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真犯人
司「…穂波、お前なんじゃないのか?」
穂波「へ…!?」
咲希「ほなちゃんが犯人って…っ」
穂波「な、何言ってるんですか…!そんなわけないじゃないですかぁ!」
司「もちろん今のはオレの推理だ…反論があるならいくらでも言ってくれ」
穂波「反論って言われても…」
穂波「ど、どうして私が犯人扱いされないといけないんですか…!」
司「だって、明かりに使われたカセットコンロは厨房にあった物なんだぞ?」
穂波「そんなことだけで犯人にされるなんて…そんなの酷いですよ…!!」
類「あぁ望月さん…そんな態度は君らしくないよ…」
類「もし君がこんな冤罪に倒れてしまったら、未来のバンドは誰が支えるの?」
穂波「み、未来の…バンド…?」
類「そうだよ。未来のバンド…レオニードの為にも、正々堂々立ち向かわないといけないんだ」
穂波「そう、ですよね…私はバンドの柱ですし…こんなところで終われない…」
司「類…なんでお前が間に入ってくるんだ…!」
類「例えば、犯人が明かりを使ったとしようか?そして、防火扉を遮蔽物に使ったとしよう…」
類「で、そこから倉庫に移動して床下に潜って…そのあとはどうするんだい?」
類「床下だって真っ暗なんだよ?そこからどうやって宵崎さんを刺すの?」
類「まさか、明かりで彼女を照らしたわけじゃないよね?宵崎さんに気付かれたら一巻の終わりなんだよ?」
穂波「そっそうですよぉ!その点についてはどうなんですか!?」
司「そ…それは、だな…」
類「答えられるわけないよね、司くんは床下を捜査してなかったもんね」
雫「それなら、みのりちゃんが知ってるんじゃないかしら?実際に床下に潜っているんだし…」
みのり「確かに潜ったけど…あの床下には事件に関するものは何も無かったよ…ごめんね」
みのり「奏ちゃんの血が…滴り落ちてた場所に、暗闇の中で光る変な液体?が塗られてたくらいで…」
絵名「えっ、何それ!暗い中でも光ってたの!?」
瑞希「それ、すっごく重要そうだね…」
一歌「光る目印があれば、暗闇の中でもその地点までは移動できるよね…」
冬弥「そうやって所定の位置まで移動すれば、同じ目印を付けておいた標的を狙えますね」
司「む…その目印って、ナイフに塗ってあった《《夜光塗料》》の事か?」
杏「夜光塗料を標的にする事で、暗い中でも凶器を刺せる…って事だね!」
志歩「なるほど…犯人は人を狙ったんじゃなくて、その夜光塗料が動く瞬間を狙ったんだ」
愛莉「それって、誰かがナイフを手に取った瞬間って事よね!」
類「では…僕がナイフを取る為に用意した目印を、犯人は刺すための目印として利用したんだね」
類「そうか…それでナイフを手に取った宵崎さんが殺されてしまったのか…」
冬弥「それができたってことは、犯人は神代さんの作戦を知っていたってことになりますが…」
穂波「わ、私は何も知りませんよぉ…本当なんですってぇ…」
類「だったら、逆に僕からみんなに質問してもいいかな?」
杏「な、なんでまたあなたなの…!?いい加減にしてよっ!!」
瑞希「まーまー杏!こういうのは公平に発言権を与えないと!」
類「望月さんが犯人だとすると…彼女は停電中に倉庫に行ったってことになるけど…」
類「だったら、停電の時えむくんが聞いた声ってなんだったのかな?」
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瑞希「だ、だれか電気付けてきてよ!」
穂波「みんな、どこにいるの…?て、停電って、厨房だけじゃないんですか…?」
愛莉「これ、ブレーカーが落ちたんじゃないの…?」
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絵名「穂波ちゃんの声が…大広間で聞こえてる…?」
類「これって、望月さんが停電の時に大広間にいたことを証明しているように思えるんだけど…」
遥「でも、望月さんって停電の時は厨房にいたんだよね?それが…どうして大広間にいたの?」
穂波「てっきり、厨房だけが停電になったのかと思って…慌てて廊下に飛び出したんです…」
穂波「そしたら廊下も真っ暗で…旧館全体が停電になってるみたいだったので、壁伝いになんとか大広間まで行ったんです」
みのり「確かに、厨房から大広間だったら、壁伝いに移動できない距離でもないね!」
彰人「なんか嘘っぽいんだよなぁ…」
えむ「でもでも!穂波ちゃんの声は確かに大広間で聞こえてたよー!」
類「そう、望月さんは倉庫じゃなく大広間にいたんだよ…つまり、彼女が犯人だとは考えらないんだ」
司「いや…そうはならないはずだぞ」
穂波「どうして…?」
穂波「どうしてそんな風に…私に言いがかりばっかりつけてくるんですか!?」
