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曲パロ ハルトレイン前編
🍓👑桃と赤の話。両視点書くけど赤のほうが視点多め。
微BL、微ファンタジー(??)含む。
歌詞に近い部分も多くありますが私の想像?妄想?もめちゃくちゃ入ってます。
なぜならば、歌詞に近いものだけだと”私が”嫌だから。(決して他の人のする曲パロを否定はしません。)
キャラ崩壊注意。(あるのか知らないけど)
RSide
雨の降る春のいつの日か。俺は君に出会った。一瞬目があった気がした。桃色の髪色をした君の方は、俺のことなんて目に入っていないのかも知れない。
興味無いかも知れない。それでも、俺は君に惹かれてる事実は変わらなくて。いつも君のことを考えてる。
俺の方に来てくれないかな、なんて、叶うわけのない願いも毎日しちゃって。
「こっちに来て欲しいな」「ねぇ、俺と仲良くしてくれる?」「俺、君のこと大好きだよ」
そんな風に君を振り向かせる|魔法《ことば》を胸の奥で唱えたところで、状況は何も変わっていなかった。そんなことも、君に出会った瞬間からわかっていたんだけどね。
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SSide
雨が降っていた。傘から覗いた透き通った赤い髪の君。あの春の日、俺はお前に出会った。
お前は俺をどう思ってるのか。そんなこと確かめる方法もなければ聞く度胸もない。目にすら入っていないかも知れない。ただ一瞬目があっただけ。それなのに、俺はどうしようもなくお前に惹かれている。
「俺の方に来てよ」「俺と一緒にいてくれる?」「俺、お前が好きなんだよ」
そんなことをお前に言うところを想像しては胸の奥に秘めて。俺にその言葉をかける|魔法《勇気》をくれないかと願う毎日だった。そんなことしたところで、何も変わりはしないんだけどな。
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RSide
「ふぁ〜…眠い………」
今日は高校の始業式。
朝の弱い俺はなんとか起きて支度を済ませて今は縁だけ赤色で他は黒色の傘をさしながら学校へ向かう途中。
「はぁ〜初日から雨か〜。」
活気を無くすというかなんというか……。まぁいいか。雨が降ったところで何も変わりゃしない。土砂降りでもなんでもないんだから。
そんな事を考えてるうちに、学校が見えるようになっていた。
「はぁ〜…始業式、面倒くさ-―……っ!」
そう呟いた瞬間人の間を歩く、一人の男子生徒に目が惹きつけられた。
「あ………」
彼は淡い桃色の傘をさしていて、そこから見える美しく透き通るような桜のような桃色髪。
「綺麗………」
思わず呟いてしまった。
その瞬間、その彼がこちらを振り向いた。
やばっ。聞こえてたかな………それだとしたらめちゃくちゃ恥ずかしい…!
そう思ったのも一瞬で、桃色の髪によく似合う透き通った濃いめの青色の瞳に俺の目は釘付けられていた。
「綺麗………」
彼が何かを言った。だが、俺には何を言ったまでかは分からず、少し聞こえた彼の声がとても綺麗でかっこいいことだけがわかった。
そのままボケっとしながら、いや、桃色髪の子のことを考えながら教室で準備を済ませ、始業式の会場、体育館へ向かった。
始業式も終わり、再び教室へ。
「今日からここに転入してきた生徒がいる。入ってこい」
担任がそう言ってから聞こえた声は、
「はい」
「え……?」
俺の聞いたことのある声だった。そう、朝の彼の声だ。俺は一発でわかった。だってあんなにかっこいい声、忘れるわけがないもん。
「転入してきました。桃咲さとみです。」
彼はそう淡々と告げた。先生に指定された席に移動しようと、歩み始めた。
彼はどんどんと俺に近づき、俺の隣の席に座った。
桃咲さとみ、か……素敵な名前だな。彼によく似合う。
「と、隣………?」
俺は小さく呟いた。
桃咲くんは
「宜しく、えっと…」
「あ、赤崎莉犬…」
「宜しく、赤崎。」
ニッと歯を見せて笑う桃崎くん。
「!よ、宜しく」
あぁ、かっこいいなぁ。俺はふと、そう思ってしまった。
同時に顔が火照ったような気がした。
ホームルーム後、家の方向が同じだったから途中まで一緒に帰った。
「じゃあ、また明日な!赤崎!」
「うん!また明日!」
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俺はその頃知らなかった。
俺と彼が一緒にいられる時間は、少ないということを。
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「はぁ………かっこよかったなぁ……」
そう自室のベッドで呟く。
桜の似合う彼。桜の花びらのように儚く、それでいて根強そうな。
こんな弱々しい俺とは違う。
ふと窓を見ると、春なのに6月並みに雨が降り続けていた。
「雨も似合ってたな………」
って!俺ずっと桃咲くんのこと考えてるし!
