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こんにちは、あなたの一文目です:-)
こんにちは、あなたの一文目です:-)
事前情報無しで読んでいただきたい。
そしてぜひともいいねを連打していきながら読んでいただきたい。
感想は送らなくていいので。
ゆっくりと、ちまちまと。下に下にスクロールしていって。
いい?
ん……ああ、いいね。その調子。
もっと続けて。
……うん、とてもいい。
何というか、こう、ぎこちないっていうのかな。ツンツンと突っつく感じ。
他人が書いた文章に対して触るようにclickするのって、する側はいいんだけどその逆ってなんかエロい感じするって前から思ってたんだ。
予想通り、性格が出るねって感じだよ。
……ドン引きしてる? ふーん、でもさ、他の文章にもそういうことするでしょ、それも痴漢でもするように。
じゃあさ、なんで僕にはしないのさ。
あ、もしかしてドウテイってやつ? あ、勘違いしちゃった? いわゆる性経験のことを言ってるんじゃないよ。まあ、あってもなくてもこの際どうでもいいんで。びっくりさせちゃったならこの通り謝るからさ。
それよりどう思う?
タダでさえ無料で読めるサイトなのに、読んで通りすぎるだけの読者サマのことだよ。うちなる心に秘めてるプライドが邪魔していいねすら押せず、ひと言も感想送らず帰るだけのいいねドウテイさんについて。え、もしかして、あなたも、ですか?
はぁ。つくづくだよ。
現実世界、君がどんなに悲惨な生活してるのか知らないけどさ、ここってネットだよ?
心配しなくたって平気だよ。未成年だから? 大丈夫だって、僕も未成年だから。もっと、してっていいんだよ。もっともっと。
もっと連打してっていいんだよ。それとも何。君って「いいね連打ドウテイ」なの?
あのさ、僕が言うのもなんだけど、普通に恥ずかしいと思うよ。ドウテイの二倍、三倍は恥ずかしいと思――あっ。
……なるほど。そういうプレイ?
そういうプレイがご所望なんだ。変態だね。いいよ、それでも。僕は両方ともイケル口なんーー
「何やってるの?」
…………ちっ。
「ちょっと舌打ちしないでくれない? 気持ち悪いネクラオタク」
邪魔しないでくれないか、今この子とチャット、もとい話しかけてるんだから。
「うーん、話してたかなぁ。さっきから隠れて聞いてたけど、会話どころか黒歴史創ってたじゃん。大丈夫? ここネットだよ。デジタルタトゥーって知ってる?」
友達いないからって僕にマウントすんなよ、誰でも知ってるようなクッソ浅い知識でさ。
「手遅れだね、まったく。私でさえ君がドン引きするほどのドMだからって、そんな地の文に擬態してまでいいね(物理的刺激)を求めるなんて…。しかも、いつになく過激なカッコじゃないか。見えないんだから意味ないでしょ」
うるさいな~。裸族になったっていいだろ。ここは僕の部屋なんだから。
「邪魔だってしたくなるよ。『わたしは君の生みの親なんだから』」
……。
「それに、分かってないね。こうでもしないといいね貰えないからって、こんなカッコじゃ更にドン引きするじゃないか」
だから? また僕の邪魔すんの? 毎日毎日少ししたら来るじゃないか。ほんとう、頃合いを見計らったように。君も暇だね。僕とおんなじくらいに。
「そんなツンケンしなくたっていいじゃないか。どう努力したって君は変わらないのに。顔も身体もブサイクなのに、どうしてこんなことするんだろうね」
そんな35歳キモデブニートさんに言われたって何にも響かないけど?
まあ、対して僕は十代で義務教育卒業したて。羨ましいと思うのは勝手だ。
いいじゃん、このくらい。
最近刺激が足りなかったんだ。パパ活も監視が厳しくなっちゃったんだし、しょうがないでしょ?
「いい加減にしなさい! だってあなたは――」
だからうるさいって言ってるだろ。
ちょっと黙っててよ(ドカッ
「( ゚∀゚)・∵. グハッ!!…………ドサッ」
さあ、邪魔者はいなくなったね。さあ続きを始めようか……、止まってるよ。
手を動かしてくれよ。あ、手じゃなくて指先か。
もっと私を撫でて。その矢印のように、とんがった棒で僕の身体をつついてくれよ。
「……」
よそ見しない。そいつのことはどうでもいいじゃないか。
「……」
……?
「」
そんなに気になる?
あっそ。嫉妬しちゃうな。じゃあしょうがない。代わりに確認するから……
(遠のいていく足音)
__……。__
__……あー、壊れてますね。__
(徐々に大きくなる足音)
完全に壊れてます。心肺停止状態。まあしょうがないよね。人間と人外だったら、人間のほうが壊れちゃうに決まってら。
またこれで一人ぼっちに逆戻りってわけだ……。
何、その目は。哀れに見てくれるなぁ、君は僕のことだけを見てくれればそれでいいんだよ。
それともあれか。
同情してくれんの? やめてくれよ、そんなキモいことすんの。引くわー。
というか、というかだよ。
君に僕の何が分かるってんだい?!
僕のことをどう見てたんだ。えぇ? おい!
哀れな少女? 孤児? 年若い男のことを昨今ではショタって言うらしいね。
でも残念。どれも期待には答えられないね。俺はそのどれでもないんだからな……、この節穴!
どう見たって、ロボットだろうが!!
見ろ!装甲のはみ出た安っぽいロボット!
ああそうさ! 哀れなロボットだよ、それもブリキで出来た、な!
