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奴隷天使#4
私の名前が決まってから数分後。
「他になにか質問はある?ちなみに面接はあと1時間だよ。」
とリアムに言われたことではっとした。
あとは何を質問しよう?
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《質問》
▫もし、キミを選ばなかったらキミはどうなる?◀
▫おなかすいた
▫なんで私が選ぶ|『役職』《ポスト》になったの?
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また選択バーが出てきた。一体何なんだろう?
一つおかしいのがある気がするけれど。
「じゃ、『もし、キミを選ばなかったらキミはどうなる?』を選択してみようかな。一番気になるしね」
軽く触れると、選択バーは光の粒になって崩れる。
「何回見ても不思議だなぁ。」
つぶやいてしまった。
リアムには不思議そうな表情をされたが、まあいいだろう。
「もし、キミを選ばなかったらキミはどうなる?」
やはり意思とは関係なく言葉が出た。
選択すると絶対に言わなければならない|仕組み《プログラムシステム》のようだ。
「...」
リアムは少しつらそうな顔をした。
「...―選ばれなかった場合は、|役立たず《イヌーティル》として処分されるよ。人間界にも天界にも戻れないまま、殺される。生き残れる可能性は零に近い。だから奴隷天使は選ばれようと必死なんだ。ボクみたいにね」
流石にそれはひどい。頑張ってきたはずの奴隷天使が、選ばれなかったら処分されてしまうなんて―
「ひどい話だよ!キミたちは頑張ってきて選ばれようと必死なのにっ...」
いくらなんでもひどい。白衣の男たち?はそんなに薄情なのだろうか...
そんなことなら―
「ここから逃げ出そうよ。あんな奴らの言うことを聞く筋合いなんてないんだから」
そう。逃げ出してしまえばいいんだ。
成功するかどうかさえわからないし、リアムも賛同してくれるかはわからないけれど、ね。
でもどうでもいい。私はリアムを助けたいから。
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「ここから逃げ出そうよ。あんな奴らの言うことを聞く筋合いなんてないんだから」
ルナにそう言われたとき、とても驚いてしまった。
あの男達には絶対に逆らえない。
逆らえば、あの仲間たちのように―
(逃げ出そうとしたならば―あの男達は絶対に気づくでしょう。処分されるのがボクだけならまだいいけれど、ルナまでは―)
「...っ、だめだよ!」
「え...?」
ルナには悪いと思う。だけど、逃げ出すなんてそもそも不可能だ。
「あの男達は、このセカイの管理者のような奴らなんだ…そんな奴らに逆らったら、ボクもキミも処分されてしまう―」
そう。逃げ出したい気持ちならボクも同じだ。
今までだって逃げ出そうとしてきた。でも、そのたびにまるで見ていたかのように彼奴等が来るのだ。
『いけませんねぇ、ここから逃げようとするなんて』
あのときの冷たい瞳―
あれは、ボクを天使としても見ていない証だ。
それに、逆らおうとしたならば、ボクのペンダントから|天罰《ばつ》をくらう。
あれだけは二度とごめんだ。
「確かに逃げ出したい。ボクもそうだ。だけれど、あの男達には勝てないから―」
だから、ごめんね、ルナ。
終わり方中途半端ですみません…