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番外編sp2 都会で買い物
「仕事は、今日は一番簡単なやつだ。」
「そうなの?何?」
「盗み。」
殺し屋だからと言って、いつも殺してばかりではない。
それとそんなことしてたら普通の人間は倒れる。
だから殺し以外にも決闘士や盗み、たまにはボディーガードごく稀に遊覧船の案内役なんてものもある。
中でも盗みは一番簡単で、こっそりいってとればしゅうりょう。
これほど楽な任務はないだろう。
「さっきのオークションの商品の一人だ。」
「サー族の子?」
「違うわい。」
身をかがめ、通気口の中を通る。
小柄な二人は、特に問題もなく通れるが、大柄なやつだと音でバレたりする。
「よぉ〜し。」
ばんっ!ごきっ!
扉を蹴り開けて抵抗されないうちにしめた。
作業着を取り、着る。
(…でかい)
「とっとと終わらせますか。」
10分後
「君がユクくん?」
驚いた。この少年もサー族だ。
少年はこくりと頷く。
鍵を開けて外に出した。
「俺も…」
「開けて…」
「助けて」
周りから聞こえる声をモノともせず、舞は進む。
「待って!」
一度立ち止まり、ユクが叫んだ。
「タク、タクが…」
舞は察する。
さっきオークションに出されていた子供がきっとタクだろう。
「…。無理だ。もう遅い。」
「いやだっ!」
苦し紛れに答えた舞をよそに、ユクは走り出す。
突然のことでびっくりした舞はうっかり手を離してしまった。
「おい、待てっ!」
(こどものあしはやっ!)
だが、舞も負けてはいない。
長年訓練してきた舞にはユクも勝てなかった。
だが、捕まえたのは駐車場のど真ん中。
「あっ!タクっ!」
やはり、先ほどの子が連れてかれていた。
それに、あの運転手…自分え連れて行ったやつだ。
「くそっ!」
舞は気づいたら走り出していた。
そして車に飛び乗り、タイヤに短剣を刺す。
たちまち車はトリップし、崖のギリギリで止まった。
「おうりゃっ」
舞は助手席の窓を蹴り破り、運転手を叩き出し、落とした。
「おい、タクトやら、どこだ?」
薄暗い荷台の中を探す。
その時
「危ない!」
後ろから来た刺客に気づかなかった舞を庇ったのはユクだった。
刺客の持っていた剣が胸まで刺さり、彼の体を真っ二つにした。
「さーて、次はお前だ、殺し屋舞。」
「っ…はは…あはははははは!…次の順番はお前だクソ野郎。」
気づけばアジトに帰ってた。
タクという少年を連れて。
「…あっ!ー優里置いて帰っちゃった!」
優里「俺は!?」