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するがチャット
「なぁ扇くん」
「なんでしょう駿河先輩」
「君、私の事をなんで呼んでる?」
「神原先輩の事をなんて呼んでいるかって質問
ですか?そりゃあ神原先輩でしょう」
「やっぱりな」
「なんですか?後輩の言葉尻を捉えて、いい気になりたいんですか?」
「人聞の悪い事を言うんじゃない。君、私の事を駿河先輩って言ったり神原先輩って言ったりしてるだろ。どっちか一つの呼び方に
固定しろ」
「えー、そんな細かい事気にしませんよ誰も」
「私が気にする大いに気にする」
「ぐちぐち煩いなぁ神原は」
「先輩を呼び捨てにするな。そしてさらっと
タメ口を使うな」
「煩い口はキスで塞いでやろうかって台詞、
ありがちですけど実際されたらちょっとや
ですよね」
「話を飛ばすんじゃない。ちょっとやより結構
嫌だよ?話を遮られてるのと同じだからな
アレ、そういう雰囲気に持ち込んで逸らしてるだけで」
「じゃあ駿河の事なんて呼んだらいいん
ですか?」
「だから呼び捨てにするな。神原先輩か駿河
先輩どっちかに統一しろと言っているんだよ、私は!」
「人生全敗のくせに煩いですね、人生先輩」
「やめろその呼び方!今までの呼び方のうち
1番嫌だ、今すぐやめろ」
「やなこった」
「やなこったじゃないやめろ」
「やめろと言われて嫌だと言っても、その
やめろと言われた行動をするかと言われたら
そうじゃないですよね」
「頭が痛くなるタイプの話をするな!そして
また話を逸らすな!人生先輩とかいう呼名も
最悪だけど話を明らかに逸らそうとされるのもいやだな!」
「煩い口です。キスで塞いでやりましょうか」
「話を遮るな。君とキスするとかあんまり想像
したくないな、できないし」
「なんなら今しちゃいます?」
「そこから一歩でも動いたらこのゴミ山を投擲
するからな」
「ようやくここで周囲の状況を説明
しましたか。おっそいですね、馬鹿じゃない
ですか?」
「だから先輩に向かって馬鹿とか言うなって。
確かに今の今まで何も言わなかったけどさ」
「えー、なんの話でしたっけ?神原先輩が
ベロチュードクとかいう駄洒落に爆笑した話
でしたっけ?」
「違うよ、それ戦場ヶ原先輩の話だろ?しかも
私別に爆笑とかしてないから」
「じゃあ何なんですか?犯人はヤスって話
ですか?僕にネタバレとかいい度胸ですね」
「もはやなんの関係も無い話になってるし。
犯人はヤスとか、なんならタイトルよりも有名だろ。ミステリーとか推理ものが好きな君なら普通に知ってるんじゃないのか?」
「ゲームは専門外なんです」
「じゃあネタバレしてもいいだろ」
「それはなんか違うじゃないですかー、ほら、
こう、なんか、ね?」
「ね?とか言われても分かるか」
「神原先輩だし、わからないのもしょうがない
です」
「本当に腹が立つな〜この後輩」
「はっはー。逆に神原先輩も、扇くんと呼ばずに、扇と呼び捨てにしてもいいですよ?」
「神原先輩もってそれ、君も呼び捨てにしようとしてるじゃないか。嫌だよ、しないよ。何が
あったら君を呼び捨てにすることになるんだ」
「そりゃあ、結婚した時だろ?」
「だからタメ口やめろ。なんだよ、また副音声の時みたいにプロポーズしまくろうとしてる
のか?やめてくれよ、あの後、挑発的な長髪をした阿良々木先輩から、『神原お前、後輩に
手を出し始めたのか…?』って引かれたん
だから。一体どんな勘違いなんだか…」
「確かにとんだ勘違いですね。
後輩が先輩に手を出し始めたと言った方がまだマシです」
「その言い方も最悪だよ」
「あーあ、せっかく神原先輩の家に遊びに来たのに、片付けを手伝わされるとか。
がっかりですよ」
「何にがっかりしているのか知らないけど君、勝手に来てるんだからな?私は呼んでない」
「そうでした。うっかりうっかり」
「君の場合わざとだとしか思えないんだよ」
「ははぁ、ならばノリに乗ってかみまみたと
言っておきましょうか。まみまみま」
「あの八九寺真宵ちゃんよりも噛みまくって
いるじゃないか…」
「八九寺ちゃんも今や神様ですかぁ、感慨深い
ものが無いでもないですね」
「君の場合、八九寺ちゃんの方じゃなくて、
前任の千石ちゃんの方に思うところがあれよ」
「まぁ無いとは言わないですけど、それは私の話であって僕の話じゃないですからねぇ。
八九寺ちゃんも同様ですけど、僕は何とも
思いません」
「なんだよそのふわふわした物言い」
「どうせ神原先輩には分からないことですし
分からなくていいことです。そもそもこの話の始まりを忘れてしまっているような神原先輩
には、殊更意味の無い話でした」
「なんで君そんなに普通の会話の合間に悪口を
言えるんだよ、才能か?」
「才能がある人というのは、神原先輩や、羽川先輩、戦場ヶ原先輩のことを指します。
戦場ヶ原先輩と比べて僕はそんなに上手いこと言えるわけでも無いですからね。才はないと
言えましょう」
「お、おぅ…。戦場ヶ原先輩と比べてしまうと、誰だって上手く言えて無いような気がするけど」
「さ、手を動かしてくださいよ。
まさかほんとにキスでもしないといけないん
ですか?僕はしませんからね、自分でよろしくやってくださいよ」
「君、今自分が、勝手に来て勝手に手伝って
いるという事を理解してるか?」
「勿論」
「じゃあなんなんだその態度」
「ついやりたくなっちゃって」
「ついやりたくなっちゃって、であんな態度
取られた私の気持ちにもなれよ」
「あなたじゃないので気持ちになることは
出来ません」
「なんだよいきなり塩対応だな、あとキッパリ
言い切るんじゃない」
「塩対応の反対って、砂糖対応なんですかね?
