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愛という名の呪い。 3話
ピクニックはもう終わったことになってます!
(その部分飛ばしちゃってごめんなさい)
ピクニックが終わって、その場所に小屋を建てて今日は過ごすことにした。
「こんな能力があるなんて…!アイヌさんはすごいね!」
「さん付けはいらない。アイヌでいい。」
「あ、私もライヴって呼んでね。」
「うん、わかった。」
「そういえば2人は魔法能力が強いことでいじめられてたみたいだけど…
どんな能力を持ってるの?」
布団を敷きながらライヴが2人に聞いた。
「え、こんな家を建てるなんてことはできないよ⁉」
「そんなことはいいから…教えてほしいな!アイヌもそう思うでしょ?」
「あー…うん、そうだな。」
先にめありが喋り出した。
「えっと、私の特選能力は『|連鎌《れんがま》』っていう、敵に向けて
大きな鎌を振るうことができる能力なんだ。
攻撃が当たらなくても、その範囲は毒の粉が舞うんだ!」
特選能力っていうのは、その人の中で一番強い・一番得意な能力のことだ。
次にえみりが喋り出した。
「私の特選能力は『|連爆《れんばく》』っていうの。これを使うと
私から半径1.5m以内にいる人は吹っ飛んでいっちゃうんだ!
力のコントロールをすれば小さい爆発も起こせて、その方が威力は高いんだ!」
「え、二人とも普通に強すぎない⁉」
「それな。私たちはこんな能力を持っていない。」
「見た目で油断した人たちはばこーんってなっちゃう!」
そう言ってえみりはニコニコと笑った。
うん、普通に二人の能力が強すぎる。
これは…私たちが守るまでもないんじゃないのか?w
朝が来た。
「アイヌアイヌ、今日はどこに行くの?」
「えーっと、音楽が盛んな地域?街?が近くにあるから、そこに行ってみるか。」
「音楽…ってことは、歌⁉楽器⁉」
「そうそう。二人は音楽が好きなのか?」
「うん!小さい頃は3年間、二人ともピアノを習ってたんだ!」
「ピアノは辞めちゃったの?」
「うん…近くに住む人たちが、先生の家のピアノの音が近所迷惑だって言われて…
ピアノ教室が閉じちゃったんだ。」
「近所迷惑か…それは仕方ないね。」
「その話一回終わりにしていいか?
今日は歩かずに、電車を使っていこうと思う。」
「何で?」
「海を渡るから。景色がいいと有名な列車もあるみたいだし、乗ってみよう。」
「列車⁉楽しみだなぁ」
「アイヌ、あそこに見えるのが駅?」
「ん?ライヴ、能力使って見てるのか?」
「うん。距離が知りたいからね。ずっと歩くのって退屈でしょ?」
「無駄な魔法能力の消費はやめとけ。体力がもたなくなっても知らないけど。」
「魔法能力ならいっぱい温存してるからいいの。」
そんな会話を繰り返してると、駅に着いた。
「ここが駅かぁ!大きいね!」
「この辺りで一番大きな駅らしい。立派だな。」
「早く列車乗りたい!」
「はいはい。切符買ったら乗ろうな。」
電車の中から海の見える景色を楽しみ、列車を降り、駅の構内から出た。
「これが音楽の盛んな街?」
「へぇ、正式名称は”カンタービレシティ”っていうんだね。
カンタービレって歌うように、みたいな意味があったよね。この街にぴったり。」
「物知りだな。」
「さっきの列車の中で少し音楽用語を勉強してたんだ。」
街を歩いていると、人に声をかけられた。
「あなたたちは旅人ですか?」
「はい、そうですけど…何か私たちに用があるんですか?」
「今日はカンタービレシティの音楽祭をやっていまして。是非参加してほしくて。」
「音楽祭っていうのは何なの?」
「この街ができて200年経った記念の祭典です。いろんな人たちが
いろんな場所で音を奏でているんです。」
「へぇ、面白そう!ねぇ、アイヌ。行ってみようよ!」
「分かった分かった。行ってみるか。」
「「やったぁ!」」
カンタービレシティの中心地辺りに来てみると、さっきの人が言っていたように
音楽が至る所で流れていた。
「うわぁ、すごい!この楽器見たことない!」
「この楽器は、オーボエっていうんです。綺麗な音でしょう?」
めありやえみりも楽しんでいるようでよかった。
「アイヌもどこか見に行かないの?」
「あぁ。私はこういうところはうるさくて好きではないんだ。
音楽を聴くのは癒されるけれど、人々の会話には興味がない。
ライヴこそ、どこかに行かないのか?」
「私はアイヌと一緒にまわっていきたいんだ。
もっとアイヌと仲良くなりたいし、もっと知りたい。」
「なんでそう思うのかは全く分からない。でも、私もライヴのことを
分かりたいって今思った。」
「とりあえず、ベンチにでも座ろうか。」
「そうだな。立ったままだと足が疲れる。二人も一応幼稚園児ではないんだし
いろいろ分かってくれることを願おう。」
「うん。そういえばここって本当に色んな楽器を色んな人が演奏してるね。」
「あぁ…」
確かに、楽器はもちろん広い年代の人たちが演奏している。
フルートを吹くおばあさんに、トランペットとホルンでアンサンブルするおじさん達。
私たちと同じくらいの年だと思われる男の子も竪琴を奏でている。
それから少し話さない時間ができて、ライヴがまた話したのは10分も経った後。
「もうこんな時間なんだね。めありとえみりを探しておやつでも食べない?」
「そうしよう。確かこの街は音符の形をしたバタークッキーが有名だったはず。
さっき調べてたんだ。」
「へぇ、美味しそうだね。」
「早く探そう。」
「うん」
「あ、またあの人たちがいる。偶然だな。
僕のことには気づいてないんだろうなぁ…
いいこと思い付いた。あの人たちを追いかけてみよう。」
少年がこんなことを呟いていたことに、アイヌとライヴは気が付かなかった。
少年はどんな能力を持ってるのか気になる人いますかー!
次回はアイヌたちと直接話をする回がやってくるかもしれない(?)
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