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心血解放の爪痕⑤
風野芽衣明
--- ウルグside ---
深夜 ザーーーーっという水の音が聞こえ ヘイルは目を覚ました。
ヘイル:「うっ…… |痛《いつ》ッッッ。な、何で寝ていたんだ?(一連の出来事を思い出す) そうか あまりに情緒不安定になっちまったから気絶させられたのか。にしても|手刀《アレ》……痛すぎんだろ、相棒に対して少しは加減しろっての、まだ痛みが残ってるなんて どんだけ力が有り余ってんだ(|項《うなじ》をさすっている)。
ウルグ…… なんでこんな夜中にシャワーを?」
布団から出て 書き置きを読むと浴室方面に歩き出す。すると同タイミングでシャワーを浴び終わったウルグが髪を拭きながら歩いてきた。
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【ここから先 《《ずっと全裸》》で会話が進みます。
(・∀・) 冗談なんかではなく ガチで全裸です。(服を着るという描写が出るまで)】
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ウルグ:「あ、ヘイル。ごめん 起こしちゃったかな」
ヘイル:「(目を背け 見ないようにしている)シャワー直後だというのは分かってるが せめて服を着てから出てこい! ってか なんでこんな時間にシャワーを浴びてんだ? |燐《りん》の所に行ってくるって書き置きがあったが 何しに行ってたんだよ (二本指でメモをつかみヒラヒラさせる)」
ウルグ:「ああ、ちょっと|凍矢《とうや》を《《半殺しにしてきた》》♡♡♡ 全然抵抗しないからつまんなかったけどね、まあまあな量の返り血を浴びちゃったからシャワーを浴びてたんだ」
ヘイル:「は、は、は、はん……ごろ……し……!
かえり……ち……!?」
ウルグ:「なーんで燐が怯えてたのか ぜんっぜん分かってなかったからね。だから《《恐怖を全身に刻み込んでやった》》よ、そこから立ち直れるかどうかは凍矢次第かな。
(手からタオルが滑り落ちる)ヘイル、なんか暴れたりないの♡♡♡ あれだけ|殺《や》ったのに 力がどんどん湧き出てくる……。 あはは……♡♡♡ もっと もっと骨のあるやつはいないのかなぁ♡♡♡ あはははは♡♡♡」
あっけらかんと言うウルグに ヘイルはポトポトと涙を流しながら近づいていく。
ヘイル:「明らかに様子がおかしい。この感じ そして【燐の血の匂い】……。血を取り込んだのか!!!? なんてことを……!!!」
ウルグ:「あはは……♡♡♡ もっと壊したい♡♡♡ この力でもっと多くのものを壊したい!!!あっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!
(ギュンっと顔をヘイルに向ける)ヘイルぅ♡♡♡ 今ここで 私に殺されて♡♡♡(流れるように完全獣化)」
ヘイル:「(涙を拭う)|不可視《インビジブル》の時は血の匂いを嗅いだだけだったが 恐らく凍矢を襲った際についた血を舐めたってことだよな……! すぐに助けねe……ッッ!!」
右から飛んでくる蹴りを不完全獣化させた右腕でガードする、咄嗟に完全獣化に切り替え 徒手格闘戦となる。蹴りや爪がぶつかりあった際に起きた衝撃波等で ランプや壁など 部屋がどんどん抉れていく。完全に目がいっており、闘うことしか考えられなくなっているウルグを傷つけたくないヘイルは次第に押されていった。
ヘイル:「どうにかして抑えこまねぇと〈|血液透析《ダイアライシス》〉が使えねぇ。《《あと1人》》 あと1人戦力がいれば……!!!」
ウルグ:「凍矢もヘイルも 抵抗しないから つまんないよ。この|昂《たかぶ》りを受け止めてくれる王子様はどこにいるのかなぁ♡♡♡ あははははははははははははははははははははははははははははは!!! 今すぐ殺してあげるからね♡♡♡♡♡」
ヘイル:「ッッッ! やめろ!目を覚ましてくれ!!」
その直後・・・・・・
ウルグ:「・・・がぁッッ!!! 離せぇ!!!」
ヘイル:「!!! だ、誰だ・・・?」
???:「(後ろから羽交い締めにしながら)ご主人様!!! 目を……覚まして……ください……!!」
ヘイル:「み、ミラ!!!? なんで …… 何で 人形であるはずのお前が ここに……!!?」
ミラ:「|私《わたくし》にも……わかりま……せん。ただ…… とても……悲しく……なって…… 気がつい……たら…… ここに……いたん……です……。ヘイル様が……戦力を……と……願われて……おりました…… それに……|応《こた》え……られて……いたら……|良《よ》いの……ですが……。ヘイル……さま…… |私《わたくし》が……《《消えない》》……《《うちに》》…… ご主人様を……お救い……ください……!!!(ウルグの抵抗により 全身傷だらけになり 魔力が霧状になって漏れ 所々ヒビ割れが見える)」
ヘイル:「消える……!!? そういう事か!