その場合砂糖対応って何って話ですけど」
「もう収拾がつかないからやめろ」
「さいですか。じゃあどうやってこの話を
締めるんですか?」
「何で…ってそりゃあここはコールで締めたら
いいだろ?」
「タイガー!ファイアー!サイバー!
ファイバー!ダイバー!バイバー!
ジャージャー!」
「それはアイドルのコール」
「それじゃあ、キャベツとコーンを、
マヨネーズベースのドレッシングで和えた
サラダを作って終了という事ですね」
「それはコールスロー」
「じゃあ患者が看護師に用事や病状の変化を
知らせる為に押すアレを押すんですか?」
「それはナースコール」
「あぁ、キャンプ用品を多く販売している
ブランドの商品を購入紹介すると」
「それはコールマン…ってなんでコールセンターが出てこないんだよ」
「コールガールも行こうと思ったんですけど、
流石にR18くらっちゃうかなってやめました」
「微妙に話が噛み合ってないな。しかもコール
ガールって…本当に言わなくてよかったよ」
「いい仕事したでしょう?」
「してないよ」
「ちぇっ。」
「君はエーミールか?」
「そうかそうか、つまり君はそんな奴
なんだな」
「冷然と、正義を盾に、侮るように私の前に
立っていた…って冷然でも何でもないし君が
正義を盾にするとか想像がつかないけど」
「次にその文が出てくるのは流石ですけれど、僕が模範少年であるという事になりますよ?
何も言わなくていいんですか?」
「とっても誘導されているから正直従いたくはないけれど、聞いといてあげよう、君が
模範少年だったら私はどうなるんだよ」
「んー、悪漢?」
「悪漢?じゃないよ。先輩に向かって言うべき
言葉じゃないだろ、私女だし」
「残念、悪漢は悪者という意味にも使えるん
です。勉強不足ですね」
「うざ…」
「後輩に向かってシンプルにうざとか
言わないでくださいよ。もしも僕が気に病んで泣いちゃったらどう責任取るんです?」
「逆逆、君に私が泣かされてるんだよ」
「結構なお手前で」
「茶道みたいに締めようとするな」
「砂糖?また砂糖対応の話ですか?自分で
やめろと言っておきながら、やっぱり話すん
ですね。ツンデレですか、あなたは」
「違う違う、煎茶の茶に道理の道と書く茶道だと言ったんだ」
「あー、茶頭」
「惜しいけど違うんだよ…誰も茶髪の頭なんて
してないだろ」
「?…あー……これは、またしても神原先輩の
無知が知れ渡ってしまいますね」
「はぁ?」
「茶頭の事を、漢字を見て馬鹿正直に茶髪の頭だと思ってらっしゃるようですが。茶事を掌る頭という意味ですよ」
「えっ、そうなのか?」
「そうです。あーあ、またがっかりしちゃい
ました。阿良々木先輩は愚かな人でしたけど、
神原先輩は馬鹿な人ですね。ふふふ、馬鹿だ」
「笑い方を上品にしても言ってることは大分
酷いからな。先輩に向かって馬鹿な人とか」
「おい神原」
「またタメ口使ってくるよこの後輩…」
「お前それで今後やっていけると思ってる
のか」
「す、すいません…?」
「すいませんじゃないだろ、はいかYESで
答えろ」
「YES…?」
「舐めてんのか」
「君がだよ」
「戻っちゃった」
「なんだその選択肢。はいかYESって。どんな
ブラック企業だ」
「ほら、僕って黒いから」
「そうだな、君は本当に黒いよ。腹黒いしな」
「なんと、神原先輩如きに一本取られてしまい
ましたね。屈辱的です」
「如きとか言うな。屈辱的って…」
「まぁ羽川先輩に負けるよりはマシですし。
いいとしましょう」
「どれだけ羽川先輩の事嫌いなんだよ」
「はっはー。で、いつ締めるんですか?神原
先輩とこうして談笑しているのも、僕はとても楽しいですけれど、しかしちょっとした短編
小説ぐらいの文字数にはなってきています」
「君はなんでこうも、そうやってメタフィク
ションに触れていくのかなぁ…。そもそも
メタ発言って御法度だろ」
「いやいや、その考え方は些か古過ぎますよ?
