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Day.1-6
久しぶり〜暫くドタバタしそうな天泣だよ〜
注意書きとかは同シリーズの「前書き」見てね。
太宰「それで、これからどうしましょうか」
ふと、太宰が呟く。
確かにワンダーランドには危険がない。
だが、ずっとここにいるわけにもいかなかった。
ワンダーランドには《《何もない》》。
それはこの場にいる四人が餓死する可能性があるということだ。
ルイス「現実へ戻る」
桜月「えっ!?」
ルイス「とりあえず生存者を探して、情報の共有をする必要があるかな」
太宰「もちろん私も行きますからね?」
ルイス「……君は、そういう人だった」
はぁ、とルイスはため息をつく。
ルイス「二人は此処で待っていてくれるかな」
鏡花「判った。此処に来た人に、ちゃんと説明する」
ルイス「ありがとう」
桜月への説明は、鏡花に頼むことにしたルイス。
鏡花へ礼を伝えると、ワンダーランドにたった一つだけある“鏡”へと向かう。
太宰「この鏡を抜けたら戻れるんですか?」
ルイス「その筈だよ。でも━━」
どうしようかな。
そう、小さくルイスは呟く。
近づいた途端、何故か鏡として機能しなくなった。
反射していた面は黒く染まり、ただの壁のようになっている。
ルイスが黒に触れると、水面のように波紋が広がった。
そして、何処かの景色が映される。
太宰「これは……」
ルイス「行くよ」
ルイスが鏡へと入っていく。
戸惑いながらも、太宰はついていくことにした。
鏡を抜けると、そこは鏡の先に広がっていた場所だった。
血で染められた階段の踊り場。
実際に死体が落ちていたりはしないものの、鉄のような匂いはする。
とりあえず、とルイスは鏡を確認する。
自身達の姿を映しており、触れても通り抜けることはできない。
ルイス「行くよ」
太宰「何処へ?」
ルイス「音のする方」
太宰「いや、獣じゃないんだから……」
その瞬間、近くで窓ガラスの割れる音が聞こえた。
何度も音が反響しているものの、大体の出どころは予想がつく。
太宰「……!?」
ルイス「は?」
すぐさま階段を降りた二人は、その様子を見て驚いた。
?「おや、生存者がいたんですねぇ、福沢学園長」
福沢「そこまで意外か、森先生。この二名なら残っていてもおかしくはない」
森「太宰君は判るのですが、ルイス君も喧嘩に強いのですか?」
福沢「……貴君は知らなかったか」
森「どういうことでしょうか?」
学園長である“福沢諭吉”。
そして、副学園長である“森鴎外”。
二人の足元では、桜月や鏡花を襲った怪物が金髪の少女によって取り押さえられていた。
ルイス「福沢さ……学園長」
福沢「怪我などはないか、ルイス」
ルイス「え? あ、その……大丈夫です……」
福沢「ならば良い」
太宰「ちょっと森さん!」
森「君も怪我していないね」
太宰「僕が自殺を失敗した時以外で怪我するわけがないでしょ……じゃなくて! あの壁は何なの!?」
森「残念ながら私も判っていないのだよ。ただ、今の学園に安全な場所はない」
森の言葉に、太宰は少しばかり瞠目した。
しかし、すぐに否定した。
太宰「安全な場所ならある」
森「……どういうことだい?」
ルイス「説明は後程します」
--- 「“|不思議の国のアリス《Alice in wonderland》”」 ---
太宰「……森さん達だけ送れるんですね」
ルイス「さっきの場合は、誰か残しても良いことはなかったから」
それじゃあ行こうか。
ルイスは太宰と、怪物だらけの校内で生存者探しを始めるのだった。
🐰ワンダーランド
ルイスの異能で創られた空間。出るには鏡を通るしかない。ルイスが異能力を発動しなければ入ることはできない。(送る人物はルイスが選択可能。)
🐰ワンダーランドの鏡
人が近づくと鏡部分が黒へと変化する。触れると波紋が広がり、触れた者が思い浮かべた鏡へと繋がる。
🐰福沢諭吉
国立迷兎学園の学園長。過去に剣道を習っており、その腕前は国外にも通用するほど。(何故か学園長室には刀があり、それを使って怪物を倒していた。)
🐰森鴎外
国立迷兎学園の副学園長。過去に軍医をしていた経歴があり、たまに養護教諭の代わりに保健室にいる。(相変わらずの幼女趣味だが、中高一貫校だから手を出すことはない…と思う。)
🐰金髪の少女
森鴎外が好きそうな幼女。(まぁ、勘のいい人は気がつくと思います。“あの子”です、はい。)