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五つ子注意報!♯多分7
あのー、配信の知識とかないんでそこは許してください…
あと、夜ノ青空は自作なんで下手でも許してください…
途中歌詞ばっかになってごめんなさい…
私はお米を炊く準備をしながら、お味噌汁の具材を切る茉音ちゃんをぼーっと眺めていた。
本当、茉音ちゃんって不良なのに器用でなんでも出来るんだよなぁ。
不良じゃなくて優等生になれりレベルじゃん…
なんて考えながらひたすら手を動かす。
洗い終わったら炊飯器にセットでボタンポチッと!
「江水、お味噌汁やってくんね?うちお好み焼きつくるわ」
「分かった」
えっと今は…5:35か。
「茉音ちゃん、私45分から配信するからこれ終わらせたら行くね」
「解った。」
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「はろすい〜!!0%、群青色担当!|水凪《すいな》ちゃんだよっ!」
私の動画、配信はお決まりの挨拶から始まる。
「じゃー、今日は|夜ノ青空《よるのあおぞら》って曲を歌うね!!」
0%っていうのは、最近人気の歌い手五人で構成された歌い手グループ。
「みんな知ってる?」そう質問すると、「もちもち!」とか、「こういう系好きそう」って答えが返ってきた。
まあ、いいや。歌おっ!
「じゃあ、いっきまーす!」
数秒間のイントロのあと、歌が始まる。
「何の取り柄もない僕はひたすらいきる毎日です」
そのワンフレーズで、たえま無かったコメントが、一気にやんだ。
「人と比べて安心して そんな僕で」
この歌は、まるであの時からの私の人生を物語っている。
「こんな僕でも愛してくれる人がいれば頑張る訳なんだ」
「ああ、まあまあまあまあまあ、頑張るか」
ここからが、私が一番、私の人生を見てたんじゃないかって思うほど似てて、茉音ちゃんや花衣羅君とか翠蘭とか、ここを疑ってたこともあったなぁ。
「ああ、むりむりむりむり 消えちゃおう」
そんなこと、ある訳ないのに。
「ああ、全部全部全部全部 やめちゃおう」
「まあ人なんてそんなもんさ」
「ああ ああ 毎日毎日生きるのお疲れ様です」
「僕なんかよりずっと偉いよ」
「生きてるだけで充分偉いよ」
「そーやって生きてこう」
「なんとかなるさ」
「きっとなんとかなるさ」
最後のワンフレーズ。
その五秒後、わっとコメントが湧いた。
歌い手になって三年目の今になっても皆の反応がちょっと怖い。
下手って思われたらどうしようとか、そんな事をぐるぐるぐるぐる考えちゃうんだ。
ファンを信じれてないとかそういうことじゃなくて、ただただ怖い。
あ、ライブ中だったんだ。でも、
「みんなー!どうだったー?」というと
「今日もいいね!」とか「水凪ちゃんの声、ほんと好き」
って答えてくれる時はとっても幸せで嬉しいんだ。
私のあの、真っ黒な人生を覆してくれたんだ。