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亡霊都市 第2話 クラスメイトを救え!
クーくん
第2話だよ!第1話読んでないなら第1話読んでから読んでね!
キャラクタープロフィール
秋本 幽里 (あきもと ゆうり) 女子 この話の主人公
17歳の高校2年生 零譚高校(れいたんこうこう)に通っている
身長162.3cm 体重50.2kg
1人称は私 小学4年生の弟がいる
松風 怪羅 (まつかぜ かいら) 男子 幽里のクラスに転校してきた青年、怪辞典を使い怪異を操る
17歳の高校2年生
身長172.5cm 体重60.3kg
1人称は俺
花園 奏 (はなぞの かなで) 女子 幽里のクラスメイトで親友、なぜか怪羅には嫌われる
16歳の高校2年生
身長156.6cm 体重45.3kg
1人称は私
あらすじ
下校中に幽里は都市伝説の幽霊『ひきこさん』に襲われたが、転校生の怪羅に助けてもらった。
怪羅は怪異を操る手帳を持っていたのだ。
しかし、話を聞いている間に奏が学校で怪異に襲われた。
怪羅と一緒に幽里は奏を助けることが出来るのか!
奏からの電話を受けて急いで学校に着いた私たち。
「ハァハァ・・・つ、着いた・・・」
「何言ってる、花園をまだ助けてないだろ」
「わかってるって!ほら!速くいこ!」
「だけどどうやって学校に入るんだ?門、閉まってるぞ」
松風さんの言うとおり門は閉まっている、だけど私にはあてがあった。
「それなら問題ないよ!ちょうどこの時間帯なら・・・あ、いたいた!おじさーん!」
そういいながら、私は門の近くにいた公務員のおじさんを呼ぶ。
「うん?ああ秋本くんか、どうしたんだい?また忘れ物かい?」
「うん、まあそんなとこ。だからここ開けてくれない?」
「しょうがないなぁ・・・うん?そこの君は?」
おじさんが松風さんに気づいた。
「ああ、俺は彼女の付き添いです、彼女の忘れ物を探すのを手伝うために連れてこられました」
(つ、連れてこられたって・・・いやいやそんなこと気にしてる暇じゃない)
「そうかい、わかった。今門を開けるから出来るだけ速く探して戻ってきてくれよ」
そういいながらおじさんは門を開けてくれる。
「はーい!いつもありがとうおじさん!」
私はお礼をしながら急いで松風さんと一緒に走って門を通る。
「お前、いつも忘れ物したら公務員さんに開けてもらってるのか?と言うか【この時間帯なら・・・】って」
「うん、まあ、たまにね・・・」
(どうしよう・・・毎日のように頼んでるなんて言えない・・・)
「そんなことより!速く奏を助けに行かないと!」
「それなんだが・・・おまえ奏がどこにいるのか知ってるのか?」
「あっ!・・・どうしよう・・・わかんない・・・」
私は立ち止まり松風さんに言った。
(どうしよう・・・奏は多分電話に出れないし学校を探し回ってても手遅れになるかもしれない・・・)
「しょうがない・・・あんまり使いたくなかったが使うしかないな」
松風さんはそういいながら怪辞典を取り出しページを捲る。
「あった、『ろくろ首』『ターボババア』花園さんを探してくれ、金髪ボブの女の子だ」
松風さんが名前を呼ぶと着物の女性と普通のお婆さんが出てきた。
(この人たちが怪異?)そう思いながら首を傾げる。
しかし、次の瞬間私はこの人たちも怪異だとすぐに理解した。
着物の女性は首が伸びて窓から学校をのぞきはじめ、お婆さんは目にも留まらぬ速さで廊下を猛ダッシュしている。
そして10分程で2人とも奏を見つけ出した。
私たちも急いで奏のとこへ行くと、そこには・・・
「奏?!」
奏が倒れていた。私は急いで近づこうとしたが、
テケテケテケテケテケ・・・
「えっ?!なにこの音?!」
「ちっ、来やがったか・・・走るぞ!」
松風さんはあの音が何かわかってるようで焦ったように言う。
「け、けど、奏が・・・」
「そいつなら多分大丈夫だ!急がないとおまえも危ないぞ!」
松風さんはそういいながら私の腕をつかみ走り出す。
テケテケテケテケテケ・・・
さっきの音が後ろから聞こえてくる。
(な、何の音なの・・・)私は気になり後ろを振り向く、そこには・・・
「ひっ!」
顔は真っ赤で口はつり上がりニッコリと笑っている、
真っ赤に塗れた白いワンピースの女が下半身を引きずりながら追いかけてきていた・・・
いや、その女には下半身がなく、下半身に見えていたのは血の跡だった。
さっきから聞こえているテケテケテケテケテケ・・・という音は女が動くときに鳴らす音のようで。
手には大きな鎌を握りながら器用に追いかけてくる、意外に早かった。
(ってそんなことより!)
