公開中
主よ
主に問う。
私をこの世に堕とした理由はあったのですか。
神経質な、それでいて繊細なこの体と精神をどのような理由で創ったのですか。
我々の不毛な争いと、醜い同族嫌悪をどのような気持ちで眺めているのですか。
此処に楽園も地獄もありません。あるのはただの束縛された自由です。
こんなはずでは無かったと、後悔を抱えながら死に逝く人々。
我々は絶望を覚えるために生きていくのでしょうか。
覚えた先にあるのは、一体何なのでしょうか。
多くの人々は覚えている途中で死んでいきます。
過去にも未来にも押しつぶされて、社会の重圧に耐えきれないのです。
我々が作り上げた物は、我々を苦しめる物になっていました。
先人の知恵は、移民を傷つける兵器になってしまいました。
結局、人類を滅ぼすのは人類なのでしょうか。
築き上げた歴史が仇となって、我々に牙を向けるのでしょうか。
ああ、ああ。全て無意味でしかないのですか。
明日への薄い希望と、それを貫く鋭い恐怖。
未来への激しい絶望と、過去への縋るような後悔。
自己保身のために生まれる優しさも、エゴと傲慢によって生まれた厳しさも。
全ては、脳の錯覚に過ぎないのですか。
生き抜くために見せた、自分への催眠なのですか。
お答え下さい。
答えが、意味が、理由が無いと。
我々の、私の存在する言い訳が作れないではありませんか。
ああ。私は最初から知っていたのかもしれません。
私が欲しかったのは理由じゃない。
生きることを諦めさせる言葉だった。