「はぁ〜……かっこよすぎるんだもん……」
そんなことをひとり呟いて、ベッドに潜りなおす。
そのうち、俺は眠っていた。
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SSide
ある高校に行くことになったことが決まって、その日は晴れではなく、雨だった。
桜が雨に打たれて揺れている。そんななか、俺はとある人に目を奪われていた。
黒の傘をさした男子生徒。透き通るような赤い髪をしていて、可愛らしい顔立ちと、でもかっこよさもある、そんな彼に。
そして、そんな彼と目があった。その瞬間、
「綺麗……」
そう彼が言葉をこぼしたような気がした。
俺は恥ずかしくて、目線をそらした。
アイツと同じクラスだといいな。そんな事考えながら、俺は職員室へと向かった。
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朝の子と同じクラスだった。正直「え!?」と叫びかけた。
彼の名前は赤崎莉犬と言うらしい。名前まで可愛い。
俺は一日中彼のことを考えていた。
でも、俺がいくら彼とずっと一緒にいたくても、それが不可能だということは俺は知っていた。
すぐに”あそこ”に帰らなければいけないからだ。
俺は明日から彼とたくさん話せることを楽しみにしながら、ずっと一緒にいることはできないという現実を抱えた状況に悲しさを抱きながら眠りについた。
--- ―いいか、さとみ。お前の|期限《人生》はハルが終わるまでだ。まぁ、6月までくらいだ。― ---
「っ!」
俺は飛び起きた。
なんだ………夢か……。
あの言葉は、俺がこの世界に来る前に父が放った言葉だ。
俺がアイツと一緒にいられない理由。
莉犬に……いつ話そう……。
---
RSide
今日も桃咲くんの隣で学習。最高か?
そう思いながら彼をちらと見やる。
でも、桃咲くんの顔は、すごく悲しそうだった。
なんでだろう……
「ねぇ桃咲くん。」
俺は昼食の時間、机に突っ伏していた桃咲くんに声をかけた。
「ん?」
「今日元気ない?」
「そんなことないけど……?」
「でも顔が、元気なさそう……」
「あー……まぁ、悪夢見てさ。」
苦笑いしながらそう言う桃咲くん。絶対嘘じゃん……。でも、そういうわけにもいかないから、
「そっか……なにかあったらいつでも相談してね?」
そう言った。他に掛ける言葉が見つからない……。
「そうするわ。じゃあ、相談ではないけど一個いい?」
「いいよ?」
何だろう?でも相談ではないってことはそこまで深刻ではないんだよね。良かった。
「あのさ、俺のこと、名字じゃなくて名前で呼んで欲しい。」
ちょっと上目遣いっぽいというか、ていうか机に突っ伏した状態から言われたからもはや上目遣いされてるんだよ。
「〜〜〜っ!」
何だこの可愛い生物はッッ!!!
「じゃ、じゃあさとちゃんって呼ぶね!」
「!さとちゃん………可愛いあだ名。ネーミングセンスも可愛い〜」
「さとちゃんっ!!」
「へへっ……俺も、莉犬って呼んでいいか?」
「もちろん!」
桃咲く……、さとちゃんからはもう癒やしパワーが出てる。
そんな優しくて可愛くてかっこいい君と、ずっと一緒にいたいなと、そう思った。
話の一区切りがついたから次の授業の準備をしてから、ちらっとさとちゃんを見やると、やっぱり少し、元気がないような、悲しそうな、寂しそうな顔をしていた。
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あれから1週間が経った。
俺とさとちゃんはすっかり仲が深まって、今日は家に来ている。泊まらせてもらうのだ。
さとちゃんは「両親今日仕事でいないからさ〜」と言って招いてくれた。
唐突だけど、俺はさとちゃんが好き。何だと思う。一緒にいるとドキドキするし、でも一緒にいたいと強く思う。きっとこれが、『恋』なんだろうな。
「ねぇさとちゃん!」
二人だけの時間。綺麗なな星が見えるベランダ。
俺は隣りにいるさとちゃんに声を掛ける。
「ん?何だ?」
「あの星、すっごく輝いてるね!……さとちゃんみたい………」
恥ずかしそうにしてくれるかな?そう思って言ってみた。というか本音なんだけどね。
「えっ?」
困惑して、そして恥ずかしそうな顔をしている彼。やっぱり可愛い。
「莉犬……」
「ん?」
「やっぱり可愛い、って言っただろ……///」
「え"、声に出てた?」
「しっかりと……」
そういうさとちゃんは、顔を赤らめていた。可愛い。
「いいじゃん!だって可愛いんだもん!」
「莉犬のほうが可愛いしな!」
「えっ///」
いつのまにか可愛い連呼になっていた俺たち。
「この星、俺じゃなくて莉犬だよ。莉犬みたいにキラキラしてる。」
「!えへへ!じゃあ、二人の星だね!」
「そうだな!」
二人でそのひときわ輝く星に、手を重ねた。
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俺は、いつまで彼と一緒にいられるのかな。
ずっと一緒にいられたらいいのに。
俺は彼がずっとしている悲しそうな顔を笑顔にしたいなと思う。
彼が何処へ行っても、彼が認めてくれる限り、彼についていこうかな。
さとちゃん。好きだよ。気付いてね?
前編 終
うぇーーいめっちゃ長くなりましたね。読んでくださった方、スクロールお疲れ様でした!まぁ前編なんで後編もあるんですがね(笑)また頑張ってスクロールしてください。
ハルトレイン好きすぎ人間なんですよ。誰かわかってください。あと桃くんと赤くんのあの声!マッチングし過ぎなんだよ!最高かよ〜〜!!!!ってことですはい。