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UI/UX
どこか機械的な白の空間の中で、物がぼとぼとと乱雑に落ちていく音がする。
それは赤や青の色彩に包まれては、全く違うものばかりだったが、必ず現れていた| 黒い星 《ブックマーク》が特徴的だった。
私はそれを使命的に仕分けなければならないとあるはずのない本能的なものがデジタルな脳が指示を出した。
私はその指示に従い、存在しない身体を懸命に動かした。
手は動き続け、頭上に存在する| 箱 《ボックス》に次々と| 黒い星 《ブックマーク》を投げ入れていった。
ようやく、投げ入れたそれは真っ黒の深い地面のように平坦になって、| 箱 《ボックス》の元の白さは中にはない。
どこもかしこも| 黒い星 《ブックマーク》が埋め尽くして、これをこのままにしてもいいのかと私は少し悩んだ。
私は自分自身に触れられない指で| 黒い星 《ブックマーク》に触れ、機械的な指示に埋め尽くされた脳の中で一つの極論に辿りついた。
“一度、バラバラにしてしまえばいいのではないか”と。
要するに、一度片付けたものを出して、また入れ直すわけだ。あべこべな思考ではあるものの、整理整頓の為にはしかたがない。
私は| 箱 《ボックス》をひっくり返し、散らばった| 黒い星 《ブックマーク》を一つ一つ見て、調べていった。
文字で大量に埋め尽くされた| 情報 《サイトデータ》や色とりどりなもので構成された| 情報 《イラストデータ》ばかりだった。
そうして、再度、別けられたものを| 箱 《ボックス》へ入れて命令を完了させた。
私はそれに満足して、腰を下ろした途端、何かが私に触れた。
その瞬間、| 箱 《ボックス》も黒い星| 黒い星 《ブックマーク》も色が反転し、世界が| 夜の時間 《ダークモード》になった。
そんな“あべこべ”の世界で、色もまともに判別できなくなった私は再度、与えられた| 白い星 《ブックマーク》を黒くなった空間で黒い| 箱 《ボックス》に入れる命令に動かなければならなくなった。