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3 迎えた試験
「…お母さん、行ってきます」
「行ってらっしゃい、全力で頑張りなさい」
「応援してるわ」
今日は、まちにまった試験当日。
お母さんに手を振って、電車に乗って。
いよいよ試験会場。
「…緊張する、やばい…」(とことこ
緊張しながら試験開場に歩く。
その時だった。
「ぅわッ、!?」(どんっ
前を見れておらず、誰かとぶつかった。
(耳と尻尾がついてる、…目の色綺麗だなぁ、)
「あわわわ、すみませんっ!!」
「すみませんっ…!」
髪の色が綺麗にグラデーションになっていて、綺麗。
「けっ、怪我してないですか!?前見れてなくて…ごめんなさい!」
「…大丈夫、です…受験、ですよね」
「ぁ、ぇと、そうです!」
「…じゃあ、お互い、頑張りましょう…入学、しましょうね」
「…!はい!ありがとうございます!」
頭を下げて、別れた。
声も綺麗だったし、容姿も整っている。
「…よし!がんばろ!」
私は、改めて気合を入れて歩き出した。
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試験後。
「…あぁぁ~っ…!」
私は、1人でドーナツショップに来ていた。
問題冊子とにらめっこ。
「疲れた…」
1教科終わってから伸びをすると、朝ぶつかった子と目があった。
その子が、ぺこっと頭を下げてこちらに来る。
「えっと、…朝、ぶつかった人、…」
「そうだよ、!神崎莉菜、です、!」
「呼び方は自由でいいし、同い年だから、タメ口で、いいよ…?」
「ぁ、、、ぇ、、、り、莉菜ちゃん、、、?よ、、、よろしくね、、、!」
「あきは、…一之瀬、秋斗…だよ、」
「あきくん、って呼んでもいい?」
「…」(こくっ
あきくんは頷いた。
「…莉菜、ちゃんは、悪魔、?」
「うん、ハーフなんだ」
「あきもハーフ、…狐と、犬の」
「だから耳ついてるんだ、!」
「……勉強、悩んでるの?」
「ぁ、そう…どうしても解けない問題があって…」
買ってあったドーナツを齧りながら言う。
「ひょれをひゅっとかんはえへはんらけほ…」
「…んふ、っ…w」
「なんて言ってるの、?w」
「ひょめんひょめん…」(ごくんっ
「…ぁ、…あきも、ドーナツ、買ってきていい?」
「いいよ!」
あきくんはドーナツのショーケースの方に向かった。
2人でドーナツを食べながら雑談していると、ハエが。
まさに阿鼻叫喚だった。
2人で虫だ虫だとわぁわぁ叫び、走り回った上にトイレに逃げ込んで虫をトイレに閉じ込め。
ようやく席に戻ると息は上がってた。
「…はぁ、はぁ…」
「…っふ、あははははwww」
2人でげらげら笑ってドーナツを食べて。
少し雑談をして帰った。
一年生 クリメネ 一之瀬 秋斗