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魔物が悪なんて誰が言いました?#19
ピア視点
わたしは今、すごくくらいところでおおきな人といっしょにいる。
でも………………
ピア「ひっぐ…………ぐすっ……」
「チッ……おい、うっせぇんだから黙れよ」
ピア「ひ………ごめなさっ………!」
この人は私が怖がると、めんどくさそうにこっちを見てくる。
その目がとってもこわくって、ぎゃくに泣いちゃいそうになる。
「謝罪は後で良いからさっさと黙れつってんだよ!」
ピア「ぅ"ッ………」
大きな声でおこられるのはいやだ。
だって、耳がキーンってなって、すっごく怖いんだもん。
「チッ……これだからガキは………」
ごめんなさい…………ごめんなさい……………ッ
こんな泣き虫ながきでごめんなさい……ッ。
「おい!大変だ!」
ピア「っ…………?」
またとおいところから、大きな声を出してこっちにむかってくる人がいる。
「どうしたんだ?」
「侵入者だ!それに6人も!」
「なに!?今すぐ行くぞ!」
「ああ!」
ピア「………?」
よくわかんないけど、あの人たちいなくなった……?
ピア「んん……おにいちゃん……」
ねぇ………ここはくらくって、こわくって、さびしいよ…。
まるで、おかあさんがいつも言ってた…わたしのおへやみたい……。
ピア「ぐすっ………」
おもい出すと、目からお水が出てきた。
ピア「っ………」
おねがい……お水とまって……、とまってくれないと……、
またおかあさんがおこっちゃうから……。
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ベシッ‼‼ベシッ‼‼
ピア「ごめんなさいっ…!ごめんなさっ!」
母「うるさい!あんたさえ…あんたさえいなければ……!」
ピア「ごめんなさいっ!私がわるいからっ…わるいこだからっ…!!ポロッ」
母「あぁもう!何で泣くの!?泣きたいのはこっちなんだってば!!」
ピア「い"っ……ごめなさいっ……ごめんなさいっ…………!」
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ピア「っ……!キュ……」
いたいのいや……
おこられるのいや……
ひとりでいるのいや……
いいこでいなきゃ……
おにいちゃんにもすてられちゃう……っ
ピア「__そんなの…っ……いやだぁ……!__」
おねがいだよぉ……
おにいちゃん……
おいてかないで……
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クリス視点
ドタドタと、6人分の地を踏む音が鳴り響く。
ジェリア「はぁ……はぁ…!こっち!」
クリス「っ………」
妾達は今全速力で地下を走っている。
なぜかって?
それは………
「!?なんだお前ら!!」
クリス「うっさいよ!」
シャキッ
「うぐっ!?」
向こうから歩いてきた人間を妖刀で切り裂き、スピードを落とさず走る。
こんなに全速力で走るのは久しぶりで体力がいつ尽きるか分からない。
だけど、今はそんなことを気にしてる暇もない。
ジェリアの下僕がカリー達の班を見たらしいんだが、どうやらあちらで戦闘が始まった様子。
相手はかなりの強者らしく、加勢に向かっているのが今の現状だ。
イフリート「ジェリア、あとどれくらい?」
ジェリア「本当にあとちょっと、……!この扉の向こう!!」
マラ「よし、今開ける!」
扉の前の立ったマラが鎌を取り出し、扉を吹っ飛ばす。
開けるという概念がどうかしているようだが、そんな事を言っている場合ではない。
中には、6人の人間と、カリー達がいる。
カリーが2人を同時に相手にして、エスとエル、ラフェルとサリジエでそれぞれ二人ずつの敵を相手をして、純粋神は皆のサポートに回っている。
カナタ「カリー様!!」
カリーが一人で相手をしているのを見て、カナタは誰よりも早く走って行った。
