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私の世界 第1話 新天地へ
(う...苦しい...息ができない... 誰か助けて...)
ピンポーン ピンポーン
「あ、はーい!今行きまーす! 羽唯ぃ?静かにしてるのよ?そうしないと、どうなるかわかるわよね?」
「はい...」
「じゃあ、大人しくしてないさいね♪」
やっといなくなってくれた...。
私は羽唯、5歳。私はお母さんとあんまりお家に帰ってこないお父さんに虐待をされている。
今だって首を絞められていた。死なない程度に痛めつけられて、苦しめられて...。そんな毎日が続いていた。
ご飯もたまにしかもらえないし、お外に出たことなんて記憶のある中ではほとんどない。
お風呂に入れば顔をお湯の中に入れられて息ができなくなったりといろいろなことをされるから、私は小さいときからお風呂に入ることが嫌で、多分見た目はすっごく汚いんだと思う。
あざだらけで、ボロボロの服しか着せてもらえなくて...。
早くこんな毎日が終わればいいと思っていた。
早く殺してほしいとも思ったいた。
「羽唯ー?どこにいっちゃったのぉ?」
まずい、トイレに逃げたら戻ってきてしまったみたい。
「トイレにいる」
なるべく大声で返すと、階段を降りる音が聞こえてきて
ドアをノックされた。
「誰が勝手に行っていいって言った?」
「ごめんなさい。すぐにでるから許して!」
「駄目よ。言うことが聞けない子はどうなっちゃうか教えたわよね?私は待っててって言ったのよ。」
「ごめんなさい」
ガチャ。あれ?お母さんはお部屋に戻ったのかな?
「羽唯、二階に来なさい」
あ、二階に行っていたんだ。
「お父さん今日帰ってくるんですって。帰ってきたら旅行に行こうと思うの。一週間くらい留守にするわ。そのつもりでいてね」
「わかった...。」
私一週間自由なんだ!でも、ご飯はないんだよね...。
「で、その間お家に監視カメラをつけようと思うの。あなたが勝手なことをしないようにね。」
「え...。」
「なにか文句があるのかしら?」
「ないです...」
ガチャ
「ただいま、帰ったぞ」
「あらぁ!あなた、おかえりなさい。 羽唯はこの部屋にいなさいね?」
「はい」
ドタドタドタ...
どうしよう...。家出しようと思っていたのに...。
どこにいくのか聞けばよかった...。
「それじゃあ羽唯、行ってくるわね。お留守番頼んだわよ?
拘束してないだけマシだと思いなさい(耳元で)」
「はいお母さん...。いってらっしゃい...」
バタン
どうしよう、やっぱり今日1日は大人しくして、明日くらいにお家から出よう。そのためにはちゃんとお風呂に入ってきれいにしないと...。誰も汚い子には触りたくないもんね。
ー次の日ー
あれ、私いつの間にか昨日眠っていたんだ...。お風呂に入ってないや...。早くしなきゃ。
よし、これで少しはまともだよね。あざは隠せないけど...。私のタンスきれいなお洋服あるじゃん!かわいい。
冷蔵庫にあったお水を持って、お母さんのお菓子を持って…。
もうこの家には戻らないって覚悟を決めた。
ガチャ
お外ってこんなに広いんだ!
家にあって持っていきたいものはカバンに詰めたし、出発しよう。
まずは...。けいさつだっけ?お母さんがけいさつが来るから泣くなって言ってたもんね。近くの人に聞いてみよう。
「すみません、けいさつさんってどこにいますか?」
「おやおや、どうしたんだい?そんな傷だらけで。おじさんが連れて行ってあげよう。交番まででいいかな?」
「おねがいします」
それから数分後、こうばん(?)に到着した。
チリンチリン
おじさんが呼び鈴を鳴らしてくれた。
「はい、どうしましたか?」
「この子が警察に行きたいって言ったんでね。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「じゃあお嬢ちゃん、またね。」
「ありがとうございました。」
そういって私は頭を下げた。
おじさんは私の頭を撫でるとさっていった。
「お嬢さん、どうしましたか?」
けいさつの人がニコニコしながら話しかけてきた。
「実は私、お母さんとお父さんにいじめられてるんです。」
「ほんとうかい?詳しく聞かせて。」
私は事情を説明した。
「すぐに児童養護施設に連絡するから。お兄さんたちが助けてあげるよ。もう大丈夫。お名前は?」
「如月羽唯です。」
「羽唯ちゃんね。奥に行こうか。電話している間待ってて。またお話を聞くから。」
「わかりました」
それから電話を始めた。さっき言っていたじどうようごしせつに連絡してるのかな?
「よし、じゃあお母さんとお父さんについて教えてくれるかい?」
「はい、お母さんはいつも家にいます。お父さんはいつもお家に帰ってこなくて、今は帰ってきてるので旅行に行っています」
「わかった。もうお母さんたちとは会いたくない?」
「……うん」
「よし、もう大丈夫だぞ」
そういうとまた電話をしにいってしまった。
電話から帰ってくると、
「このあと児童養護施設の人達が迎えに来てくれるからね。もう安心だ。」
と言った。
「それってなんですか?」
と聞くと、
「簡単に言うと、羽唯ちゃんのように親に虐待されている子や、親が事故や病気で死んでしまった子などが集まって共同生活をするところだよ。」
と教えてくれた。
これからは普通のところで安心してくらせるんだと思うと、なんだか嬉しくなった。
数時間後、施設の職員さんが迎えに来た。
「では宜しくお願いします。」
そういうと警察の人は敬礼した。
「ありがとう」
私が言うと、
「どういたしまして」
とにこにこしながら言ってくれた。
施設の人に色々聞かれながら車で数十分後、施設に到着した。大きくて、綺麗な場所だった。
入口には職員さんや他の子どもたちが様子を見にきていた。ここが私がこれから暮らす場所か...。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
よければ第2話も読んでください!
ー次回予告ー
第2話 施設の子