ああ!俺にまかせろ! 〈|血液透析《ダイアライシス》〉!!!」
ウルグ:「あは はは……。 あ、あれ? 私は一体何を……?
(ギュッと前後から 力強く抱きしめる)
へ、ヘイル!!!? それに ミラ!!!?」
ヘイル:「燐の血を身体に取り込んで おかしくなっちまってたんだよ。頼む…… もうこんなことはしないでくれ。その爪は 誰かを傷つけるのではなく トランサーから人間達を護るために使ってくれ……。
ウルグが誰かを傷つけているところは 見たくないッッッ……。 そして女の子が軽々しく【殺す】なんてワードを口にするな。約束してくれ……二度とこんなことはしないって…… 血を取り込むなんて自殺行為を 心まで化け物にならないでくれ……!!」
ミラ:「ご主人様……!! よかった、元に戻られて本当によかった……!!」
ウルグ:「ヘイル…… ミラ……。うん、ごめんね 何も相談しないで。もうこんなことはしない、約束する」
???:「お楽しみのところ失礼するわ。トランサーの血の気配がしたと思ったら《《アンタ》》だったのね」
声が聞こえ3人がバッと向くと ベッドに脚を組み頬杖をつきながら座る|悠那《ゆな》がいた。しかし 《《瞳には以前と同じ》》【《《*》》】《《のマークが浮かんでいた》》。
ヘイル:「!!!? いつの間にここに!! それに…… お前は 《《どっち》》だ」
悠那?:「どっちでもいいでしょ。まったく血を舐めとるなんて随分バカな真似をしたものね。
邪魔よ この|木偶《でく》が」
ベッドから立ち上がると ミラを真横から蹴り飛ばし ヘイルに足払いをかけ仰向けに倒れたところを踏みつけ ウルグの頭をガシッと掴む。壁に打ち付けられた際 そのままミラは消滅してしまった。
ミラ:「ご、ご主人様…… ヘイルさ……(右手を前に伸ばしながら消えていく)」
ウルグ ヘイル:「ミラーーー!!!」
ヘイル:「チェイン 貴様ァァァ!!! よくもミラを!!! おいっ この脚をどけろ!!! ウルグに触るなァァァ!!! ゴフッ!!(2、3回強く腹部を踏みつけられ 吐血している)」
チェイン:「耳障りな声を出すんじゃないわよ、この紛い物が。せっかくの靴が アンタの血で汚れるじゃない(脚をどけると 同じく脇腹を蹴り飛ばす)」
ヘイル:「がぁっ!!! (壁に打ちつけられ 動けずにいる)」
ウルグ:「ヘイル!!!」
チェイン:「・・・・・・|浄化《ピュリファイ》」
チェインが|浄化《ピュリファイ》を使った瞬間 ウルグの内面に残っていた・完全に洗い流せていなかった燐の血を完全に消し去られる。チェインは そのまま後方へ突き飛ばすようにして押しやり ウルグは 勢いのままに尻もちをついた。
チェイン:「フンッ アンタ達は《《私のオモチャ》》なんだから 勝手にくたばってんじゃないわよ」
ヘイル:「オモチャ……だと……!!? おいっ!!! (よろよろ立ち上がるまでに回復)チッ、消えやがった。完全に血の気配が消えているから もう大丈夫だ」
ウルグ:「あの感じ…… 悠那じゃなくてチェインだよね。それも敵だった頃の(ヘイルをソファに座らせ 服を着ながら話す)」
ヘイル:「だな。あの感じは間違いなく【燐を乗っ取り 洗脳し 苦しめてきたチェイン】だ。 ……だが 悠那に生まれ変わったはずなのに 何がどうなってんだよ」
ウルグ:「・・・あまり考えたくないんだけど。
チェインは生まれ変わってなんていなかった、|何《どこ》かのタイミングで第三者の身体を乗っ取っている
