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シオン命狙われ中! ⑤
僕は鍵を開けて内側から開けようとした。
あれ?
開かない。
もしかして…外側から押し返されてる?
そうなれば外側の状況が変わらないと絶対開かない!
ヤバい!!
(👇前回の続きです)
閉じ込められてから1時間。
夏だし、クーラー付いてないし…暑い。
殺されるとかいう前に熱中症で死んじゃうよ……。
僕は今教材室の日の壁にもたれた。
連絡手段の携帯…はカバンの中だ。
頼りになるエリタさんも呼ぶことが出来ない。
変に動いても体力を消耗するだけだし……。
そうだ、電話。
いくら教材室とはいえ、緊急時用の電話が壁に備え付けられてる。
それを使って……エリタさんに電話してみよう……。
僕はふらつきながらも立ち上がり、電話へ足を進めた。
あぁ……めまいがして上手くボタンの数字が見えない…。
僕は、意識を失って受話器を持ったまま倒れてしまった。
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「もういいかしらね…」
私…教師の|山咲《やまさき》はドアの前に置いて、ドアが内側から開くのを止めていた棚を押して動かした。
動かしても内側から開かないってことは…|京王路《けいおうじ》シオンはもう死んだってことよね?
あんなに暑い密室で、5時間もケロッとしていられるわけがないもの。
まして、窓一つない教材室で脱出の手段なんてない。
一応電話はあるけど…あれは朝に帽子をかけて隠しておいたんだし。
生徒である京王路さんに知る機会なんてなかったはず。
私はそーっと教材室の扉を開けた、するとそこにいたのは……
教材室の床に、受話器を持って倒れている京王路さん。
「ふーん…電話に気づいたのは計算外だったけど、まぁ結果オーライってことで…」
私はまだ生きていないか確認するために、京王路さんの手を取る。
脈は……止まっている。
私は小さくガッツポーズをし……ようとした。
京王路さんを運ぼうと、背負ったその時…軽すぎると気づいたから。
確かに京王路さんは健康診断でもちょっと痩せ型と知っていたけど…ちゃんと51kgあったし……。
私は試しに京王路さんの腕を折ってみた…手首とひじの関節の間…人間なら曲がるはずがないところ。
だけど、ふにゃん、といとも簡単に曲がってしまったのだった。
「にん…ぎょう。」
私は足の力が抜けて、人形の手を取ったまま座り込んでしまった。
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僕は今、クーラーの効いた部屋でスポーツドリンクを飲んでいる。
あ~…涼しっ!
「シオン様、冷やし中華…雪見だいふくはいかがですかっ!かき氷も…」
「大丈夫だって!」
僕の体調を心配してくれるエリタさん。
そんなに冷たいものばっか食べたらさすがにお腹壊すって!
実は、教材室には僕の身代わり人形がいるんだよね。
僕が倒れた後、エリタさんが下校時間になっても学校の前に来ないからと言って探しに来てくれて…。
あ、僕毎日車で送迎してもらってるんだ、ちなみに。
エリタさんと妹のリオンが相談して、僕の制服にGPSまで付けてさ…君らがしてること、ほぼストーカーだからね!
んで、後は簡単。
棚を動かして僕を連れ出して身代わりの人形を置いておいて…人形はいらないと思うけどね、うん。
そんで、棚を戻して証拠隠滅!指紋もふき取りました!
いやぁ、今回は助かったよ。
リオンにも後で感謝しとかなきゃね。
生意気なのは気に食わないけど、昔から一緒の妹だから。
あぁーっ!涼しっ♪
シオンは高校生なので、高校生男子の平均体重を調べましたが、おかしかったらすみません🍏ではまた金曜日に会いましょう!