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今世こそは青春を謳歌…って謳歌するどころかモテモテですが!? NO.3
ガタン‥ゴトン‥。
『次ハ 学園都市 学園都市 月桜坂学園ニ御用ノ方ハ次デオ降リクダサイ』
無機質な音声が俺に降りろって言ってる。
そうそう、前回い忘れてたけどさ、俺、ドクターストップで入学式間に合わなかったんだよな。入学式4月1日あったらしくて。でも俺、退院したの4月3日だし。
てまあ、色々な事ありながら俺はこれまで欠席してた扱いらしいね。
__「ね、あの子男の子だよね?すっごいカッコよくない?」__
__「だ、だよね。あの制服、月桜坂の制服だよ」__
さっきから俺の周りざわついてるんだよな。さっき俺が学生っぽい人に席譲ったからかな?ま、いいや。
__「ねえ、月桜坂ってことは次の駅で降りちゃうよ」__
__「そ、そんなー」__
大丈夫。きっと俺以外の誰かの人の話してるんだよ。
そんなこと考えてた俺の目の前に、家の鍵っぽいものが落ちてきた。多分、前のJkの物だろう。
「あ、あのこれ…違いますか?」
とりあえず聞いてみた。家の鍵だったら大変だからね。
「ありがとうございます。その鍵、私のです。ほんっとにありがとうございます!」
「あ、ダイジョーブですよ。気を付けてくださいね」
「は…はい…!」
俺は苦笑いしながら返した。お姉さんはバッグの奥の方に手を突っ込んで鍵をしまった。
__「苦笑いカッコよすぎるよ!」__
__「てか、この御時世、男の人が電車乗ってるとかレアすぎる!」__
__「会社で自慢してやろ」__
__「奴め…確信犯だな…わざと落としたな…」__
そんな声が聞こえた気がした。うん。気のせい気のせい。
学園都市駅はその名前のまんま。学園都市に建てられている。ちなみに、俺がこれから行く月桜坂学園は学園都市の端っこに建つ山を、丸っと使って建てられてるすごい広い場所らしい。
学園都市中心部にある駅は、そこから各施設に向けてバスが出ている。月桜坂学園行きはえーっとどこの乗り口だっけか。
スマホで調べたら1階北側の12番乗り口って書いてあった。え~っと?12番?ヤバい…わからん。人に聞くか…。今日は土曜ってこともあってか人通りは多かった。
「あ、すみません。12番バス乗り場ってどこですか?」
とりあえず近くにいた人に声かけた。多分、俺と同世代かちょっと上。
「あ、12番ならそこを右に曲がって外に出ればあるよ」
笑って教えてくれた。よかった~。いい人で。
「ありがとうございます」
俺はとりあえず笑顔を返して、道を歩き出した。スマホの時計みると7時56分。しゅ、出発まであと3分しかない。いや…あと3分なら焦ることもない。カプラー作る時の3分はとても長いから。いや、でも、なんか、待っている時の時間はとても長く感じるみたいなことを聞いたことがあるような…。
とりあえず俺は走りだした。