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喜劇
まだ眠たい体を起こし、車で『ある場所』まで行く。
『ある場所』っていうのは、私がいつも出勤しているとある劇場だ。
私はミュージカル俳優をやっている。
あまり名が売れた俳優ではないが地元では結構有名な俳優だ。
今日の劇は喜劇。あまり私は喜劇という物が好きではない。
バットエンドが好きなのに、私が出る劇ではいつも喜劇ばかり。
それも、とんでもない喜劇ばかりで呆れている。
嗚呼、悲劇をやりたいなぁ。
そんなことを考えていると、劇場に着いた。
今日は昼公演なので九時着倒でもかなり早いくらいだ。
さあ、リハーサルをしよう。
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今日の劇もかなり良かった。
そりゃあそうだ。一度も手を抜いていないのだから。
いつだって本気でやるのが俳優なのだから。
昼公演が終わった。長い長い仕事が終わったのだ。
早く家に帰ろう。もう疲れた。
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コンビニで晩飯を買ってから家につき
倒れるようにしてベットに倒れこむ。
こんな生活を毎日行っていたら気が狂いそうだ。
今日の劇みてえな生活を送りてえなぁ。
嗚呼、劇では喜劇なのに現実は悲劇かよ。クソ。
愚痴を吐いても、この現実からは逃げられないんだ。
魔法が使えるわけでもないんだし、勇気もない。 夢もない
何もできないようなこんな私の姿を見たら、昔の自分は絶句するだろうなぁ。
嗚呼、いつからこんなことになってしまったんだろう。
悲劇。これこそ悲劇だ。
何をしようと喜劇には変わらないだろう。
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今日も、明日も、明後日も。
いつも、いつでも喜劇を演じる。
嗚呼、もう疲れた。
死んでしまってもいい。
そんな心境の中、とある女性に一目ぼれした。
あの人はとても可愛らしく、私のタイプだった。
嗚呼、こんなこともあるんだなぁ
この思いを早く伝えなければ、と思って一目ぼれしたその日に告白した。
どうやら、あの人もこちらを好いていたらしい。
その後、一か月ほどで結婚した。
今、とてつもなく幸せだ。
あの人と結婚したんだから。
子供も授かった。
嗚呼、喜劇だ。
最高だ。これ以上の幸せはない。
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「おーい、そろそろリハ終わりだからねー。」
「楽屋に帰ってー」
「じゃあ、照明とか全部殺しときまーす」
「おっ、気が利くじゃん」
完