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水臼宮人狼ォォ -2-
私はミステリー小説読み過ぎて頭が進化したのかな?クローズドサークルにしたくなっちゃう〜。
窓も無いような暗い密室で…(🤫)
「妖狐ってどんな見た目なの?」
「狐…かな?化け狐って言われてて、人に化けることがあるんだよ」
浮巳が夜琳の顔をちらりと覗く。
もしかしたら友達に化けることができるかもしれない。
浮巳が警戒しているのに対し、夜琳は不思議そうに浮巳の顔を見返した。
浮巳は思った。
見る限りは知った顔だ。
もしこの中にいるとすれば、妖狐はその人のことを知らないかもしれない。
そう考えると、いつもと違うような行動をしていたら、怪しい。
思い返す。
夜琳、今日は何だか様子がおかしい。
妖特有の力、妖力を持っている。
いや、それはいつもか。
だが、妖狐の気配を感じとっていた。
それはいつものことなのだろうか?
あー、なんかキリが無い感じがして、推理に満たない推理を辞めた。
_
夜琳はふとテーブルを見渡す。
縷碕の視線が強い。
ここには神格の者が多く集まっていて、気配を感じにくい。
横から浮巳の強い視線が…。
前からも横からも強い視線を感じて、頭がバグりそうだ。
まあ、とにかく、今の所怪しい者はいない。
皆いつものような素振りで推理している。
カードゲームの人狼ゲームとは推理は要らないような気がするけど。
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相変わらず縷埼は夜琳の方を眺める。
…何を考えてるのかな。
いつも、縷埼にとって夜琳は無感情に見える。
縷埼はどちらかというと純粋で裏表がない性格。
掴みどころがないように見える夜琳は、縷埼にとって憧れだった。
思考を戻そうっと。
えーと、この中に本当に人狼ゲームでいう『人狼』がいる…。
それ、信じていいのかな?
ただ単に妖蓏の父の悪戯かもしれないし。
うーん…こういう奴、ホラーやミステリーでは一番最初に死ぬんだよね。
やだやだやだやだ。
死亡フラグは嫌だ、死亡フラグは嫌だ。
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「ねぇ、雨降ってきたよ。」
まあ、それくらいで帰れないことはないだろう。
まだ少し遠くの方で、雷鳴が聞こえる。
「雷神くん、怒った?」
中空に向かって問いながら、妖蓏は窓から空を見上げる。
妖蓏が言う雷神くんとは、以前空に一ヶ月の旅行をしに行った雷使いの神だろう。
えっ?もしかして最初からこうしようと…。
と、誰もが思っただろう。
「じゃ、雨が酷くならないうちに帰りな」
妖蓏は皆を帰そうとする。
が、しかし。
ドンッッ!!!!
という轟音と共にこの建物がみしみしと揺れ、軋んだ音が鳴る。
「やば〜〜ッ!!みんな逃げて!」
妖蓏が妖たちを急かして逃げる。
これは地震だ。
そして…
『人狼ゲーム、開始。』
性別の見分けも付かないような、特徴のない声のアナウンスが流れた。
水臼宮は何とか耐えたが、他の住宅など電柱などは酷く傾いたり、完全に倒れてしまっていたり。
浮巳や夜琳には分からないが、この地震、相当な規模だったらしい。
この町の境界線にある高速道路とやらが崩れて、工事が行われていたり、人身被害が無いか調べたりしているとのことだ。
普通こんなことが起こるかという偶然達。
そして、何とか地震に耐えた水臼宮に、皆泊まることになってしまった。
ワタシ、ホラーショウセツアンマリヨンダコトガアリマセン。