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なつのおと
こんにちはああああみはなだです。超久しぶりのショートですね。はい。
彼岸飴ちゃん主催の、「悲願花企画」の小説でございまっせ。塾の宿題に一度も手を付けずになにやってんだって話だけど、ま、まあ明日の朝もありますしねっ((
Aでやらせてもらっています。珍しくほわほわしてます。…多分。いつも私が書くと主人公が死にたがってたり世界を嫌ってたりするけど、今日は珍しく主人公が素直にかわいいです。はい。
青空の下、海をわたしは画用紙に書く。鉛筆の音と波の音が耳に心地よい。
耳にしたイヤホンからはわたしの大好きな音楽が流れている。
わたしの過ごすこの時間ほど幸せなひとときは無い。
後ろの車道からは車の音が聞こえた。
小さな頃から、いつも近くにあったのは海。
さざ波が奏でる夏の音。大好きなこの音。
わたしは、少しだけはにかみながら鉛筆を動かした。
*
ざー、ざー。
人通りが少ないこの街の海は、静かだけど確かに、夏の音を鳴らす。
ざー、ざー。
そっと、寄り添うように。
わたしは目を閉じて、その音をそっと噛み締めて。
優しい夏の音に、耳をすませて。
*
ラムネを片手に、自転車をまたぐ。
籠には、ずっと大切にしてきたスケッチブックと鉛筆。
サドルに足をかける。
力を入れる。
自転車が動く。
「……っ、」
風が頬を撫でた。
髪が顔にかかる。不快感に顔をしかめる。
でも、そんな不快感すらどこか愛おしくて。
響く、油蝉の声。夏の音。
太陽の光を海が反射させる。きらきらと輝くその光に、思わずわくわくした。
今日の天気は、一日中晴れ。夜にも星が見られそう。今日は絶好のスケッチ日和かも。
湧き上がってくる期待と興奮に、わたしは、自転車をこぐ速度を早めた。
*
「……暑い……」
腕で汗を拭う。静かに響く、夏の音。
ラムネを開ける。しゅわっ、と、気持ちいい音が鳴らされた。
この大好きな街を、海を描きたくて。そのわくわくに、胸を高鳴らせて。
スケッチブックを開いて、真っ白に鉛筆を滑らせた。
ざー、ざー。
響く夏の音。大好きな音。
ざー、ざー。
静かで優しい音。
ざー、ざー。
鳴り続ける、なつのおと。
スケッチブックに浮き上がったのは、まばゆい光を主張する海。
満足感に微笑んだ。耳に流れるのは、波が奏でる夏の音。
わたしは顔をあげた。波がよせて、ひいて。よせて、ひいて。
夏がきた。
夏の音が響いた。
「……ふふっ、」
大好きな、なつのおと。
25分で書き上げました…。最初の彼岸飴ちゃんが考えた出だしの表現とかがほんと好きすぎて。それに釣り合うような小説になれるといいな…って思いながら書いたんですけど、なんだろうな…なんていうかほんわかしててオチがないっすね。こんなんじゃこれで食べていくことを目標になんてできないレベル。まあ、許してくれ。塾の宿題終わってないんだ(塾から帰った後すぐやれ)
楽しい企画に参加させてくださって、本当にありがとうございます…!