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episode4
おんりーside
「ありがとうございました、ドズさん。」
「ぼんさんも〜!」
「また明日です!」
「「また明日〜!」」
ドズさんとぼんさんが箒に乗って飛び去っていく。
自分たちはそれを見送ってから、家への道のりを進む。
「帰ったら何しよ〜。」
「俺はドラゴン退治行くかな〜。そろそろタイム更新したいし。」
幼い頃から続けてきたドラゴン退治。
暇さえあれば出かけてしばきに行くから、
多分もう、倒した体数は五百体を超えているだろうけど。
「じゃあ僕も行く!」
「え、でもおらふくん。。王様と王妃様に怒られないの?」
「許可もらっとるよ!
おんりーとMENと一緒だったら大丈夫!
ドズルさんとぼんさんと一緒でも大丈夫やゆーとった!」
おらふくんはこれでもこの国の王子にして王太子。
そんな人がホイホイ死ぬかもしれないドラゴン退治に行っていいのだろうか。
流石に不安になる。
そして王様、自分たちに信頼置きすぎです。
流石に一人息子をドラゴン退治に行かせるのはちょっとでいいから渋ってください。
「あー、じゃ俺も行こっかな。新しい武器試したいし。」
「あれ。またなんか作ったん?」
「TNT大量発射装置と製造機を小型化して携帯可能にしてみた!」
MENの発明品は大抵火薬が絡む。
TNT大量発射装置と製造機とはMENが最近造った、TNTを作りつつ大量発射する巨大装置のこと。
半分兵器のような代物だが、平和なこの国では花火の発射とかに使われている。
「威力は?」
「そのまま。むしろ上がってるかも。」
「いいじゃん。」
威力とは一撃でやれるパンチ力か、周りの邪魔者を吹っ飛ばせる範囲型か。
どっちもドラゴンの巣を壊さなければいいけど。
なんて思いながら、新たな発明品にワクワクしている自分がいる。
「じゃ、3人で行こっか。」
「おんりー!斧持ったで!食料と薬もバッチリや!あと水バケツも!」
「火薬と砂もOK,いつでも行ける。」
久しぶりのドラゴン退治。自分たち一斉に一歩を踏み出した。
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「はよこいやぁっ!!!!」
残り一撃。このままやれば自己ベスト更新できる。
邪魔な周りの魔物はMENとおらふくんが進化系TNT発射装置でふっとばしてくれている。
--- グォォォ……。 ---
来た。斧を振りかぶって頭に一撃。
ぱぁっと辺りに光が広がる。自己ベスト、更新だ。
「やった!!おんりーっ!!」
「おわっ!?ちょ、おんりー!!」
飛びついてくるおらふくん。魔物に囲まれているMEN。
やっぱりこの2人は面白い。
持ってきたパンを頬張り、疲れた体に栄養を巡らせる。
「早く帰ろ〜!」
「そうだね。じゃぁMEN、あとよろしく〜。」
「おぉい!!俺を見捨てるなーーーー!!!」
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「ただいま、父さん。母さん。」
「おかえり、おんりー。今日はおらふ王子とMENくんとドラゴン退治か?」
家に帰ると、もう母さんが夕飯を用意していた。
普段は遅い父さんも家に帰ってきている。
「うん。今日はMENが新しい武器を発明したみたいで、それの実験もやったんだ。」
「面白そうだな。今度俺も見せてもらおう。」
父さんは騎士なのに剣以外の武器も大好き。
特に爆発系のものが好きらしくて、MENと意気投合している。
なんだかわかる気がするようなしないような。
「おんりー、学校どうだった?」
「えーっと、属性を見て、使い魔召喚の儀式があったよ。あ、いただきます。」
母さんのご飯はいつだって美味しい。
疲れも抜ける。おらふくんは執事さんに怒られてないかな。今度謝っとこう……。
MENはまた新しい武器考えてるんだろうか。
「ドズルくんとぼんくんは元気かい?」
「うん。やっぱりポーション研究に熱中してるみたい。」
ドズさんのお父さんと父さんは幼い頃からの友達らしい。
「さ、おんりー。明日も早いんでしょう。早く食べてお風呂入って寝なさい。」
「はーい、母さん。」