですか? なんて思わず聞きそうになってしまった。
仕方ない。深呼吸して覚悟を決めて、いざ再び開扉!!!
部屋にいたのは。
🦁「うわぁぁっ! 腕立て伏せ何回目やったか忘れてもうたぁ!」
(何故か)上半身裸で筋トレ中の黒髪ロン毛と、
🤪「どんまい。ま、そんなことよりAlcohol!!」
(何故か)チューハイを片手に顔面を朱に染めた飲酒中の青髪と、
🐇「やっぱここのリリックたまらんなぁ......韻の踏み方天才やわ」
(何故か)サングラスをつけヘッドホンで音楽に没頭中の白髪と、
🐤「ポテト美味しいな〜。ねえほとけっち食べる? あげないけど」
(何故か)ポテトを両手に食事中の赤髪ポンパドールと、
💎「うぎゃああッ! ちょっとりうちゃん邪魔しないでよぉぉぉー!」
(何故か)ソファに寝っ転がってゲームで対戦中の水色クセ毛の約5名。
🍣「へ......変な奴しかいねぇ!!」
--- ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー ---
この人たち、あまりにもやかましすぎる。小学生でももっと静かにできるだろ!
🍣「あの、さ!」
俺は勇気を出して声を張り上げてみた。一斉に5人の目が俺に向く。あ、意外と静かにできるんだ。
🍣「みんな、初対面だよね......? まず自己紹介からしない?」
🐇「え、俺とコイツ知り合いやけど」
いつの間にやらヘッドホンを取っていた白髪の子が、水色クセ毛の子を親指で指す。
🍣「あれっ、そ、そーなんだ。まっとにかく自己紹介しよ! ね! 俺からするから!」
乗り気ではなさそうなみんなを無理やり説得して、やっと場はまともになった。
🍣「俺は有園ないこ。22歳で、歴は7年だよ。よろしく!」
ぱち、ぱちとまばらな拍手の後、静寂に包まれた。
🍣「じゃ次、えっと、そこのお酒飲んでる人」
🤪「んぇ、俺ぇ? ......|英《はなぶさ》イフ、23歳でーす」
🍣「次、そっちの筋肉」
🦁「筋肉て! 俺は|獅子堂《ししどう》|悠佑《ゆうすけ》。25やで〜」
🍣「次、ポテトくん(?)」
🐤「|表野《おもての》りうら、17歳だぞー」
🍣「次、ゲーム厨」
💎「ゲーム厨じゃないし! 僕|二神《ふたがみ》ほとけ! 可愛い可愛い19歳!」
🍣「最後、サングラス」
🐇「変な呼び方......|卯月《うづき》|初兎《しょう》、この水色バカと同じく19や」
俺の華麗なる回しにより、自己紹介はスムーズに進み無事終わった。
🍣「よし、じゃあ全員終わったから――グループ名決めよう」
--- ー*ー*ー* グループ名決め *ー*ー*ー ---
🐤「グループ名って、社長さんとかが決めるんじゃないんですかぁ?」
🍣「だって、ここに書いてるもん」
先ほど社長からもらった紙には、「グループ名勝手に決めといて☆」というなんとも雑な司令が書かれていた。
🦁「ほえ〜グループ名なぁ」
💎「なんかめんどくさそーだね」
🐇「俺は別になんでもええわ」
やる気のなさそうな3人は、特に意見はなさそう。ならば俺のこの案、言ってみるか。
🍣「せっかく6人だからさ、6にまつわるグループ名がいいよね〜」
🤪「なんだよ6にまつわる名前って。そんなのある?」
イフくんの言葉にみんな悩み始める。
🐤「うぇ〜.....あ、ろくろ首とか」
🍣「それ6には関係なくない?」
💎「じゃあロックンロール!みたいな」
🐇「それも6とはちゃうやろ」
🤪「ウイスキーだったら“ロック”で飲むけど」
🦁「お酒はちょっとあかんやろなぁ」
やっぱこの人たち真面目に考える気ないんか......?
💎「あっ! 六法全書!」
🐤「ばーか」
💎「はぁ!?」
🦁「“シックスパック”とかええんちゃう? 『6つに割れるくらいええ体になります
ように』みたいな」
🐇「なんかめっちゃ筋肉質なグループになりそうやな」
駄目だ。全くいい案が出てこないし俺も浮かばない。
もうこのグループ本当に大丈夫か、なんて疑い始めていた時。
🤪「6――サイコロ、とか」
🍣「っ!! それだイフくん!」
サイコロ、つまりはダイス! そして個性が強くて普通じゃない、不規則な人たちだから......