司「ま、待て穂波…!オレは別に、お前を責めたいわけじゃ…」
類「司くん…もっと胸を張っていいんだよ。君は、自分が信じた希望に進んでいるだけなんだから」
類「さぁ司くん…もっと君の希望を見せてくれないかい?その希望は、望月さんを打ち砕けるのかな?」
類「さてと…まずは改めて聞くけど、」
類「望月さんは停電の時に倉庫に行ったかい?」
穂波「そ、倉庫になんて行ってるわけないじゃないですか…!」
えむ「穂波ちゃんの声はあたしが聞いたよ!」
絵名「録音された声とかじゃないの?」
えむ「いや、生声だったよ!」
穂波「今のえむちゃんの証言がある限りは…」
穂波「私が大広間にいた事実は揺るぎません!」
司「それは違うぞ!」
司「オレ達が大広間で穂波の声を聞いたからって、『大広間にいた』ことの証明にはならないはずだ!」
穂波「え…?ど、どうしてですか…?」
司「大広間の床を思い出してみろ。あそこの床は、隙間だらけだっただろう?」
司「だから、床下から上がった声だったとしても、大広間の声と同じように聞こえたはずなんだ」
穂波「あ……っ!」
瑞希「そっか、あえて床下から声を上げて、自分がその場にいることを印象付けようとしたんだね?」
咲希「そうなの…?ほなちゃん…」
穂波「ちょっと…待って…」
こはね「ど、どうなの?穂波ちゃん…!」
穂波「ちょっと待ってって言ってるでしょ!」
こはね「ひゃ!?」
穂波「わ、私は!停電の時大広間にいたのっ!!」
穂波「さっきからそう言ってるじゃないですか!!」
冬弥「…望月さんが停電の時大広間にいたってことは…明るくなった後もその場にいたんですよね?」
類「まぁ、そうだろうね。長い廊下を行ったり来たりはできないからね」
一歌「え…あの時穂波って…いたっけ…?」
穂波「そ、そりゃいたよ…本当だよ…?」
類「こればっかりは勘や思いつきで決められないよ。人の命がかかってるんだからさ」
寧々「で、でも…私には自信ないよ…いたような気もするけど、いなかったような気もして…」
雫「何か判断する方法はないのかしら…?」
冬弥「…本人の記憶に聞いてみればいいんじゃないですか?」
司「…む?」
穂波「わ、訳の分からないことを言わないでください…っ!」
穂波「私が大広間にいなかったことなんて…そんなの証明できるわけ…」
司「いや…できるかもしれん」
穂波「ま、またあなたですか…!?」
穂波が停電の後に大広間にいたかどうか…
それをハッキリさせるには…
司「………あの停電から復旧した時、穂波が本当に大広間にいたならば…」
司「その時、花里がどんなことになっていたか、分かるはずだよな?」
穂波「え…!?」
みのり「お、思い出させないでくださいよぉ…!恥ずかしいじゃないですかぁ…」
司「すまん花里…だがこれは大事な質問なんだ」
司「どうなんだ穂波!あの時大広間にいたなら、答えられるはずだぞ!」
穂波「え、えーっと…えっと…」
えむ「ど、どうなの…?穂波ちゃんは答えられるの…?」
穂波「あの…その…」
穂波「あ、あれ…?忘れてしまった、かもしれません…」
志歩「おかしいでしょ、あんな光景…そう簡単に忘れられるわけないじゃん」
穂波「そ、そんなこと言われても…」
穂波「か、神代さぁん!なんとか言ってくださいよぉ!」
類「うーん…もう諦めるしかないかもねぇ…」
穂波「諦める…って…」
穂波「諦めるって…なんですか、それ…」
類「望月さん…僕も悔しいよ、悲しいよ…」
類「憧れの人の希望の限界を見るのは寂しいものだよ…夢を壊された気分、とでも言うのかな…」
司「類…お前はなんなんだ!犯人の味方をしたり突き放したり…!」
穂波「ま、待ってくださいよ!!人を勝手に犯人にして話を進めないでください…っ!!」
類「ん?だってもう決まってたじゃないか」
穂波「き、決まったって…っ」
穂波「まだ決まってませんよ!!だ、だってっ、まだ凶器がハッキリしてないじゃないですか!!」
穂波「私が犯人だって言うなら、まず凶器がなんだか言ってみてくださいよぉ!!」
絵名「凶器か…ナイフじゃないんだよね?」
まふゆ「奏の傷からして…凶器は直径5ミリくらいの細さのはず…」
みのり「それに、床下から刺したってなると…50センチ以上の長さは必要だよ!」
類「…今更凶器なんてどうでもいいんじゃない?」
穂波「よくないです…!!全然よくないですっ!!」
冬弥「なら…凶器が何だったのか考えてみましょうか」
とにかく考えろ…考えるんだ…
直径5ミリくらいの細さで…50センチ以上の長さの物…
……………
司「そうだ…凶器は鉄串だったんじゃないか!?」
愛莉「て、鉄串…!?」
司「パーティーが始まる前…危険物を集めていた宵崎が、穂波とこんな会話をしていたんだ…」
