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鈍足
私は今年で中学2年生だ。
今まで部活に入っていなかったのだが、
今年初めて、陸上部に入ろうと思った。
競技は長距離。
私はそもそも足は速くないし、そもそも運動が苦手だ。
でも私は絵心はないし、楽譜も読めない、球技は苦手、泳ぐこともできないので、
走ることしかできなかった。
まずは体操。
いつものラジオ体操とは違って、
陸上部特有の体操だ。
なんとかそこは気合いで乗り越えた。
そのあとは、足のストレッチ。
股関節を回したり、足を振り上げたりと、
とことん厳しい。
唯一、去年同じクラスで、私と同じ今年初めての陸上部に入った中江が付いて行けてなくて安心する。
そのあとはメディシンボールという、2キロあるボールを天高く投げて、キャッチする。
「高城、下手くそじゃん。ちゃんとやれよ。」
「うるさいな、中江だって出来てないでしょ。」
私はメディシンボールのせいで突き指をした。
そんな事はお構いなしに、トラックを走る。
私の中学校のトラックは200m。
まずは5周。
もうキツい。
息切れが激しくて、髪の毛が揺れる。
後ろの中江も息苦しそうだ。
やっと休憩だ。
私は水筒の水を飲み干してしまった。
それでも息は荒いままだ。
「中江、キツい?」
「キツいに決まってるだろ。1000mだぞ。高城はどうだよ。」
「全く同じ意見だね。」
そして休憩は終わり、また5周を走った。
やはりまた走っても、5周は長い。
何故先輩たちはあんなに速く走れるのだろう。
そして何故あんなに体力があるのだろう。
「中江、先行って。私足遅いから。」
「無理、俺も体力無い。抜かす気力も無いよ。」
二人で並んで走った。
中江の方が少し速かった。
そしてまた休憩だ。
私は目眩がしてきた。
どんなに深呼吸しても一向に落ち着かない。
「大丈夫か?水道の水飲んでこいよ。」
「うん、飲んでくる。」
全体が蒸し暑かったので、冷たい水を飲んでかなり回復した。
「中江さ、ジャージ脱いだ方がいいんじゃない?暑くないの?」
「いいよ、どうせそろそろ終わるだろ。このままでいる。」
休憩が終わり、最後のメニューに来た。
外周を、3周だ。
外周は約400m。
400×3で、
1200mだ。
先ほどより200m増えている。
そして外周が始まった。
最初の方は付いていけたが、
2周目の辺りからかなりしんどくなっていき、3周目はほとんど付いていけていなかった。
中江も同じだった。
電柱に寄りかかって汗を垂らしていた。
その後走り終えて、顧問の先生と長距離のメンバーでミーティング。
そしてさようなら。
「はー、疲れた。高城、一緒に帰る?」
「いいよ。めっちゃかかと痛い。」
「分かる、筋肉痛確定だよな。」
二人で笑いながら一緒に帰路についた。
これから先が少し楽しみだ。
ゐわのです
小説初投稿です…
めっちゃ緊張してます…
面白いと思ってくれたら嬉しいです!
登場人物を一応書いておきます!
高城澪海 たかぎれみ
中江蒼真 なかえそうま
あまり下の名前は出てきません