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部屋の番号
出張で地方都市のホテルに泊まったサラリーマンの健太。 フロントで鍵を受け取ると、部屋番号は「404」だった。
(なんだか不吉な番号だな)と思いながらも、部屋に入ると、意外と清潔で快適だった。
夜も更け、風呂に入り、就寝しようとしたとき――部屋の内線が鳴った。
「……はい」
何も聞こえない。 無言のまま、電話は切れた。
その直後、部屋のドアが、ノックされた。
「フロントの者ですが、少々お時間よろしいでしょうか?」
健太がドアを開けると、誰もいない。廊下は静まり返っていた。
不気味に思い、翌朝フロントで事情を話すと、受付の女性が困ったような顔で言った。
「お客様、昨晩はどちらにお泊まりでしたか?」
「404号室です」
彼女は数秒黙ったあと、小声で言った。
「……お客様。404号室は、4年前に自殺があった後、封鎖されたままでございます。今も鍵は保管庫の中にあります」
健太が持っていた鍵――それは、フロントが渡していない“はず”のものだった。
あ、過ぎてる(毎日投稿が)まいっか