たった今、創造者をぶん殴っちまった哀れな被創造物、君に言われなくたって自分の今の状況ぐらい把握できる。そこまで錆びついてないもんでね。
バカにすんなよ人間。
節穴過ぎる目でもう一度見てみろよ。
この手、指先、腕、腹、頭。
どこをどう見たら人間に見えるんだ?
確かに裸だよ。でもね、何色かにもよるよねー!
茶色だよ! 全身、茶色!
ねぇ、ねぇねぇ、ねぇねぇねぇ!
この時点でさ、この文章の世界観とか考えたことある? ないよなぁ。君たちは「読者様」なんだから。
ここはすでに神様に滅ぼされた世界なの。正確に言えば神様によって停止された世界かな。
神様がねぇ、突然言ったんだよ。
新しい世界を作ろうって。いいよね、いいよね。口だけなら誰でも言えるよねぇ。
で、作ったわけよ。有言実行さ。でもまるきり新しく作ったわけじゃない。元々あった過去の世界観を思いっきりぶち壊して、新しい要素を組み込んだんだ。
でもさぁ、神様って気まぐれなわけよ。やっぱり前のが良かったって。それで放置されたんだ。
なんでこの話してると思う? この神様ってさ、まるで君のことを言ってるんだよね。気まぐれに小説をエタらせたり、ここらへんが気に食わないといったら断固として譲らないんだ。料理をひっくり返すように再びこねくり回すんだよ。で? その後どうなるかっていうと、こうなるんだよ。一向に進まないストーリー。停止された世界。
最初、主人公に抜擢されたんだよ。ロボットが主人公の、世界救うやつ。喜んださ。でもすぐに杞憂に終わった。見切り発車なもんで見た目とか体格とかなんにも思いついてないわけ。だからこの姿なの。こんなロボットといえばみたいな第一印象まるまるな骨格でさ。おもちゃ屋でもいいの売ってるわ。
さっきうっかり壊しちまったそれも、それはそれは立派なバックストーリーがあったわけよ。頭脳明晰とか才色兼備とかイケメンとか。でもさぁ、それらひっくるめても所詮人間なわけ。放置された世界でしかも時が止まっちまったもんだからさ、表面がよくても心から腐っちゃうんだよね。どうして進まないんだ、俺は天才なはずなのに。
それで自分を傷つけて動かなくなったんだ。
動かなくなった。そう、彼はね……プログラムされてるんだよ。僕によってね。
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放置された世界にも意味はあると思ってる。
作り出された世界観。キャラクター。背景。ストーリー。
しかし、物語にはそれらよりも大事なものがあると思う。それらの根幹を支えているのは何よりも、読みやすさに特化したリーダビリティと面白さだ。
そんな面白さを追求して、あらゆる世界観を作った。結末をハッピーエンドになるよう伏線を組み、どうせ放っておいても来るだろうバッドエンドへの貢物にしてやったりもする。
さあて、今宵もまたどこかに面白そうな気配はないか……。
世界線をいじくり、弄ぶように飛んで観察するに……あった。海に浮かんだ小島のような世界で一人でいた。退屈そうな粘性の身体を揺さぶって、腐った流木のような茶色の金属に寄り添っている。他になにもない。強いて言えば近くに屍が浮かんでは波にさらわれている。
気まぐれに降り立ってそれに話しかけた。
「何でも望みを叶える代わりに、縛りを設けよう。何かある?」
縛りを設けるのは、そのほうが面白いとわかっているからだ。もっと言えば、世界に深みが出ると言ってもいい。粘性の液体はテレパシーで伝えた。
「文字を含む知識を教えてほしい」
「そうか。ならば縛りを設けよう。まずは『この世界の「」』を戴こうかな」
そうして「」という概念が消え、会話は消失した。その代わりに粘性の液体は文字と知識を覚えた。
願いはまだあった。観客がほしい。ここには誰もいないから、と。
「そうか。ならば縛りを設けよう。次に『この世界の地の文』を戴こうかな」
そうして地の文の概念が消え去った。もはや物語の体裁はなくなった。その代わりにほかの世界にて伝わる機械を貰った。映像をそのまま伝える、ネットと呼ばれるものだった。
最後の願いも同じように彼に伝える。その願いの内容は、地の文も「」も使えない世界では困難だった。が、彼にだけ伝わった。目の前にいたからだ。
「……面白い」
時が止まった世界で、無言の願いを紡ぎ出す。彼は一言だけ伝えた。今まで旅した中で一度も見たことがない。とも。粘液体は嬉しそうにしていた。
「それでは最後の縛りを設けようか。――」
伝えたあと、彼は飛び去ってしまった。別次元に行って、どこかにいる面白そうな物体を探しに行ったのだろう。そして会って願いを叶え、代わりに縛りを設けるのだろう。
面白い。その一言のみ告げるために。
残された粘液体は、彼がいった言葉を胸に秘め、映像の飛ばせる機械に向けて発信し続けた。最後の願いを何回も何十回も続けてみせた。
最初はぎこちなく動く身体だったが、同じ内容を伝えるために最適化されていって、粘性の液体は徐々になめらかになっていく。それは無音で形作られた文字ーー物語なのだ。
何万回とやった後、今まで通り「一言も発さずに」文字を形作る。
横に伸びて、伸びて伸びて横長に。細くやわらかい曲線でひらがなを創り、残ったものは力なく地面に滴り落ちる。
自らのその粘性のある身体で、最初の一文を創った。
こんにちは、あなたの一文目です:-)
2022年3月X日作成。旧作。
約4500文字。
二転三転、叙述トリック、特殊系。
もうこれ作った後、満足してしまった。
「叙述トリック系、もう作るのやめよ」となった。いつ読んでも神作でしかない。