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ある男子高校生のクリスマス。
ちょうどクリスマスの日、透き通る青い空の下で俺達2人はゆっくりと歩いている。
俺は|霧真《きりま》。妹に少女漫画を読まされている普通の男子高校生だ。
隣にいるのは|流夢《るむ》。一言で言うと天然少女漫画シーン製造機イケメン。
……ちょっと俺が何を言ってるのか分からないよな。俺も何を言っているのか理解できない。
だけど本当にそのまんま。
この前だってバスケットボールに俺がぶつかりそうになったとき、壁ドンで流夢が守り、さらにはお姫様抱っこで保健室に行く……少女漫画みたいなことがあったからな。
もしかしたら流夢は天然ではなく鈍感かもしれん。
「霧真〜、混ぜると色が変わるお菓子食べてみる?」
突然、流夢はそう言い、学校のバッグから、お菓子の名前は言えないが、混ぜると色が変わるお菓子と小型鍋の中に入っているサラダ油を出した。
俺はそれを見て空を見てもう一度それを見た。
………サラダ油⁈
やっと状況を理解できた。コイツは片手にはあのお菓子、もう片手にはサラダ油が入った小型鍋を持っている。
一体どこから出したんだ。せめて油を入れるのは計量カップとかであってくれ。
「お前、もしかしてサラダ油で作るんじゃ無いだろうな?」
「え?なんで分かったの?」
そう答えた瞬間、流夢から小型鍋を奪い取る。
油で作ったら絶対に不味いだろ!!
小型鍋の代わりにまだ飲んでいない自分のペットボトルの水を流夢に渡す。
すると流夢は嬉しそうに受け取り、近くの公園に行った。
俺達ぐらいの歳でもああいうのは好んで食べるものなのか。………まあアイツは好むだろうな。
「霧真もこっちおいでよ〜」
流夢が手招きしてベンチに座る。俺は小型鍋を持ったまま、ベンチに座った。その途端、あのお菓子の甘い香りが漂う。
「一口いる?」
「俺はいい。お前1人で食べろ」
俺はただ話すこともなくサラダ油をどうするかを考えた。まあ、流夢に返すのが一番だけれど、これを渡したら何をするのか怖い。転んでこぼすか、これに火をつけるか…………なるべく考えたくない。胃に穴が開きそうだ。
「そのサラダ油、霧真にあげる〜。水のお礼」
「そうか。じゃあ遠慮なくもらってくわ」
流夢はお菓子を食べ終え、グイッと上に体を伸ばし、ベンチの真上にある全ての葉が落ちている紅葉の木を見つめる。
「もう冬なんだね〜」
「ああ」
俺はそれだけ返して半分沈んでいる太陽を見た。
スマホを取り出し、明日の天気を見ようとした。するとある情報が目に入る。
『今日の5時から雪が降るでしょう』
流夢が知ったら喜ぶだろうな。………でもここは言わないでおく。
スマホをしまい、流夢と話していたら5時のチャイムが鳴った。
「もうそろそろ帰るか」
ベンチから立ち上がり、バッグと小型鍋を持ち、流夢を見る。
「そうだね。帰ろ帰ろ〜」
ベンチに座っていたはずの流夢がいつ間にか俺の隣にいた。
さらに流夢は公園から少し先まで走った。そして立ち止まり、振り向き、俺の名前を呼びながら楽しそうに手を振った。
その時、一粒、白い雪が俺達の目の前を通る。初雪だ。
流夢は上を見上げた。上からさっきよりもたくさんの雪が降ってきた。
そして
「ホワイトクリスマス!」
と流夢が大声で、満面の笑みで言った。
その笑顔がキラキラしていて、思わず俺も笑顔になる。
ああ、こういうクリスマスもありだな。
俺は雪のカーテンをくぐりながら、手に持っている油に気をつけながら流夢を追いかけた。
夕日がもうすぐ完全に沈む。
白い雪の後ろの赤い夕日がとても綺麗だった。
【小説部門】
作品のテーマ:学生、クリスマス
作品の拘り :最後の文章で綺麗に小説を締めれるようにしました。
要望 :感想ファンレターをいただきたいです!
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