なんて可能性は無い? 今までの行動は全て 私達に改心したんだと信じ込ませる【演技】だった とか」
ヘイル:「そうなると【悠那】がどこから出てきたんだ という話になる。燐が嘘をついている様子はなかったからな」
ウルグ:「たぶん 【睦月 悠那】という存在は本当にいる。ただ その身体というか精神をチェインが乗っ取り 操っているんじゃないのかな」
ヘイル:「・・・1度燐の記憶を出生前まで遡り 全て調べてみる必要がある。チェインが本当に生まれ変わったのかどうかも含めてな」
ウルグ:「そう だね。でもまずは凍矢を助けるのが先、そろそろ寝ようか」
ヘイル:「・・・・・・だな」
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--- 凍矢side ---
???:「__とうや__ __とうや__」
身体が熱く鉛のように重い、動くのも息をすることすら辛い……。 誰かの声が聞こえる。
燐:「……ゃ、とうや! どうして目を覚ましてくれないの……? 死んじゃいやだよぉ……」
燐様の声が聞こえる……! でも 今にも消えてしまいそうな すごく辛そうな声……。あのあと どうなったんだ?
???:「心因性、精神的なもの……だろう。熱も かなり高い、点滴も入れているから自然に目を覚ますのを待つしか……。 ッッ! 燐!!」
???:「良かった 気がついたんだね、凍矢!!」
2人の人物の話し声が聞こえる。少しずつ目を開けるけど 景色がぼやけてよく見えず 何度も瞬きする。チラッと横を見ると 敬愛するご主人様と 白い服を着た見知らぬ男が見えている。燐様の目は赤く腫れている、泣き腫らしって言うんだっけ?
凍矢:「こ、ここは? りん……さま…… 目が赤い……よ、大丈……夫……?(布団から抜け出し 燐の顔に手を伸ばそうとする、しんどい身体で言葉を絞りだしている)」
燐:「まだ動いちゃダメ! 熱だって すごくあるのに。 ……私のことはいいから戻って、今は自分を大事にしてッッッ! これは……これは《《命令》》だ!!!」
人に命令なんてしたくない…… でも そうしないと 凍矢は無理にでも|燐《自分》のために動こうとする、苦渋の決断だった。命令という言葉が聞こえた瞬間 時が止まったかのようにピタッと動きが止まる、目から光が消え虚ろな目になると 操られるようにして 布団の中に戻っていった。
凍矢:「はい…… ご主人……様。 ご主人……様の…… ご命令の……ままに……。俺は…… ご主人……様の……」
燐:「しもべ でしょ? 私のことが大好きだってことは もう分かったから 大人しく寝てて!!! 命令だよ!!!」
凍矢:「はい…… ご主人……様」
完全に仰向けの姿勢になり 布団をかぶった瞬間、布団の中からビリビリっ!!と何かが破れる音が聞こえる。 蒼樹がバサッと布団を剥ぎ取ると 脚にも大量の蕾がついていた。体調が悪いからなのか日が昇っているのに咲いていない…… しかし開花したらどんな姿になるのか想像に難くない。2度も【命令】されたことにより怪人化がさらに進んだものと思われる。
???:「(状態が状態ってのもあるが《《命令という単語》》だけで 凍矢を操りやがった。|稜也《りょうや》から聞いてはいたが 燐の心血解放は恐ろしすぎる、しかも足に生えた大量の蕾……状況はさらに悪化してるのかよ!!! 凍矢は自分の相棒・|別人格《もう1人の自分》のはずだろ? どうして そうも簡単に操れるんだよ、何が燐をそんな風に変えちまったんだ……!! いや、今は凍矢を最優先にしないとな、医者として仕事をするか)(布団をかけ直す)
