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十八
怜羅「いました!被害者達です!」
怜羅の指の先には、何人もの人が牢屋に囚われていた。
そしてその中には・・・。
大和「あ・・・明希⁉︎」
明希「お兄ちゃん!」
大和の妹の明希もいた。
大和「今鍵開けるから待ってろ!」
明希「お兄ちゃん、ここの檻の鍵はそこの作業台の上にあるよ!」
大和達は置いてあった鍵束を使って、檻を次々に開けていった。
大和「明希!」
明希「お兄ちゃぁぁぁん!」
明希は大泣きして大和に飛びついた。
明希「怖かったよ、寂しかったよぉぉ・・・」
大和「無事みたいだな、本当に良かった・・・」
檻に閉じ込められていた人たちは、次々に施設を飛び出していった。
?「ありがとうございました!」
2人の女の子が駆け寄ってきて、頭を下げた。
梨月「私は|御上梨月《みかみりつき》です!」
美来「|小鳥遊美来《たかなしみく》です」
2人はこの施設の秘密を教えてくれた。
大和「生物兵器・・・?」
梨月「はい、こんなのを作る予定だったみたいです」
梨月がくれた書類には、この世のものとは思えない怪物が描かれていた。
どぬく「何これ⁉︎手が6本ある⁉︎」
琉偉「四つん這いだし、人間じゃないみたい・・・」
ソレは四つん這いで、手足が6本、肌はどす黒く染まり、口は大きく裂けている。
どうやら母体となる人間に、他の人から切り取った両手を取り付け、集めた血を体に塗り、母体の口を切って怪物を作ろうとしていたらしい。とんでもない施設だった。
藍人「バケモノだな・・・」
宗真「早めに止められて良かった」
美来「まだ誰も改造されてないのでギリギリセーフですね」
梨月「皆さんのおかげです。本当にありがとうございました!」
明希「私達も、早く地上に戻ろう!」
9人で来た道を戻り、地上に上がった。
大和「李由さん!」
李由「どうしたの?」
大和「施設の被害者を全員救出した!」
李由「おおお!ナイスよ!すぐに応援を向かわせるわ!」
李由に報告した大和は、ほっとした顔で空を見上げた。
警察「ご協力感謝致します!」
施設を運営していた人間は全員逮捕され、他の研究棟に捕まっていた人々も解放された。
連れて行かれる職員達を見ながら、明希はほっと息を吐いた。
明希「ようやく・・・終わったんだね」
大和「あぁ。ここでこれ以上被害者が出ることもない」
明希「悪夢を見ていた気分。短かったはずなのに、すごく長かった」
大和「これからは俺が明希を守るからな。彼氏ができるその日まで」
明希「何それ笑。でも、ありがとうお兄ちゃん!」
2人の兄妹は顔を見合わせ、笑っていた。
御上梨月(みかみりつき)
怪物の腕にされるはずだった。21歳。施設の目的を調べていた。
小鳥遊美来(たかなしみく)
怪物の肌にされるはずだった。19歳。囚われてたのに軽く考えている。