公開中
幼馴染のツンデレくん ep.2 隠し事
キャラデザはわざわざイラストで描こうと思ってないので
キャラ像はお好みでどうぞ!
放課後、HRが終わると先生に呼ばれ、先生の|お手伝い《雑用係》をしてクラスメイトより
帰るのが遅くなっちゃった。
手伝いが終わって電車で帰ろうとホームに行くと、そこで電車を待つ大和がいた。
「大和、いつもクラスで一番先に教室出るくらい早いのに今日は遅いね。」
私が話しかけると、大和に驚かれた。
「ちょっと放課後学校の近くに用事があって。」
目が合わないなぁ。
「目が合わない時って、大和何か隠し事とか嘘とかついてるよね?」
「別に何も無い。空が綺麗だなって見てただけ。」
改めて空を見てみたら、綺麗とは言えなかった。
半分空は雲で覆われてるし、大和が向いてるのは太陽と真逆の方向。
というか、まだ夕焼けという夕焼けの時間帯でもない。
「言い訳が苦しいよー」
「とにかく、胡桃には関係ない。」
「ああ、そう。」
そこで会話は途切れ、無言で電車に乗り、少し間を開けて何も会話せずに帰った。
何を隠してるんだろう。
何かケガしたのかな?
何か買いに行ってたとか?いや、それだったら隠さなくていいはずだよね。
だとしたら、もしかして彼女ができちゃったとか…?
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
自分の部屋で叫んじゃった。
推しの幸せは願いたいけれど、彼女できたとかだったら言ってほしい!
んーでもやっぱ推しを取られるのは悔しいかも!
いや、待てよ。
いつも大和と話してたから忘れてたけど、そういや大和って極度のクールだった。
中学の時にクラスメイトの女子に
『胡桃ちゃんよく黒瀬と話せるよね。黒瀬って外見はイケメンだけど
内面はクール通り越して寒波だからちょっと彼氏にはできないなぁ。』
って言われたんだよね。
きっと大和には仲良い人とそれ以外の壁?みたいなものがあるだけで
話せば仲良くなれると思うんだよなぁ…
って!大和に彼女ができたかもだっけ!まだ確定ではないけど!
「…お幸せに…?」
なんでだろう、今までだったらきっと素直に応援してただろうなぁ。
これが同担拒否ってやつなのかな…?
まあ、大和が教えてくれるまでそのままでいっか。
テスト勉強しなきゃ!
---
〈Side 大和〉
家に帰って、自分の部屋に入ると、いきなり全身の力が抜けた。
「はぁ、なんとか耐えた…」
先にもう帰ってると思ってたのにまさか電車のホームで胡桃に会うなんて。
バッグの中からラッピングされた袋を取り出す。
「誕プレ買ったの、バレなくてよかった。」
1学期の期末テストが終わったら胡桃の誕生日だから、
プレゼントに桃の香りのハンドクリームを買っておいた。
売ってる店に女性しかいなくて実はちょっと恥ずかしかった。
ちなみに理由は、胡桃には“桃“って漢字入ってるし、
金木犀の香りのもあったけれど季節が違ったから桃の香りを選んだ。
あと、これは絶対に気づかれないと思いたい。
桃の花の花言葉は『私はあなたの虜』。
「幼馴染が一番いいポジションな気もするし、付き合いたい気持ちもあるし…」
これは明智に聞いた話だが、胡桃にとって俺は“推し”らしい。
きっとこの恋は叶わないけれど、俺は胡桃がずっと好きだ。
少なくとも小学生の時からずっと好きだ。
だから、付き合えなくてもいいから隣に居させてよ、胡桃。
---
〈Side 胡桃〉
キーンコーンカーンコーン♫
やばい。テストが、終わっちゃったよ。
2つの意味でね。
思った以上に解けなかったことと、テスト自体は終わったってこと。
「胡桃ー、一緒に帰ろー!」
「うん!」
テスト自体は終わったから今日はこれから美結と遊びに行くんだ!
学校を出てスマホをいじりながら2人で歩く。
「どこ行く?」
「まずは糖分補給に駅前のクレープ屋行こ。」
クレープ屋の写真を美結が見せてくれた。
「わ、美味しそう、早く行こ!」
そのクレープ屋で買ったいちごとチョコレートのクレープが美味しかった!