千石ちゃん(の中の人)は別アニメで服のセンスを嘆いていたじゃないですか。アニメの名前は確かポプ」
「わかった、私の誤認だったと認める」
「誤認だったと認めるって、ちょっと変な感じですね」
「茶々を入れるな。そのアニメは、まぁ
そうだとしても、このシリーズでそういう
メタ的な話はしていないだろ」
「残念、化物語時点から挟まれています。
あなたの初出作品であり、記念すべきシリーズの一作目だというのに、読んでいらっしゃら
ないのですか?」
「私は私が登場するところだけしか読まない」
「流石戦場ヶ原先輩の後輩だけはありますね」
「今思えば、あの時の誉め殺しキャラ、
というか、甘言誉舌キャラも、今じゃ中々
見なくなってしまったな…あの子、元気かな」
「他人事のように言ってますけど、あなたの事
ですからねー。あ、そうだ。久々に誉め殺し
キャラ、復活させてみたらどうです?阿良々木先輩達を久々に褒めちぎってみては?」
「この散らかった部屋には私と君しかいないん
だから言ったとしても意味ないだろ、あと君の前では言いたくない」
「でも、私の前だと普通に言ってません
でしたか?僕の前では言ったことが無くても」
「…?何言ってるんだ?」
「いえ失敬、関係のない事でした」
「失敬というと、君は読んで字の如く失敬だ」
「うわぁ、自分の後輩に向かって酷い
言いよう。阿良々木先輩に泣きついても
いいんですよ?」
「なんだよその脅し」
「戦場ヶ原先輩に言ってもいいです」
「君と戦場ヶ原先輩って面識あったか?」
「いいえ、ないです」
「だろうな」
「そうだそうだ、さっきの神原先輩の"君は
読んで字の如く失敬だな"という発言の意味が、わからない人がいるかもしれないので補足しておきましょう。失敬を分解すると、"失う"と
"敬う"になります。つまり神原先輩は、僕が
神原先輩に対する敬意を失っているという
意味合いで言ったのです」
「やめろよその解説。恥ずかしくなるだろ」
「どうぞ存分に恥ずかしくなってください。
その様子を僕は全世界推定百八十万人の皆様にコンバトラーと叫びながら詳しくお知らせ
いたしますので」
「恥ずかしくなれるか。顔が赤くなるどころか
青くなるわ。あと推定人口少なすぎだろ」
「八九寺ちゃんのセリフを真似しようと
思ったんですけどね、何人だったか
忘れちゃいました」
「そうか…。いやほんと、いつ締めよう?」
「また締め方の話だ。それ4回目ですから」
「一応言っておくが、扇くんが2回言っている
からな?」
「あはは、申し訳ないです」
「その割には笑ってるが」
「あはははは、はははは、あははは」
「笑い過ぎだろ!?」
「はは、あはは、はーっ、ははっ、はーっ」
「落ち着いたか…?いきなりなんで笑い出したんだよ、びっくりしただろ」
「なんか、神原先輩の顔を見たら。ははっ。
笑えてきちゃって。ふふっ。あーほんと。
ははっ。可笑しい人っ。ふふ。
あなたの事好きですよ、ははっ」
「笑いながら好きですとか言われても、一ミリもキュンとしないな。しかも人の顔見て
大笑いするとか。ましてや好きだとかファン
だとか称する人の事を。酷いやつだよ、
君の方が」
「でも僕の事、嫌いではないですよね?
甘っちょろい人ですよねー、あなたも、
阿良々木先輩も」
「ぐうの音も出ないけれど、先輩に向かって
甘っちょろい人とか言うな」
「そっちの片付け終わりました?」
「切り替え早いな…ってもうそっち側
終わったのか?」
「そりゃあ何十分も経ってたら終わりますよ。
一体あなたはいつまでかかるんですか」
「うっ…。い、一旦休憩を入れよう。
あー私、喉乾いたなー、水飲んでくるよ」
「僕の分、持ってきて下さいよ?」
「図々しい後輩め…。掃除の手伝い、
助かってるから持ってくるけどさ」
「麦茶でお願いします、氷入りで」
「やっぱ図々しいな君」
「暑いんですもん、冷房が付いてても冷たい
飲み物くらい欲しくなります。アイスを
所望してないだけいいと思ってください。
斧乃木ちゃん呼び出しますよ?」
「私の家のアイスが食い尽くされるっ?!」
「まぁ、あの斧乃木ちゃんもそこまでは
食べないと思いますけど」
「じゃあ、私キッチンに行ってくるから。
そこら辺のBL読んで待っててくれ」
「誰が読むかってんです…………はぁ」