ディーア「カリーはカナタに任せよう。俺達はラフェル達を__」
マラ「いや、ディーアはジェリアとピアを探してくれ」
ジェリア「えっ?」
イフリート「ここは僕達に任せて、行ってきて」
クリス「頼んだよ。ディーア」
ディーア「分かった。行くぞ、ジェリア!」
ジェリア「………うん」
ディーアとジェリアがまた走り出し、横に曲がって姿は見えなくなる。
イフリート「僕は純粋神の方に行く、そっちはよろしくね」
マラ「俺はラフェルの方に行く。クリス、エスとエルの方を任せるぞ」
クリス「うん、任せられたから」
さて、久しぶりに本気を出さなきゃね。
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ディーア視点
マラ達と離れて少し。
ジェリアの案内もあり、迷いなくピアがいると言う場所に向かうことができた。
ディーア「合っているのか?」
ジェリア「うん、必ずこっちにいる……」
檻で囲まれた部屋が一直線先まで繋がっている。
中は無人の部屋もあれば、小さな魔物や大きな魔獣、そして人間の子供が数人いる。
……人間の子供たちの年はどうやらピアと同じくらいだろう。
「プルプルプル」 「プルプルプル」 「ガクガクガク」
子供達は俺たちが通るたび体を震わせ、こちらの様子をうかがっている。
ディーア「…………やるせないな」
ジェリア「そうだね……」
ピアを助けた後は、どうにかしてこの子たちも助けることはできないだろうか……。
ジェリア「ディーア、気持ちは分かるけど、この中にだって襲ってくる奴がいる。お人好しなのはいいけど、それでいつかピアちゃんが傷つけられる可能性がある。そこは十分気をつけて」
ディーア「!……………分かってる」
ジェリアの言っていることは"俺たちを襲う人間がいる"ではなく"この牢の中に人間を襲う魔物がいる"と言うことだ。
魔物達にその意思がなくとも、人間を見て理性を失う魔物は多数いる。
ジェリアはその事に気付き、忠告してくれたのだろう。
ジェリア「………右だよ」
そのままジェリアの言う通り右に曲がると、扉がある。
どうやら扉には鍵がかかっているらしい。
ジェリア「どうする?」
ディーア「こじ開けよう」
迷っている時間はない。
ガタンッ!!
大きな音を立てて扉が壊れた。
扉の破片を踏みながらその先に進む。
しかし、先には左右同じような牢があるだけで、ピアがいる気配は__
ピア「おにいちゃん……………?」
ディーア&ジェリア「!!!」
この声だ。
耳にスッと入るいかにも子供っぽい高い声。
声がした右側を振り向く。
するとそこには、目を赤くしてなおボロボロと泣いて蹲っているピアがいた。
ディーア「ピア!!」
ジェリア「ピアちゃん!!」
ピア「おにいちゃんっ!!」
ピアがいる牢はボロボロで、檻を折ればすぐ中から出られそうだ。
ディーア「ふんっ!」
ボギッ!!
予想通りだな。
ピア「おにいちゃッ!!ポロポロ」
檻が破壊され、ピアは一目散に俺へと飛びついてきた。
俺もたまらず、飛びついてきたピアを抱きしめ返した。
ピア「おにいッ…!ディーアお兄ちゃんっ…!」
必死に俺の名前を呼び、離すまいと言う意思が感じられる。
ディーア「よかった……ピア…無事でよかった……ッ!!」
ピア「グスッ…おにいちゃ……ッ…わた、し…こわかったっ………すっごく…すっごく……!ポロポロ」
ディーア「あぁ……よく頑張ったな………」
ピアとの視線を合わせて頭を撫でる。
ジェリア「ピアちゃん、何処か痛い所はない?」
ピア「フルフル……だいじょーぶ…」
ジェリア「そう……?」
ピア「…………コクリ」
ディーア「無理ならすぐに言うんだぞ?」
ピア「うんっ…!」
ジェリア「ディーア、急ごう。皆が心配だ」
ディーア「…分かってる…………」
ピアを助けた今、ここに用はない。
今すぐカリーたちを助けに行くんだから、ピアを背負って走るべきだろう。
だが……、
ピア「………?」
この子をあそこに連れて行くだんて、そんな危険なことをしていいのだろうか……?
