公開中
五話
気がつけば大晦日。
皆はわいわいと大勢で年越しそばを食べ、年越しパーティーをするのだろうけど、私はそんなこしない。
だって一緒に過ごす人がいないんだもの。
一人で蕎麦を食べる。
それだけでいい。
別に一人でも、寂しくはない、と思う。
一人だったから何かあるわけでもない。
またそう言い聞かせ、思い込む。
一人で食べる蕎麦の味は、おいしいけどどこか寂しい。
美味しそうでたくさん買ってきてしまった天ぷらも、おいしそうだけど箸が進まない。
年越しする瞬間にジャンプとかいうこともせずに年を越す。
そして正月。
新しい一年が始まる。
今年はいい年になるといいな。