曲パロ.プロポーズ

「｜悠《ゆう》……。」 届きもしない声を、私以外に誰もいない部屋で呟いた。 この状況は何度目なんだろう。もう、数えきれないや。 もし君が明日自殺したとしても、私は一緒に四階のベランダから飛び降りれるのに。 君にとって私って、なんなんだろ。 ｜悠《ゆう》と二人きり以外の時間を想うと、今頃他の女の子と遊んでるのかな、とか、考えちゃうの。 胸のズキズキが、どうしようもないほど止まらなくなるの。 あなたのその眠そうな目、強がる癖、抱き合う時は甘くなる声も。 遊び人なあなたは他の女の子にもそれを見せているって、知ってるけど。 私以外の女の子を想っているのかもしれないけど。 でも。 全部全部もう、私だけがいいの。 遊ばないで欲しい、他の子に近づかないで欲しい、"あなた"を見せないで欲しい。 苦しいの、辛いの、助けてよ…。 お願い。 君は、ずるい。 ふとした時に出す甘い声。 ずるい。 悲しいときは、抱きしめてくれるところ。 ずるい。 こちらをどっぷりと愛という沼に引きずり込んでくるくせに。 ずるい。 自分はのらりくらりと躱すところ。 ずるい人だもう……。 私はもう、我儘な君の中で、綺麗に腐ってしまったから。 その罰を、受けなきゃ。 私の想いを聞いて。 聞いて。 聞いて。 聞いて。 聞いて。 聞いてよ……！。 あなたが次、もし私を抱いてくれるとしたら。 優しく、抱いて。 優しく…、抱いて。 優しく抱いて。