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かぞくゲーム 〜西園寺一家の十五人〜
白菊りりか
初投稿です。お初にお目にかかります。中2女子の白菊りりかと申します。小説を投稿するのは初めてなので誤字や脱字もあると考えていますが、楽しんで頂ければ幸いです。
**序章**
大丈夫。君は心配しなくて良い。全部一人でやるから。必ず君の為に成功させる。約束するよ。爽やかな春の朝、山奥の別荘の装飾をする。窓から、風が入り込む。【今日は良い日になりそうだ。】なんの根拠もないが、そう確信した。愉快な表情で螺旋階段を登り、屋上手前の部屋で立ち止まり、さっきの表情とは一変してどこか、切ないような複雑な顔を見せ、深呼吸をして扉を開けた。
「ちゃんとやるからね。」
そう言い、壁に横断幕を掛けた。
結婚おめでとう。
一章
「なあ、浩斗さん、本当に私が行って良いよね?」「ああ、桃音ちゃん気楽にして良いよ。気にすることない。」花田桃音27歳は不安そうに結婚相手である西園寺浩斗28歳に話しかけた。対する浩斗は、優しい笑顔を桃音に向ける。一週間前二人の元に1通の招待状が届いた。それは、浩斗の実家からの物だった。内容は、3月3日の正午に西園寺家で食事をすることの誘いだった。桃音は、自分の身分から考えて、名家である西園寺家で食事をすることに対して強い不安を感じていた。二人が出会ったのは婚活パーティー。当初は身分の違いもあって反対もされたけれど、押し切り一ヶ月後に結婚式を控えている。浩斗は桃音が西園寺家に馴染めるか不安もあるが、自分が仲介して必ず守ると意気込んでいる。「桃音ちゃん、行くよ。そろそろ弓弦さんの使用人が来るよ。」「おけ。」二人は、マンションの階段を降りて、エントランス前で待つ浩斗の叔父である弓弦の使用人と対面する。「浩斗様、桃音様、お初にお目にかかります。使用人の一条と申します。」一条は二人に向かい深々と礼をする。その後、二人を高級車に乗せて、西園寺家へ向かう。少し経ち、浩斗は、「あの、こちらの道よりか、さっきの角を左に曲がった方が近道ですよ。」と言った。「いえ。こちらからと弓弦様から言われております。」と堂々と一条は答える。「そうですか。すいません。」浩斗は少し疑問に思ったが、「浩斗さん、髪型変えたけどどうかな?今日内巻きにしてみたけど似合ってる?」と桃音の声を聞くとその疑問は忘れてしまった。「うん。似合ってるよ。前のも良かったけど、内巻きも可愛い。」「本当に?嬉しい。」桃音は素直に喜ぶ。高級車という少し重苦しい雰囲気もあるが浩斗と何気ない会話をするのが楽しくて仕方がない。20分ほどして西園寺家に到着した。「「ごめんください。」」二人は玄関の前で声を揃える。「おー二人ともいらっしゃい。よう、来てくれた。」玄関の扉が開き、浩斗の父親である西園寺義浩が出迎えてくれた。桃音は、戸惑いながらも「こんにちは。本日はお誘いありがとうございます。」と頭を下げる。上手く言えた。胸を撫で下ろす。それにしてもこの屋敷は大きいな。立派な日本庭園もある。「浩斗さんは、この屋敷にかつて住んでたの?」小声で聞く。「一応な。ま、見た目だけ。中身はどうだったのかな。」浩斗は意味不明な発言をする。「え?どういう意味?」桃音は、驚いた。「あ、特に深い意味ない。忘れて。」浩斗は必死に誤魔化す。「あ、そうなんだ。」桃音は、少し気になったが、なかったことにした。この、日本人形はなんだろう?廊下を少し進むと廊下の両脇に日本人形が数体並べられていた。「この日本人形は何?」「これは、僕の叔父さんの弓弦さんが昔作ったやつだよ。詳しくは知らないけど。」「弓弦さん、日本人形作っていたんだ。意外。」弓弦さんは凄い人なのだろうか。ま、当然のことだろう。なにしろここは名家だもんな。「実は、僕は、あまり弓弦さんのことを知らないんだ。昔から家を留守にすることが多くて、家にいてもほとんど自室に閉じこもっているから。」浩斗が複雑な表情で説明した。「そうなんだ。仲良くなれるかな。」桃音は、無邪気な笑顔を見せる。それを見て浩斗は心が軽くなった。二人は、その後居間に向かった。そこには既に13人の親族が集まっていた。「君が桃音ちゃんだね。可愛い子だね。浩斗、泣かせたら許さないからね。」浩斗の兄である西園寺義雄が陽気に言った。面白そうな人だ。これなら、打ち解けられそう。「では、浩斗と桃音ちゃんの結婚を祝って乾杯!」と浩斗の父に当たる西園寺義浩が乾杯の音頭を取る。「桃音ちゃん、こんな息子だけど、よろしく頼むよ。何か、あったらいつでも連絡してね。」優しそうなこの女性は、浩斗の母親である西園寺絢子。