公開中
Auftakt#6
《月部屋》に行くと,みんながいた。
ルリの蒼ざめた顔が,余計に事の重大さを感じさせる。
「みんな…」
ぼそりとルリがつぶやく。
「ハシバミが,バリアを張りに行っちゃった…」
え,という雰囲気が全体に広がる。ハシバミは小柄だが,超能力は1番強力だ。
けれど,人間は何を使うかわからない。そんな危険の中に,ハシバミは…。
すうっと体が冷える。みんなの顔が白くなった。
その時,ハシバミが駆け込んできた。
「みんなっ…!」
はあはあとあらい息が,ハシバミの口からもれる。けれどハシバミは,一気に話した。
「先生たちが限界。あと数分しかもたないと思う。みんな,逃げてって言ってた」
「…わかった!」
みんなの声が重なった。先生たちの努力を無駄にはできない。
「じゃあみんな,いつものペアになろう。それで,逃げよう。スマホで連絡取って」
「みんな,気をつけて!」
「私たち,きっと会える!また会える,はずだから!」
だんだん,聞こえてくる声が涙声になってくる。私の視界も,涙でぼやけた。
みんなが,一斉に空を飛んだ。姿が豆粒のように小さくなった…
こんにちは♪
このアウフタクトシリーズも,起承転結の転を迎えました!(長くなると思いますが…)
これからも読んでいただけるとうれしいです‼︎‼︎