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君に、恋する。(6)
私、菜乃葉。
「杉本 蓮」くんに恋をした小5女子。
この前、杏ちゃんが杉本くんに告白して、振られたことがウワサされちゃったんだけど…
2日くらい経ったら、もうほとんどウワサされなくなって。
3日後には、そのウワサはすっかり無くなっていたんだ。
杏ちゃんも私も、ほっと安心した。
良かった!
そして今日は、日曜日。
今日は私たち家族全員、朝からソワソワしてる。
なぜかというと…
今日、実は猫を買いに行くの!
犬はもともと飼ってたんだけど…少し前、猫も飼いたいなという話題が出てきて、私たちは家族全員賛成で。
少しずつ猫グッズとか餌とか買ったり、調べたりして、準備してきてたんだ!
杏ちゃんのことがあって忘れかけてたけどね…
そして、時間になった。
「家出るわよー。準備してー」
ママが言う。
「はーい」
『バタン。』
車に乗り込む。
「楽しみ」
私は小さく呟き、着くのを待った。
少し経つと、ペットショップが見えてきた。
うちのワンちゃんを買ったところだ。
「着いた!」
ペットショップに入る。
「どの子も可愛い…!」
すると。
「あっ…!」
「どうしたの?」
ママに聞かれ、とっさに答える。
「こっ、この子の誕生日、私の誕生日と同じ…!」
「えっ?わっ、ほんとね!この子にする?」
「うん…!」
結局飼うことにしたのは、茶トラの子。
種類はペットショップにあまりいない雑種。
茶色で頭にハチワレが入っており、とても可愛い!
家に帰って、名前も付けた。
それは、茶色い毛色から、「チャイ」。
単純だけど、うちのワンちゃんも色から名前つけたからね。
そして、月曜日。
私は、あることを思い出した。
「そういえば杉本くん、ルンが脱走したとき、猫飼ってるって言ってたような…?」
そして火曜日。
私は、杉本くんに、猫を飼ったことを伝えることにした。
話の話題にもぴったりだしね。
写真も、こっそり持ってきた。
今はちょうど昼休みということもあって、私は杉本くんに駆け寄った。
「杉本く…」
___えっ?
スッ…
無視された。
なんで…?
私はそれから、色々考えた。
もしかして、猫を飼ったこと、真似だと思ったの?
いや、でも、まだ話してないから、知らないはずだし…
それとも、聞こえなかった?
いや、あの距離だと、さすがに聞こえるよね…
なんで、急に無視されるのかな…
とりあえず、明日また話してみようかな…
でも…どうしよう。
話せるかな?
無視されないかな?
話すタイミングあるかな?
心配になる。
とりあえず、無理に話そうとせずに、しばらく距離を置いておいた方がいいのかな。
考えながらもなんとか5・6時間目の授業を受け、私は結論が出せないまま、下校した。