ディーア「っ……………」
ジェリア「ディーア……?」
ピア「おにいちゃん…?」
分かってる……分かってる……分かってるはずなんだ……。
ピアを危険なことに巻き込みたくないだなんて、俺の願望なんだ。
ジェリアだって、イフリートや純粋神、ラフェルの3人の親友を助けに行きたいだろう。
だから、ここで俺が何か言うことなんて……ッ
ジェリア「……ァ……__ディー__……ディー……」
ディーア「ッ…………」
ジェリア「__ディーア__……ディーア!!」
ディーア「っ!?」
ジェリア「また悩み事?」
ディーア「いや、……大丈夫だ。早くみんなの所に……」
ジェリア「いいや、よくないね。ディーアのことなんだから、ピアちゃんを危険なことに巻き込みたくないとか思ってるんでしょ」
ディーア「……でも、そんな事言ったら…」
ジェリア「いいんだよ。ボクだって、ピアちゃんを危険な所には連れて行きたくないもん」
ディーア「!……」
ジェリアも……そう思ってたのか………?
ジェリア「でも、ボクがピアちゃんを連れて行く。だからディーアが皆のところに__」
ピア「やだっ!!」
突然、ピアが大きな声を出す。
ディーア&ジェリア「!?」
ピア「おにいちゃんが行くなら、私も行く!ぜったいに行く!」
ジェリア「ピアちゃん、それは流石に……」
ピア「ッいや!私、おにいちゃんとはなれたくないの!」
ディーア「………でもな…」
危険な所にはピアを連れて行きたくない……。
だが、そんなのでピアの思いは変えられないだろう。
ピア「やなの!ぜったいにいや!ポロポロ」
ディーア「ピアっ!!」
ピア「っ!?」
ディーア「!」
いかん……つい感情に任せて大声を出してしまうなんて……。
ピア「っ……う"ぅ"……ごめ、なさい……ッポロポロ」
ジェリア「ピ、ピアちゃん!?」
ピア「う"ぁ"……うぅ"ぅ"……わがま、ま、ヒッグ言って…ごめんなさっポロポロ」
ディーア「す、すまん!本当に怒ったわけじゃ……」
ピア「う"ぅ…ぇ"……?……おにいちゃ…、おこって、ない……?」
俺が怒ってないと分かってか、慌てて俺を見て顔を見てくる。
ディーア「ごめんな、俺はピアが嫌いなわけじゃない。それはわかってくれるか?」
ピア「ヒッグ……うん"……」
ディーア「だからなんだ。ピアには痛い思いをして欲しくない。"俺のようになってほしくないんだ"」
ピア「………?」
ディーア「安心しろ、ピアのことはジェリアが守ってくれる。きっと大丈夫だニコ」
正直、ピアもジェリアも、誰も傷ついてほしくない。
だから、俺がしなければいけないんだ。
ピア「…………じゃあ、おにいちゃんは…だれがまもってくれるの?」
ディーア「俺…………?」
ピア「……うん…」
ディーア「自分の身くらい自分で守れる。心配しないでくれ」
ピア「ッ……ううん、おにいちゃん守れない。守れてない……」
ディーア「は……?」
ピア「……おにいちゃんがね、私をしんぱい?してくれてるようにね、私もね、お兄ちゃんがしんぱいなの…」
ディーア「ピア………」
ピア「私も、自分のことは自分で守るっ!おにいちゃんたちにもめいわくかけない!だから、いっしょに行かせて!」
ディーア「………」
ジェリア「ディーア、どうする……?」
俺は……どうするのが正解だ?
一体どんな選択をすればいいんだ?
………………。
ディーア「……わかった…行こう、ピア」
ピア「!!」
ジェリア「えっ、いいの…?」
ディーア「何、ピアを危険に晒そうって訳じゃない。ピアがここまで言ってきたんだぞ?」
それに……、
ディーア「妹の願いなら、兄として果たさなきゃな」
ジェリア「………しょうがないな笑」
ピア「ッ〜!ありがとう、おにいちゃん!」
ディーア「行くぞ。気を引き締めろ」
ジェリア「分かってるよ」
今度こそ、守ってみせる…
おつせる!