🍣「イレギュラーダイス!!!」
🐤「お〜」
🐇「ええんちゃう?」
🤪「ぽえぽえのおかげ! 俺に乾杯〜!」
🦁「かっこいいやんな」
💎「センスあるね《《あるこ》》くん!」
🍣「《《ないこ》》や」
ってか、なんか軽いな。
--- ー*ー*ー* メンバーカラー決め *ー*ー*ー ---
🍣「グループ名決まったし、次はメンバーカラー決めよ」
🐤「え、メンバーカラーも決めるんですかぁ?」
先ほど社長からもらった紙には、「メンバーカラーも勝手に決めといて☆」(以下略)。
🦁「ほえ〜メンバーカラーなぁ」
💎「なんかめんどくさそーだね」
🐇「俺は別になんでもええわ」
グループ名決めのときと全く同じメンツが全く同じ台詞を言っている。ほんとにやる気ないな!?
🍣「ま、とりあえず自分が好きな色にして、被ったらじゃんけんとかで決めよ
うか?」
🐤「んー、だったら俺赤かなー」
りうらくんはさっきからポテトをくわえながらボーっと発言している。
🍣「おっけ、りうらくんは赤ね。他のみんなは?」
🤪「じゃあ俺も赤〜」
🍣「え」
💎「僕も〜!」
🐇「そんなら俺も赤やな」
🦁「俺も赤がええなー」
えっと、どういう状況だこれ。
🐤「は!? 俺が最初に赤って言ったんだよ後出しはなしだろーが!!」
💎「後出しとかないですぅー! ばーかばーか!」
🤪「おこちゃまには赤は早いんだよ譲れ!」
🐇「譲ってもらいましょか、雑魚どもには」
🦁「おい赤は筋肉の赤やぞ!(?)」
な、な、なんて協調性皆無の野郎どもなんだ......!?
とうとう口論はヒートアップして、5人は取っ組み合いを始めた。
ありえねえ。俺が、唯一まともな俺がなんとかしなくちゃ。
🍣「しっ、鎮まれお前らァァァァー!」
🐤💎🐇🤪🦁「!?」
🍣「醜い争いはやめろ。全員赤なんて目が痛くなるだろ(そういう問題じゃない)。と
りあえず話し合え」
5人は不服そうに顔をしかめつつも取っ組み合いをやめ、円になって話し合い始めた。
🍣「よし。そうだ。その調子だ」
・・・
🍣「なあ――いつまで話し合ってるんだよ!!!」
円になって座り込んだ5人は4時間、神妙な面持ちで話し合い続けた。
🦁「だーって《《あるこ》》くんが話し合えゆーたやん!」
🍣「4時間もしろなんて言ってない! あと俺は《《ないこ》》!」
何故譲り合うだけなのに4時間もかかるのか。多分有名な科学者でも心理学者でもこれは解けない。
🍣「で、決まったの?」
🐤「赤は俺になったよぉ〜!」
りうらくん、満面の笑みで嬉しそう。まあ可愛いからそれはいいんだけど。
🍣「他のみんなの色は?」
🤪「結局髪色と同じにしようってことになったんだけど......」
🐇「ほら、俺と悠佑くん毛先の色ちょっとちゃうやん? どないしよかなーて」
🍣「あー」
めんどくさっ(本音)。
🍣「もうどっちもでいいんじゃない? 初兎くんは白と紫、悠佑くんは黒と黄色って
ことで」
🐇「おー、欲張りやな」
🦁「ええな! それにしよか」
💎「え、なにそれずるいー!」
🐤「メンバーカラー2色とかありなの〜?」
🤪「なんかまあとりあえず飲もうぜぇぇぇい! うぇえい!」
わいわい盛り上がる他5人。
やっと決まったけど。
こんなまとまりのない6人でデビューなんて、できそうにないな......
--- ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー ---
1年後。
「――『イレギュラーダイス』というグループ名以外には、他に候補はありまし
たか?」
🍣「6に関係する名前がいいなと言ったら、『ろくろ首』とか『六法全書』と
か『シックスパック』とか、色々出ましたね」
インタビュアーに笑い混じりに話すと、楽しそうに相槌を打ってくれる。
🍣「でも、こんなクセの強いメンバーじゃなかったら、きっとデビューなんて無理
でした」
俺たちはあれから、アイドルグループとしての人気を確立させた。
そして、例年の先輩たちより遥かに早い活動歴1年目でのデビューを成し遂げたのだ。
🍣「最初は変な人しかいないなぁなんて思ってましたけど......」
今も相変わらず、りうらはポテトばっか食べてるし、ほとけはゲームばっかしてるし、初兎はラップばっか聴いてるし、イフは酒ばっか飲んでるし、悠佑は筋トレばっかしてるけど。
🍣「感謝しかないです。アイツらには」
お久しぶりです、日桜宵です。🎲様の二次創作を書いてみました〜
もしかしたら口調とか変な人いるかもです_(._.)_
あ、グループ名の決め方は捏造なので本当じゃないです💦
慣れない書き方したのにめっちゃ長くなってびっくり
スランプからちょっと気分転換できましたー!
この作品は星屑様の自主企画参加用に書きました!(自信ないけど)
皆様もよかったらご参加ください。
Thank you for reading💞