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雪女と旅に出る
続きが読みたい!というリクエストをもらった!?(感想)
なら数少ないリクエスト、速攻でつくるしかないじゃない! byむらさきざくら
先に「雪女と世界の終わり」を読んでね〜
「…む。」
わたし・|羽鳥瑠芽《はとりるめ》は目覚めた。そして、おかしいと思う。
隕石が地球に衝突して、世界は滅びる、はずなのに。なぜわたしと雪女の|雪菜《ゆきな》は無事に目覚めているのか?
スマホを見てみても、特にない。適当なライブ配信をみてみる。
“ありがとうございましたぁぁぁあ!!!!”
ドカアアアアン!
「うるさっ!」
「あ、すいませんね。なんで生きてるんだろ?」
「ループ、なんてことはないわよね。」
「うん、そしたらこの配信が残ってるのはおかしいもん。」
「そうよね。」
雪菜は少し黙り込む。
「もしかしたら、隕石の軌道が少しずれた?」
「え?でも、ニュースでは直撃するって。」
「巨大な力を持つ何者かがいるのであれば、隕石を少しそらして私たちを救うことも可能。特殊なバリアをはってもいいし、わたしたちを超次元に連れ去るのもいい。どのみち、わたしたちが助かったのは偶然ではない。何者かが仕組んだのであればその“何者か”がいないとおかしい。もしかしたら、別に助かった人がいたのかもしれない。だから、旅に出るのもいいのかもしれないわね。」
「うん。」
わたしは、バッグを見た。食料は、これだけでいいのだろうか。
「ねえ、食べ物はどうするの?いつか尽きるんじゃない?」
「それなら大丈夫、あなたがいいのならわたしがなんとかするわ。」
「え?」
「わたしは何も食べなくても平気なの。それは、食べなくても良い呪いをかけているから。まあ、食を楽しむ程度に食べているけど。」
「いいわ、どうぞ。」
そんな呪いがあったなんて、知らなかった。
「強力な力か。じゃあ、フィガーとか?リンダもありえるわ…。」
「え、何??」
「どちらも精霊よ。フィガーは|氷精《ひょうせい》、リンダは|星精《せいせい》。まずはフィガーからあたってみましょうか。」
「じゃ、そうするかぁ。」
小屋を出る。
すがすがしいほどの景色だった。太陽が輝いて、雪がそれを受けて半ば溶けながら光っていた。
「雪菜、溶けないでよ?」
「溶けるわけないでしょう。わたしは死んでるんだから、実質雪女と幽霊のハーフ。そもそも、雪女の殺し方は灼熱地獄に落とし込むか、熱いものをぶっかけるか。普通の気温なら、消えなくってよ。まあ、幽霊のほうがカバーしてるから大丈夫よ。」
そう話しながら、景色を眺める。
「行きましょうか。」
「うん。」
ざくっ、ざくっ。
わたしと雪菜は、静かに旅に出た。
ここに出てくる妖怪や精霊は、だいたいむらさきざくらの想像です。信じないでね〜
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