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天界にて
目を開けると、眩しすぎるほどの白い光が見え、とっさに目を閉じた。
明るさレベル狂ってるて…
再度、恐る恐る目を開けると私は雲の上だった。物理的に。
目の前には大きな階段。
天国か?
そう思っていると、何かが降りてきた。
小さくて羽の生えたそいつは…
「天使?」
私―|月雫《るな》は、とっさにそう聞いた。
「ご名答。私は天使。ここは天国の一歩手前の天界だ。」
どうやら私はお亡くなりになられたらしかった。
現世に特に心残りはない。
あ、でもお父さんお母さんには申し訳ないことしたな…
「君に良い知らせと悪い知らせがある。どっちから聞きたい?」
じゃあ悪い知らせから…
「天国の一歩手前まで来てもらったところ悪いが、君は今から地獄行きだ。」
嘘だろ。ほんとに悪いな。陽キャ時代の苦情が祟ったか。
「いい知らせは、天国にはいけないが地獄を回避する方法がある」
ぜひとも教えてくれたまえ。
「この剣、見覚えがあるだろう。」
見覚え…短剣…さては、私の背中に刺さったやつか!?
「この剣は、もともと10本あった。それぞれ色が違うんだ。が、上のお偉いさんがミスをしでかして日本各地に飛んでしまった。」
何してんだよお偉いさん。
「この剣には魔力がこもっている。こうしてひと振りすれば、」
ザクッ
「このように、異空間へと繋がる。」
なんというか、空間が紙みたいに破れて夜空のような青黒い世界が広がっている。
てかどうやって戻すの。
「指でつまめば戻る。」
で、それを何に使えと。
「ここに、短剣をすべて集めて入れてほしい。今週一週間の間に、この短剣で殺された人は5人だ。《《この短剣が誰の力も借りずに》》殺している。その謎を、5人で解明してきてくれ。」
5人…あのおっさんもメンバー入りしているのか?
「君が目撃したおっさんは生き延びた。」
むしろ私はなぜ死んだのかと疑問に思うところである。
「やるな?」
ちょっと待て。
その短剣は私を殺したものであろう。そんなものを持って現世に戻り、解明しろと?
でも地獄行きは勘弁だ。
「わかった。やるわ。ちなみにその5人とは誰なの。変態おっさんズとかやめてよ。」
「今から会わせに行く。はい短剣持った持った。今の君は飛べる状態だから飛んでいくぞ。」
こうして私は、謎の短剣の調査に出向くことになった…