「はい。こちらこそよろしくお願いいたします。」親族は全員で13人。私と浩斗を含めて15人。大人数だ。桃音は、弓弦に話しかけようと思った。けれど、弓弦は、誰とも話さず淡々と食事をしているので気まずく感じて話しかけられなかった。「あなたたちと食事をするとうるさくて不味くなるわ。だから、あなた達との食事は本当に嫌なのよね。」騒がしい男衆に冷たく言い放ったなは浩斗の祖母に当たる西園寺奈津子だ。「うるせえな、婆ちゃんは」浩斗のいとこに当たる西園寺悠真は、言葉遣いが荒い。この一家は仲が悪いのか?だとしたら面倒だな。「お黙りなさい。悠真、あなた年上に対する礼儀がないのね。」「だから、ババアとは、口聞きたくないんだよ。だるいだるい。」悠真は、23歳だ。この年にして反抗期か、名家と言い、裏事情がありそうだ。奈津子と悠真は、その後一切口を聞かなかった。宴会の序盤は男衆を中心に盛り上がっていたけれど二人の言い合いをきっかけに全員黙って黙々と食事をした。隣を横目で見ると浩斗さんも不機嫌そうな顔をしている。理由を聞こうとしても聞き出せる雰囲気ではない。そういえば、さっきから眠いな。少し食べ過ぎたのかもしれない。まるで子供みたいでだらしない。
「おい、何で俺らは別荘にいるんだよ。さっきまで本家で宴会をしていたのに。誰か知ってるか?」男の騒がしい声が聞こえ、目を開いた。うん?ここはどこだ?私は、西園寺家で食事をしていたはずだ。寝ていたのか。浩斗さんはどこだ。部屋の中を見渡すと浩斗がさっきの大声の男と何やら話している。「浩斗さん、これは、どうゆうこと?ここはどこかわかる?」桃音は、高ぶる気持ちを抑えてなるべく冷静に聞いた。「桃音ちゃん、僕もわからないんだよ。知っているのはここが西園寺一家の別荘ということ。」別荘?流石、名家西園寺家だ。なんて、感心してる場合ではない。「ちくしょー、金目当ての誘拐とかか?ふざけるな。」さっきの男、浩斗の祖父に当たる西園寺悠之介は叫ぶ。誘拐だって、怖すぎるだろ。桃音は、恐怖のあまり、体が震えた。すると、今度は浩斗の姉の西園寺美奈が、困惑した様子で、「私のスマホがないんだけど。宴会の時は、「スカートのポケットに入れていたのに。」他の者も次々とポケットの中を漁る。「あら、私もない。落としたのかな?」絢子もスマホを紛失したようだ。桃音も念の為と思いポケットの中を漁る。あれ?ない。「私のもありません。」「僕のも。」「俺のも。」次々とスマホ紛失者が続出する。「つまり、俺らが食べた食事に催眠薬を入れられたわけだ。それも、俺らの中の誰かとしか考えられない。」義雄が探偵気取りに推理を始めた。「何だ?お前探偵のつもりか。案外お前が犯人じゃね?」悠真がからかう。「は?俺じゃない。実は、そういう悠真だったりしてな。」義雄は、悠真の挑発に乗ってしまった。「喧嘩は、一旦辞めましょう。まずは、落ち着きましょう。」桃音は、必死に二人の喧嘩を仲裁する。けれど、桃音自身もかなり興奮している状態だ。「桃音ちゃん、もしかして犯人は君か?」義雄は、怯えたふりをして衝撃なことを言った。「違います。私はそんなことしていません。信じてください。」桃音は否定する。しかし、西園寺一家全員の目が桃音に向く。「桃音ちゃんは、そんなことしない。僕は、今日ずっと桃音ちゃんといた。僕が証人だ。」浩斗は、真っ直ぐな目線で桃音を見つめる。浩斗さん、、「ふん。証人か。熱いね熱いね。」義雄は、これ以上は何も言えないようだ。ひとまず犯人候補から除外されたので桃音は少し安心した。「お兄ちゃん、、」浩斗に近寄ったて今にも泣き出しそうな顔をしているのは浩斗の弟、四兄弟の中の末っ子である西園寺頼仁。頼仁は、18歳だ。こんなことがあって泣き出しそうになるのもわからなくもない。「頼仁、心配するな。」浩斗は、頼仁にそう言い聞かせる。全員が困惑する中、『カン!カン〜チョ〜ン〜』どこからか、とても気味の悪い拍子木の音が聞こえる。15人が一斉に辺りを見渡す。拍子木の音は次第に大きくなり、『チョ〜〜ン』やがて鳴り止んだと思えば、今度は機械音が喋り出した。『私は、このゲームの進行役を務めることになった、ユミエと言います。』「急に何なんだ?俺らをここに連れてきた目的は?金、目当てか?」「そもそもゲームって何だ?早く説明しろ。」悠之介と義浩は、不快そうに質問をする。無理もない。気持ちはわかる。『今から説明します。あなた達十五人にはこれなら、かぞくゲームをしてもらいます。まずは、あなた達全員に人形を配ります。二階に全員分の自室を用意してあるのでそこに行って、人形を持ってきてください。ついでに、部屋にある服に着替えてください。