・・・燐の言う通りだ、病人は そうやって大人しく寝ていろ。トランサーといえど動けるコンディションじゃない!」
凍矢:「(目に光が戻る)あ、アンタは 誰だ? いや、あなた様はどなた ですか? ご主人様のお知り合いの方ですか?」
|蒼樹《そうき》:「・・・無理に敬語を使わなくていい。俺は|長月蒼樹《ながつき そうき》、精神科・心療内科医であり トランサー|迅雷《ライトニング》だ。今日は休診日だったんだが、凍矢が倒れた!! すごい熱がある!!って電話をもらってな、|迅雷《ライトニング》で飛んできたってわけさ。
本当に記憶喪失らしいな。恐らくは変異によるショックだろう、少しずつ取り戻していく・思い出すしかないだろうから焦るなよ」
凍矢:「そう……だったのか……。色々世話になっちまったな」
蒼樹:「全くだ、まさか そんな姿になっているとは思いもしなかった。41度近い高熱は |普通《人間》なら救急車を呼ぶレベル、そこから更に上がってしまうと命の危険だってある。こういう言い方は良くないがトランサーという不死身の身体だから耐えられているようなものだ。 しっかり熱が下がり 体力も回復して 栄養もバランス良く摂って 動いても問題ないと医師である俺が判断できるまで|相対的安静《ドクターストップ》だ、今後は午前診と午後診の前 計2回 往診に来るからな。薬も飲んでほしいが、高熱があっては食欲もないか……。何か少しでも食べられたらいいんだが……」
燐:「そうだ! ちょっと待ってて!!」
燐が寝室から出ていき 約5分後、湯気を立てている器をお盆にのせて戻ってきた。野菜がゴロゴロ入っているクリームスープだった。
燐:「スープなら飲めるかなと思って温めてきた、体調を崩した時には いつも《《凍矢》》が作ってくれていたスープ。 飲めそう……?」
スプーンでスープのみをすくって フーフーして冷ますと 口元に近付け 飲ませる。舌の上で転がしゴクッと飲み込む。
凍矢:「!!! あたたかくて おいしい……。 りんさま ありがとう」
蒼樹:「(小声で)燐様か……」
野菜も簡単に潰せるくらいに柔らかく煮てあるため 噛まなくても歯茎ですり潰せる、人参や玉ねぎ じゃがいもなどを食べられるだけ食べると 薬を飲み また静かに眠り出した。その日は午前だけだったが、次の日からは告知通り 1日2回 蒼樹が往診に訪れ 聴診したり血圧や体温を測る等 簡易的に診察を行う。
様子を見に来たウルグ達に事情を話し |拓花《ひろか》達の事をお願いすると 代わりとしてミラを置いていったので ハウスキーパーをお願いする(皿洗いや掃除など 一通りの家事をヘイルがプログラミングした)。余裕ができた燐は 身体の汗を拭いたり 固く搾った濡れタオルを置いてあげたり 起きた時にはご飯を食べさせたりと 献身的な看病を続けた結果、《《わずか3日》》でドクターストップを解除され 動き回れるようになるまで回復(薬代や診察代などは4日分まとめて 燐に請求)。速すぎる回復に蒼樹は トランサーだからと納得する反面【|心血解放による 燐の凶悪な一面《あっさりと凍矢を操ったこと》】に恐ろしさを感じていた。
その日の夜、ベッドサイドに腰掛けると 凍矢から話し始める。《《自分の決意》》を燐に伝え始め、燐は口を挟むことなく静かに聞いていた。
