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天使と悪魔 #2
入学式当日になりました。
私は天使の中で主席合格でしたので生徒代表の挨拶をします。もちろん、悪魔側にも主席合格者がいるのでそちらの方と一緒に挨拶をするのですが、憂鬱です。
「新入生代表の挨拶。天使代表、**リリエル・ミカエル**」
「はい」
「悪魔代表、**ジャック・ルシファー**」
「はい」
私は右から、相手は左から。真ん中まで丁度同じ時にたどりつくように歩いていく。真ん中で一旦立ち止まり、相手同士一礼、後ろを向いて自分の種族に一礼、相手の種族に一礼。(マジで最悪。もう、この時点で無理)最後に校長に向かって一礼し、壇上に上がる。もちろん二人で、一緒に。うえ。
校長先生は神様。今の校長は確か|**思金神**《おもいかね》とかいう名前だった気がする。日本という国の日本神話に登場する神様で、知恵の神として知られているらしい。
「暖かな春の光に誘われて桜のつぼみも膨らみ始めた今日の良き日、私たち新入生は無事にビックバン学園の入学式を迎えることが出来ました」
「本日は、素晴らしい式を行っていただき誠ににありがとうございます」
「先日私たちはそれぞれの小等学校を卒業しました」
「ビックバン学園は中等部、高等部の六年間ということできっとあっという間に過ぎてくことと思います」
「不安もありますが、どんな毎日が待っているのだろうと期待もあります」
「種族に関係なく、同じ学年同士、助け合いながら一日一日悔いのないよう勉学に励んだり、部活動も頑張りたいと思っています」
「先生方、上級生の皆様方、私たちの事を温かく時に厳しく、ご指導くださいますようにお願い申し上げます」
「四三二一年四月一日」
「天使代表リリエル・ミカエル」
「悪魔代表ジャック・ルシファー」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
逆再生するように(向きは正常。動作だけ逆再生)壇上から下がり校長に一礼、相手の種族に一礼、自分の種族に一礼、相手に一礼、私は右に相手は左に歩いていく。
一言で感想を表すと……疲れた。
このシリーズでは日本と同じ季節、春夏秋冬をイメージしています。