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幻獣の宝玉
とある昔話でも。
昔々ある世界線の神獣界に、とても優しく穏やかな竜がいました。
その竜······聖竜は、数少ない光蝋の民の希望でもありました。
ある時、竜は興味本位で"闇"を覗いてしまいました。
彼は"闇"を知らなかった為です。
「光の民は闇に弱い。」
この言葉の通り、竜の身体は一瞬にして"闇"に呑まれました。
嘗ての輝きは失われ、闇を纏う竜へと姿を変えてしまったのです。
竜は嘆き悲しみ、自分の浅はかさを呪いました。
光の民もまた、闇に呑まれた竜を嘆き、絶望しました。
そんな悲しむ竜の前に、闇を統治する支配者が現れました。
支配者は、「闇に呑まれた者は、二度と嘗ての姿には戻れない。」と言いました。
竜はますます悲しみましたが、支配者の話には続きがありました。
「しかし······神獣の闇喰、聖竜サンクチュアリのお前なら、助かる術は一つある。首にさがる飾りの窪みに、幻獣の宝玉を入れろ。」
幻獣の宝玉。
それは、入手が困難とされる10の宝玉の事。
炎の幻獣が持つ、火炎の宝玉
雷の幻獣が持つ、雷撃の宝玉
氷の幻獣が持つ、雹雪の宝玉
天の幻獣が持つ、雨天の宝玉
空の幻獣が持つ、神鳥の宝玉
地の幻獣が持つ、地核の宝玉
水の幻獣が持つ、紫水の宝玉
闇の幻獣が持つ、漆黒の宝玉
光の幻獣が持つ、聖憐の宝玉
音の幻獣が持つ、和音の宝玉
これらの宝玉を揃え、首飾りの窪みにはめる事で、闇から解放されるかも知れないと言うのです。
聖竜は、どれだけ時間がかかっても宝玉を揃える決心をしました。
「この世界線には宝玉は無いと分かっている······探すなら他の世界線を当たるんだな。」
支配者は言いました。
それは、アドバイスであると同時に「この世界線から出て行かなくてはならない」という辛い選択でもありました。
住み慣れたこの世界線を後にするのはとても心細い事でしたが、それでも竜は、自らの過ちを償う為に、長く遠く鳴きながら、虚空に開いた異世界の入り口へ消えてゆきました。
その鳴き声がどこか悲しげで、天へと昇るその姿は、闇に包まれていながらも美しく神聖だったといいます。
聖竜は、様々な世界線を旅しました。
しかし、そもそも宝玉がある世界線も、どの様にして宝玉が存在しているのかも教えられていなかった為、とても苦労しました。
聖竜はいつ、宝玉を揃える事が出来るのでしょうね。
聖竜は今でも空を飛んで、宝玉を探し続けています。
聖竜は時を超え、世界線をも超えて宝玉を探しています。
もし、神獣の闇喰、聖竜サンクチュアリを物語で見かけたら首飾りを見てみてください。
もしかしたら飾りにはめられた宝玉の数で、世界線の時系列が分かるかも知れませんね。
幻獣は隠れてはいません。
幻獣になっていないだけです。
幻獣では無いだけで、とても身近な場所にいます。
きっともう、君達は認知しているかもね。