公開中
価値あるニンゲン
え?私が…価値ある人間?一体どゆこと…。
白いツノの生えたクリクリした目を持つ愛らしい犬…否、プユラァは楽しげに続けた。
プユラァ「ふふ。キミにはね、ゆーきとその仲間たち同様にウィルスをばら撒く奴らを倒す資格があるのさ」
それを聞くと、ゆーきは相当びっくりしたようだ。
ゆーき「は!?紫音さんまで巻き込むの!?」
プユラァ「巻き込む?ちがうよ、紫音ちゃんは資格があるんだよ。紫音ちゃん、不思議な夢も見ただろ?」
不思議な夢…あのことに違いない…!私は頷いた。
プユラァ「ね、ほら。夢も見たということはステラヘムが認めたということ」
紫音「ステラヘム…?」
プユラァ「うん。これさ」
プユラァはどこからか瓶に詰められた真っ赤な血を取り出した。
プユラァ「この血を入れるとね、血が精神を刺激して尋常ではないパワーが手に入り、キミの心臓が頑丈なヘビーコアに変わるのさ」
紫音「ヘビーコア…」
プユラァ「見た目は他の心臓と変わらない。ただ、心臓を刺されても死なないくらいの頑丈さを持つ。今から証拠を見せるよ」
そういうとプユラァは無慈悲にも、ゆーきの心臓にナイフを刺してしまったのだ。
紫音「きゃあっ!?」
私は驚き目を瞑った…が、すぐに目を開いた。ゆーきは血すら出してないのだ。
プユラァ「ね、言っただろ。このステラヘムを入れればキミは晴れてウィルスを潰すものたちになれる。そうすれば…弟の仇うち…できるんだよ」
紫音「!!」
陸…陸を絶対絶命のピンチに追いやった憎い奴らを…倒せる。そうすれば…陸だって…もしかしたら。生還できるかも…。私は決意した。
紫音「やります…ゆーきさんと共に」
プユラァ「ふふ。言ったね。さあ、ステラヘムを加えようか」
そういうと私にステラヘムが入った瓶を突き出した。
プユラァ「飲んでいいよ」
紫音「の、飲む!?」
プユラァ「当たり前じゃないか。飲め」
紫音「わかった」
陸を助けることに必要なんだから。私は血を飲んだ。吸血鬼にでもなった気分だ。鉄のあじ…。と、体に激痛が走った。
紫音「うっ…」
何かが誕生するような、そんな気分だった。
その痛みは結構続いた。でも痛みが強くなるにつれ…何か強くなれた気がしたんだ。やがて痛みが治るとプユラァがさっきよりも高く可愛い声で言った。
プユラァ「やったね!キミはもう戦う少女たちの仲間だ!よし、ゆーき変身解いちゃって、いいよ」
紫音「変身!?」
ゆーきは軽く頷くと腕の奥部分を強く押した…と、光が一瞬ゆーきさんを包み込み…なんと、ゆーきさんは…雪希にかわっていたんだ!
紫音「ああ!?」
プユラァ「ふふ。ゆーきはね雪希でした!雪希は紫音より前にもうこの星を守る活動をしてたんだよ」
雪希「そ、そうなんです…」
さっきまであんなにかっこよかったのに。
プユラァ「変身はね今の強さよりもっとチカラをあげるんだよ。腕の奥部分に窪みが少しできている。そこはステラヘムがたくさん集まってるんだ。そこを押せば、紫音も変身できるよ!」
うわあ、すごい。アニメのキャラにでもなった気分だ。私は最初軽い気持ちで、いた。この後絶望がなん度も遅いかかるなんて知らなかったから。