しかし、ルールがあります。一つ目は、その人形を他の参加者に見せてはいけません。人形には、各自の隠し事や秘密が書かれています。二つ目は、他の参加者、及び自分の人形を直接壊してはいけません。直接壊した場合それが例え一部分であっても、被害者、加害者どちらも失格です。』かなり本格的な説明だ。仕掛け人は本気なのか。一体誰が何の目的でやっているんだろう。「ユミエ、続きは?」浩斗の叔父である弓弦が言った。『三つ目は、ゲームの途中で人形が粉々になったし人が失格です。部分的な損傷であれば失格にはなりません。四つ目は、最終的に人形が粉々にならなかった参加者が勝利です。五つ目は、暴力をしてはいけません。』デスゲームかよ。正直言って馬鹿馬鹿しい。こんなの嫌がらせに決まっている。「ルールとやらはわかった。一つ聞くが、このゲームは強制参加なのか?俺らはこんな子供騙しみたいなクソゲーをやるつもりはない。」義浩は、喧嘩越しにユミエに向かって問いかけた。『義浩、それはできません。あなた達は強制参加です。この別荘の玄関扉と窓の鍵は開けられない仕組みに改造しました。この先無理に反抗したら、即失格にします。失格したら、、、』「失格したらどうなるの?」興味津々に聞いたのは叔父である音助。『それは、そのうちわかります。時間がないので手短に説明します。第一ゲームは、自室で用意してある服に着替えて、人形を持ってきてください。人形は、ポケットに入れるなどして、見せないようにしてください。では、第一ゲーム開始です。』全員は、少し戸惑ったが、うなづき、それぞれ二階の自室に向かった。扉にネームプレートが掛けてあったのですぐに各自の部屋は見つかった。桃音は、部屋の中に入った。相変わらず豪華な部屋だな。本家は和風だったが、別荘は洋風らしい。部屋は、いかにも高級そうなじゅうたんが引いてあった。机の上に日本人形が置いてある。赤の美しい着物を着た、手のひらサイズの女の人形だ。こんなに小さいんだと桃音は驚いた。更に人形の裏側を見たら桃音は気絶しかけた。隠し事や秘密が書かれているとユミエは言っていたが、このことだったのか。人形の隣には白無垢が置いてあった。白無垢とは日本の伝統的な花嫁衣装。ウェディングドレスとは違い着物だ。桃音は、何故白無垢なのかと、疑問を抱いたが急いで着て、階段を降りようとした。「おい、義雄、兄さんの人形にも書いてあったんだろ。別に見せろとは言ってない教えてくれても良いだろ?」浩斗と頼仁の間の浩佑が、長男の義雄を挑発する。「浩佑、お前は兄に対する礼儀がないな、俺が一番偉いんだよ。それにお前みたいな取り柄のない奴には興味ないんだよ。」義雄は、自分が兄弟の中で一番偉いから、敬えと自画自賛をする性格。なんて、自意識過剰な男なのだろうと心の中で桃音は言う。ふと、義雄と浩佑の後ろに頼仁がいることに気付いた。頼仁は、その二人より奥の部屋なので二人が邪魔で階段を降りれない。義雄も浩佑も頼仁の存在に気が付かない。頼仁は、勇気を振り絞り、「すいません、そこを通して下さい。」と二人の兄に言う。何に対してそんなに、ビクビクする必要があるのだろうか。桃音には理解できなかった。しかし、義雄と浩佑は、義雄の声に気が付かない。いや、無視した。「すいません!そこを通してもらってもよろしいですか。」さっきより大きい声で言った。それでも無視される。まるで、そこに頼仁という存在がいないかのように。「おい、そこをどけ。邪魔だ。」迫力のある声の主は、義浩だ。義雄と浩佑も父親には逆らえないようで、「すいません。」と義雄が先に頭を下げる。「いや、義雄には言ってない。浩佑に言ってるんだ。とっととどけ。どかなきゃこうだぞ。」と言って拳を上げる。義雄は良くて、浩佑はどかないといけないとか西園寺一家ってどうなってるんだろう。「父さん、殴ったら失格って、ユミエっていう機械音がさっき言ってから、早く拳を下ろして。」義雄が慌てて言う。義浩は、拳を下ろす。浩佑は、ほっとした様子で道を開け、そこを何事もなかったように義浩が通る。桃音は、頼仁に、「大丈夫?」と優しく話しかけた。「こういうことは日常茶飯事なので慣れています。」頼仁は、そう言ったが、実際はそうではないと思う。さっきのやりとりだけで泣き顔になっていた。「何か、あったら言ってね。私達、家族になるんだし。」桃音は、気を紛らわすように明るい声で言葉を続けた。「僕は、本当に大丈夫です。桃音さんって、優しいんですね。」なんて健気な子。弟ができたみたいで正直言って嬉しい。「じゃあ、一緒に一階に降りよっか。」「はい。」頼仁とは、仲良くなれそうだ。浩斗さんが可愛がる気持ちもわかる。
書き出しってこんなもんで良いのかな?