「糖分補給って大事だなぁ。腹が減っては遊べぬって感じ?」
「確かに腹が減っては遊べぬ。」
それからカラオケに行ったり、お揃いで色付きリップを買ってみたり。
めっちゃくちゃ充実した午後になった。
帰ろうとすると、美結に引き止められた。
「胡桃」
「ん?どうしたの、美結。」
「え、もしかして今日が何の日か気づいてないの?」
「何の日だっけ、何かの記念日?」
美結が苦笑いした。え、本当に何かあったっけ。
「今日はさ、7月1日…胡桃の誕生日。」
今日?7月1日…誕生日…
「わ、えっ!完全に忘れてた!テストのことしか頭になくて!」
「ですよねー…なんかそんな感じしてた。で、ハッピーバースデー、胡桃。」
そう言って美結はプレゼントをくれた。
「今日買っておいたの。中身は後で見て。気に入ってくれるといいなぁ。」
「え!いつ買ったの!全然気づかなかった!」
「気付かれないように買ったから、そりゃぁね。」
「本当にありがとう!じゃあ、また明日ね。」
「うん。バイバイ。」
帰って美結のくれたプレゼントの袋を開けてみると、
中身は雑貨屋で売っていた月と星の形をした金色のイヤリングだった。
「これ、私が可愛いって思ったやつ。」
確か美結にどのイヤリングが可愛いと思う?って聞かれたよね。
あれ、美結が買って使うためにセンス的な問題で質問してきたと思ってた。
誕生日、か。嬉しいなぁ。
私が1人で喜んでいると、部屋の窓を叩く音がした。
これは大和と私が話すときに使う親にも秘密の合図。
幼馴染になった一番の理由って、家が隣だったからなんだよね。
どうしたんだろう。え、お祝いとか期待しちゃってもいいのかな?
推しから?え、無理!心臓もたない!
おそるおそる窓を開けると、予想通り大和がいた。
「遅い。一応7月ではあるけど夜はちょっと肌寒いんだよ。」
「ごめんごめん。…で、どうしたの?」
「えっと、誕プレ渡しに。」
「え、本当に?嬉しい、ありがとう!」
大和が渡してきた袋は両手に収まるくらいの大きさ。
何が入ってるんだろう?
「ここで開封してもいい?」
「いいけど…恥ずいな、何か。」
照れてる推しも最高!
そう思いながら袋を開けてみると…
「ハンドクリームだ!え、桃の香り好きだから嬉しい!
ねぇ、もしかして桃の香りなのって胡桃の字に“桃”が入ってるから、とか?」
考えすぎかな…?
「…合ってる。胡桃って何か勘が鋭いよな、バレないと思ってたんだけど。」
まさかの!合ってた!
「大事にするね!んープレゼントだし…観賞用とかにしちゃう?」
「いや使えよw」
しまった、心の中にいるオタクの私の声が口から出てきてしまった…!
まあ、ボケとか冗談とか思ってくれてそうだし、OK!(?)
「冗談冗談、ちゃんと使うから!w」
「おう。あ、そうだ言い忘れてたな。誕生日おめでとう。」
「ありがとう。ふふ、これでまた大和より年上w」
「それで喜ぶのはガキだw」
何かプレゼントを貰ってから口角が上がりっぱなしだ、ちょっとキモい。
テンションがちょっとバグっちゃってる。
意味はわからないけれど、笑いが込み上げてきて2人で笑い合う。
やっぱ、学校の他人モードよりこっちの方が楽しい!
笑い終わった後、ふとあることを思い出した。
今、あの時のことを聞いてみようかな…?
でも、空気悪くなったら…いや、勢いで聞いてみる?
「そろそろ部屋戻ろ。」
「あ…」
「どうかしたか?何か…カオナシ化してるけど。」
「あの、えっと…言葉がまとまらない、ちょっと待って。」
んーこれは、勢いで言っちゃう?
大和も待ってるし、このまま何でも無いで終わらせるのも気まずい。
よし、言おう。
「この前、駅のホームで会った時。何を隠してたの?」
胡桃の心の声のテンション感が作者もわからなくなってきたw