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司「あ、望月、1つ聞いてもいいか?」
司「そこの備品リストを見ると、鉄串が1本足りないみたいなんだ…何か知らないか?」
穂波「あ…そうなんですよね…最初から欠けてたみたいで…」
穂波「旧館なので仕方ないかなと思って、深く考えてなかったんですが…」
奏「そっか…………」
司「最初から無かったなら…どうしようもないんじゃないか?」
奏「…そうだね、あんなに長い鉄串を隠せる場所も無さそうだし…」
奏「今日は、私がちゃんと見張っていればいいだけだからね」
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杏「その欠けていた鉄串が凶器なんだね…?」
まふゆ「確かに、鉄串ならぴったり条件が合うよ…!」
彰人「てめぇ…その鉄串はどこに隠しやがった!?さては、島のどこかに処分しやがったな!?」
モノミ「いえ、ポイ捨て禁止は、修学旅行のルールでちゅ。違反していたら島中にサイレンが鳴り響いたはずでちゅよ」
絵名「島中にサイレンって…たかがポイ捨てでそこまでするの…?」
冬弥「それに、俺は見張りをしていたので分かりますが…望月さんは、1回も旧館から出てこなかったです」
こはね「つまり、旧館のどこかに隠したとしか考えられないんだね…」
志歩「また厨房なんじゃないの?」
穂波「わ、私は…私はそんなの知りません…っ!」
冬弥「やはり…俺達でなんとか突き止めるしかないみたいですね…」
凶器が鉄串だとすると…隠し場所はやっぱり厨房だよな…
だが、あの場所はパーティー前にオレと宵崎で確認したはずだ…
それぐらい紛れていたということか…?
どこだ?鉄串なんて長い凶器、どこに隠しておいたんだ?
よく…考えてみるんだ…
穂波「私は何も隠してませんっ!!」
穂波が犯人であることを示す決定的な証拠…それをあいつに突きつけるんだ…!
穂波「凶器なんてどこにあるんですか…!」
穂波「鉄串だっていう証拠はあるんですか!?」
穂波「私は何も知りません!凶器なんて知りませんっ!!」
司「………」
司「もしかして…凶器の隠し場所は、骨付き肉の中じゃないのか?」
穂波「え…え…!?」
穂波「何言ってるんですか…っ…そんなところに凶器なんて隠すわけが…」
瑞希「さ、流石にそれはないでしょ〜〜…だって食べ物の中だよ?」
司「流石にない…オレと宵崎もそう思っていた…だからこそ見逃してしまったんだ…」
司「逆に言えば、凶器を隠せる場所なんて…あの時調べられなかった食べ物の中くらいなんだ」
司「そして、その食べ物の中で、鉄串くらいの長さの凶器を隠して置ける場所なんて…」
司「骨付き肉くらいしかないんだ!」
遥「どうなの?望月さん…」
穂波「……………っ」
杏「黙ってるつもり…!?」
瑞希「だ、だったら、確かめるしかないよ!」
えむ「あの美味しそうな骨付き肉を食べて、中から鉄串が出てきたらビンゴってことだね…!」
彰人「おい、モノクマでもモノミでもいいから、早くその骨付き肉を持ってこい!」
えむ「よ、よーし…あたしが1分で食べてみせるよ…!!」
穂波「ま、待って…待ってよ…!」
愛莉「早く持ってきなさいよ!」
みのり「…あれ?モノクマはどこいっちゃったの?」
モノクマ「ボクならここだよー!」
モノクマ「もふっ、お先にいただいちゃってまーふ!」
瑞希「ぎゃぁぁぁぁぁ!クマが肉食べてるーーー!!」
瑞希「って、よく考えたら普通だね」
モノクマ「もふもふっ何これ、美味いもんだなぁ…」
穂波「ま、待って…本当にダメなんですってぇ!」
モノクマ「おやおや、なんかお肉の中から…」
モノクマ「こんなん出てきましたけどーー!」
咲希「そ、それって…!」
こはね「鉄串…だよね?」
冬弥「あ、骨の部分が取っ手になってるんですね…」
絵名「謎に凝ってるわね…」
穂波「あ…あああ…」
類「さすが望月さん!とてもファンタスティックな凶器だね!」
穂波「ち、違います…私は犯人なんかじゃない…人を殺すような…人間じゃ…」
穂波「う…ううぁぁ…っ」
類「あーあ…なんだかガッカリだな…」
類「見苦しい悪足掻きなんて、超高校級の君らしくないよ…それは《《希望》》とは言えないんじゃないかな?」
冬弥「神代さん…悪いんですが、黙っててくれませんか?」
類「………………」
穂波「私じゃないです!!私はこんなことしませんッ!!!」
とりあえず類の件は後回しだ…
それよりまずは…
冬弥「決着を…付けないとですね…」
冬弥「その為にも、事件をもう一度最初から振り返り、全てをハッキリさせましょう」
事件の全てを振り返る…
そこで望月の犯行を明らかにする…
そうだ、そうしないと…いつまでたっても終われないんだ
司「だったら…やるしかないだろう!」