凍矢:「……やっと理解できたんだ。どうして燐様が ずっと怖がって泣いていたのか・どうして俺を頼って命令してくれなかったのか…… 燐様が怖がっていたのは 他でもない俺だったんだって。ウルグに怒鳴られて 自分に置き換えて考えることでやっと|理解し《わかっ》た。
頭をよぎった【謎の記憶】、あれは |怪人《この姿》になる前の【本当の俺】だった。あそこに映っていた燐様は すごく自然な笑顔をしていたし 俺の身体に花なんて咲いていなかった。あの凍矢が 絶対的な信頼を置いてる凍矢なんだって分かった。
俺、ヘイルの治療を受けて 元の凍矢に戻ることに決めた。ずっと怖がらせてしまってごめんなさい、燐様」
燐:「そっか、自分で決めたのなら尊重するよ。 ねぇ凍矢、1つお願いがあるんだけど……」
凍矢:「? お願い?」
燐:「ヘイルによる治療がいつになるかは分からないけど これからも私の相棒でいてくれる……? どんな姿になったとしても凍矢は凍矢。私の方こそ 腫れ物に触るようにして 露骨に怖がったりしないから……さ……」
何も言わずに 両手で凍矢の手を握る。
凍矢:「燐様……。 俺ももう|変異したて《あのとき》のように無理矢理 接したりはしない。また燐様を怖がらせて 涙を流させたくない。
俺は これからも 燐様と共にいるからね」
空いている手で包み込むように 燐の手を握り返す。その後 2人とも同じベッドに入ると 凍矢は静かに布団をかけ ポンッ ポンッと同じリズムで肩に触っている。看病のおかえしを と凍矢からの頼みだった。
燐:「私のことを【燐様】とか【ご主人様】とか言っていたけど、無理に様付けしなくていいからね。出来れば これまで通り【燐】って呼んで欲しいんだけど……」
凍矢:「無理なんてしてないよ。俺は燐様の事を愛してるの、愛おしくてたまらないんだ」
燐:「本当にそう思ってる?」
凍矢:「えっ(ピタッと腕が止まる)」
燐:「どうせそれも 洗脳による偽りの気持ちなんでしょ」
凍矢:「そ、それは…… (どうしよう……どう答えたら燐様は満足してくれるの? 燐様を愛してるって気持ちは本当なのに……。どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう……)」
何度も瞬きし ハッハッと呼吸が早くなり最適解を模索し震えている凍矢の頭を 燐は静かに撫でる。
凍矢:「ご、ご主人様?」
燐:「ごめん、突っぱねるようなことを言っちゃって……。本当は 凍矢も誰かに甘えたいはずなのに 生まれてからずっと重荷を背負わせちゃった。
凍矢、さっきの言葉は取り消す。燐様でもご主人様でも呼び捨てでも…… 凍矢の呼びたいように呼んでいいからね」
凍矢:「燐様……」
(静かに横になる)
燐:「ねぇ凍矢……。その…… もし 嫌じゃなかったら…… おでこにおやすみのキスとか……。いやいや、ごめん! 変なことを言って!! 凍矢、そういったの大嫌いだし!!」
凍矢:「フフッ 燐様が望むのなら もちろんいいよ」
__チュッ__ 目を閉じ 小さい音を立て おでこにキスをする。
凍矢:「おやすみなさい、燐様。いいゆめをみてね」
燐:「ありがとう。おやすみ、凍矢。 凍矢も いいゆめをみてね」
互いにおやすみの挨拶をすると静かに目を閉じ穏やかな笑みを浮かべて 眠りにつく、これまで燐がベッドで寝て (拓花と 一緒に寝ることはあっても)凍矢は1人ソファに寝転がるだけだったが 初めて燐と一緒に眠ったのだった。