「松風さん!あれ何?!」
私は慌てて前を向くと松風さんに聞いた。
「あれは『テケテケ』、元は北海道発祥の都市伝説で、ある女性が踏み切りで電車に引かれたときに下半身と離ればなれになった、しかし、あまりに寒かったため断面がすぐに凍りつき、しばらく生きていて、そのまま動き出し、そのまま見つからなかった下半身を探している・・・という都市伝説だ。
人間を見つけたら追いかけてその大きな鎌で下半身を切り落とし自分の足として手に入れる、
本来ならそこで成仏して終わるはず、だった・・・しかし、その『テケテケ』に襲われた人が次の『テケテケ』になりまた襲う、そんな都市伝説が、どんどん日本に広がっていき、日本全土で目撃談の絶えない、都市伝説になったんだ」
「なるほど、だから東京まで来てるのね、けどなんでそんな大移動したの?襲われるのは1人のはずでしょ?そんなワープじみた事になるわけないじゃん」
「ああ、都市伝説は人の噂によって生まれたものだ、その背景に実際の出来事があったとしても、都市伝説はあくまで噂であり、都市伝説でできた怪異も噂は絶対なんだ。だから、都市伝説は噂どおりの見た目や行動になる、そしてその噂に何らかの脚色が付けられると、本体もその噂どおりになる、まあ、噂どうしで矛盾したら有名な方が優先されるがな、そして、噂が広がっている範囲だけ都市伝説は移動できる、噂は人づてにしか広げられない、だが、噂が広がっている範囲ならすぐにどこにでも、どこからでも移動できるんだよ、だから、テケテケも短時間で目撃談が溢れかえるのもそのせいだな。あっ、秋風、そこ曲がるぞ!」
「えっ?どうして?こっち旧校舎だよ?」
この学校の旧校舎はちょっとボロい木でできた2階建ての建物で、新校舎と渡り廊下で繋がっている。
基本的に入る用事がないけどたまにこっちの旧理科室や旧音楽室でやる授業があるので普通に入れる。
奥には旧図書室があって古くて面白い本があるのでたまに奏も来ているらしい。
「いいから速く!」
私は半分引きずられるように旧校舎に入る。『テケテケ』も私たちを追いかけて旧校舎に入ってきた。
私が松風さんを追いかけて走っていると。
「ここなら多分新校舎になかった『あれ』が・・・」
松風さんがそう言った、(『あれ』?『あれ』って何だろう・・・)
「松風さんどこに・・・「伏せろ!」え?キャッ!」
松風さんの声に驚いてしゃがむと後ろから『テケテケ』が飛びかかってきていた。
だけどよけられたせいで着地に失敗して床にぶつかったようだ。
「危なかったな、一旦上に逃げるぞ」
「うん!」
私と松風さんは急いで近くにある階段で2階に逃げる。
「お、今日は運がいいな、『あそこ』が目的地だ」
そう言って松風さんはある教室を指差す、私もその方向を向くと、そこにあったのは。
「『あそこ』が目的地?なんで・・・あ!なるほど!」
「どうやらわかったようだな、急いで倒す準備するぞ!」
「うん!」
そして私たちは急いで『テケテケ』を倒す準備を始めた。
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ギィギィギィギィ
階段が軋む音がする・・・
どうやら『テケテケ』が2階に上がってきたようだ。
暗い中松風さんと確認をして私は大きく息を吸い廊下へ飛び出す。
「おい!『テケテケ』!私はここだよ!足が欲しいならさっさときな!」
そう言うと私は急いで教室に飛び込む。
「ギャァァァー!」『テケテケ』は猛スピードで廊下を走ってくる。
そして暗い教室に入り人影を見つけ切ろうとして・・・
スパッ!
『人体模型』に切りかかる。
そして『人体模型』の足を手にいれ『テケテケ』はおとなしくなった。
それを確認して隠れていた私たちは出てきて電気を付ける。
松風さんの言っていた目的地は『旧理科室』だった。
「間に合ってよかった、それよりお前が囮になるって言ったときは焦ったぞ。」
「足の速さには自信あったし、松風さんは巻き込んじゃったような物だったからね」
「そうか・・・とりあえず『テケテケ』は鎮静できたから、花園さんのとこに戻るぞ」
松風さんは『テケテケ』から出てきた鎌の破片を怪辞典に挟み、振り返った。
「うん!」
奏は傷1つ無く無事だったのでとりあえず保健室に運ぶ。
「う、うーん・・・あれ?幽里?帰ったはずじゃ?」
「え?あ、忘れ物しちゃって、そしたら奏が倒れてるのを見つけて急いで保健室に運んだの」
どうやら奏は『テケテケ』のことを忘れているようだ。私は怖がらせないように嘘を付く。
「そうだったんだ、あれ?彼は・・・」
「ああ、俺は秋本さんに忘れ物探しの手伝いにきたんだ」
「そうだったんだね、ところで私なんで倒れてたんだろう?」
ギクッ
「さあ?貧血とかじゃない?あ、そろそろ帰らないと。奏が無事で良かったよ、
あ、奏のことは先生が家に連絡して迎えにくるって」
私ははぐらかしてから保健室をでる。
「そうなのかなぁ?まあいっか幽里ちゃん松風さん!また明日!」
「うん!また明日ね!」
「ああ、またな」
私たちは保健室をでる。
「・・・幽里ちゃんの嘘つき」ボソッ
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「じゃあ松風さん、今日は色々巻き込んじゃってごめんね」
「大丈夫だ、この怪辞典のページも少し埋まったからな」
「じゃあまた明日!」
「・・・ああ、またな」
そして私の危険で恐ろしい1日が終わった。
しかし・・・それはもっと恐ろしい出来事の前触れだとは私たちはまだしらなかった。
奏ちゃんの見た目を一切書いて無かったため書いたり、セリフを一部変えました!
今回出てきた怪異の説明!
ターボ婆・・・道路をものすごい速さで走る老婆、スピードは秒速100mほどだとも言われる
ろくろ首・・・日本に古くから伝わる妖怪で首を伸ばしたり首を飛ばしたりして人を驚かす
テケテケ・・・下半身の無い人の姿で人間を見つけると足を狙って襲ってくる、詳しくは本編推奨